ナポリのピッツア職人が世界無形文化遺産に登録されました

 2013年に「自然の尊重という日本人の精神を体現した食に関する社会的慣習」として日本の食文化である和食が国連ユネスコの世界無形文化遺産に登録されたのに引続き、2017年に食文化としては6番目となる指定を受けたのがナポリの「ピッツァイオーロの技巧(The art of the Neapolitan‘Pizzaiuolo’)」です。
 

ナポリではピッツァイオーロ(ピッツァ職人)により伝統技術が維持されています

 ナポリのピッツァイオーロ(ピッツァ職人)の技巧は、ピッツァ生地を準備して、へらで回転させながら薪釜で焼き上げるための4つの異なる料理の工程からなります。この技術は、カンパニア地方の首都ナポリから産み出されたもので、ナポリでは今でも約3000人のピッツァ職人がいると推定されています。 
 
 ピッツァ職人は基本的に3つに分類されます。- 名人ピッツァ職人(マスターピッツァイオーロ)、普通のピッツァ職人、そして普通のナポリ人が家庭で作るピッツァ焼きレベルです。この各種のピッツァ職人たちが、地域社会における世代間の交流を促進しする中で、ナポリ・ピッツァの食文化を支えています。

 ナポリの名人ピッツァ職人(マスターピッツァイオーロ)のエンツォ・コッチャさんは、今得意満面だと思います。なにしろコッチャさんがこの伝統技術を継承するために長年努力を重ねてきたピッツァが世界的に評価されたからです。その誇らしげな姿(写真中央右)は、上記のサイトからもご覧いただけます。
 
 ナポリに二つあるピッツァイオーロの協会は、毎年この伝統を継承するために、ピッツァの歴史、ピッツァ作りの器具、テクニックに重点を置いた研修を実施しています。またナポリでは、ピッツァ作りの技術ノウハウが協会から独立した専門のアカデミーによって技術認定されており、研修者はピッツァ作りの技巧をピッツァ作りの現場で学ぶことができます。
 
 協会から独立して運営されているアカデミーの一つが、ナポリのトップ名人ピッツァ職人で、ミシェランの星をピッツァで獲得したエンツォ・コッチャさんの運営するピッツァコンサルティングです。ここではイタリアだけでなく、日本を含めた世界各国からピッツァ職人志願者が大勢集まって来ており、ピッツァ職人の技巧を世界的なものにしています。

基本はピッツァ職人の伝統的な徒弟制度です

 この文化の基本は、ピッツァ職人の伝統的な徒弟制度の中にあります。ピッツァ作りの知識と技能は、職人の店で伝えられます。若い見習いは、長年にわたり職場のマスターを観察する中で、ピッツァ作りの主要なポイントとコツをつかんでいきます。そのためピッツァイオーロ協会の研修やアカデミーの技術伝承参加者は、短期間で基礎を覚えるだけですので、終了後もたゆまぬ研鑽が求められることになります。

 
 ナポリの街全体で育て、今なおおいしいピッツァを食べるために発展しつづけているピッツァ作り技術は、ピッツァイオーロと呼ばれるピッツァ職人によって維持・継承されています。ナポリを訪問される際には、是非、ピッツァイオーロのピッツァを味わってみてください。
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