ローマから吹く風第62号
ローマでコロナ−イタリアのコロナウィルスの現状3

ヴェネチア広場の上で2020年の共和国誕生日を祝う航空隊

 
目 次
1.はじめに
2.ローマでコロナ7から8
3.イタリアのマラリア
4.イタリアにおける利用可能な主な交通手段
5.おわりに

1.はじめに

 このメルマガでは、「今のイタリアをお知らせしよう」ということでメルマガを発行させていただいております。弊社でお仕事してくださっているローマの山根みどりさんから、日刊デジタルクリエーターズ「ローマ在おばちゃんの日常から見たコロナ騒ぎ」を通じて、イタリアの現状を知らせていただいています。これをベースにイタリアの情報をおくらせていただいております。
 新聞情報によるとイタリアでは6月3日より、イタリア国内の移動は認められ、EU圏内であればイタリア観光も可能となりました。イタリアのコロナによる死者の数は累計で33000人台が続いており、どうやら山を越したようです。イタリアも復興のステップを踏み始めました。
 フォルツァ・イタリア!、フォルツァ・Midori!!

2.ローマでコロナ

<ローマでコロナ7>
 4月26日の夜半にテレビで新たな首相令が出されたことが知らされました。5月4日からイタリアは5月4日から第二フェーズへ入ることになりました。住まいが属する州内の移動は可能。「関係者」を訪ねることは可能、となっています。法律用語では関係者とは親戚、婚姻関係、ないしそれに準ずるもの。博物館、美術館、図書館を開館してよい。BAR(珈琲屋さん)レストランは、お持ち帰りやお届けは良い。床屋、美容院、エステ、スポーツジムについては6月1日から、9時から午後6時まで、週に5日。
 
 ローマでコロナ7→http://bn.dgcr.com/archives/20200501110100.html
 
<ローマでコロナ8>
 5月1日はメーデー。イタリアでは全国的に休日です。毎年恒例のコンサートが開かれ、RAI(イタリア国営放送)により全国ネットされ、ユーロヴィジョン経由でヨーロッパ中に放映されています。今年はコンサートは無し。午後8時から、ローマのスタジオで司会者が幕を開け、参加者はネットで繋がってインタビューに答えたり、ローマのスタジオに来れる人はスタジオで歌い、ミュージシャンはそれぞれの家で歌ったり、野外、住まいの屋上で録画を送ってきたり、ライブで歌ったりした。
 観光業界においては、日本の観光代理店所属でグループのアシスタントをしている友人は、この経済援助を受けることのできるカテゴリーだった。法人税務番号を持っていて、かつ昨年の収入がある金額を上回らないという条件に入ったので、3月に600ユーロ(約7万円)、4月に800ユーロ(約9万円)があっさりと銀行口座に送られてきたとのこと。6月1日から美容院もカットのみで再開とのメールが来ました。早速、カットを申し込み。
 
 ローマでコロナ8→http://bn.dgcr.com/archives/20200508110100.html

3.イタリアのマラリア

 日本人のイタリア紀行としては、1927年末に3ヶ月にわたりイタリアを巡った日本の哲学者で倫理学者の和辻哲郎さんが執筆した「イタリア古寺巡礼」が、おそらく一番はじめのものだと思います。この書は、和辻さんのすぐれた眼力によって、芸術作品を見る眼を教えてくれるものとして、秀逸なものです。それだけにとどまらず、日本の文化に精通していた和辻さんは、西欧の芸術や文化を、日本との対比を通して捉えていたことから、すぐれた比較文化論ともなっています。これをイタリアの歴史に重ね合わせてみると、実に豊饒な美の世界が広まります。是非ご一読されることをお勧めします。
 さて、「イタリア古寺巡礼」を読んでいて、今更ながら気がついたのですが、イタリアの街形成において、マラリアの果たした役割の大きかったことです。街はマラリアを避けるために高台に作られていました。歴史を調べてみると、イタリアでは、ペスト以上にマラリアによる人口減が大きかったようです。ローマ帝国の崩壊も、マラリアが原因との説もあるぐらいです。このマラリアは南部だけでなく、北部地域でも流行っていたようで、最近も、マラリアの発生が報告されています。一説によると、マラリアのワクチン接種者は、コロナウィルスに感染すると、過剰反応を引き起こすと言われ、コロナ死者の多いことの原因とも疑われています。
 ちなみに和辻さんも、最終訪問地のベネチアでマラリアに罹患してしまいました。イタリアはコロナだけでなく、マラリアとも長い間戦ってきたことが分かります。

4.イタリアにおける利用可能な主な交通手段

 6月2日現在で、航空便を見ると、直行便はアリタリアが7月1日から運行再開の予定となっています。経由便については、ローマないしミラノ発で、フランクフルト、アムステルダム、ドーハ、パリ等経由で日本との間の航空便が確保されています。
 
 利用可能な主な交通手段→https://www.it.emb-japan.go.jp/pdf/covid_19_traffico.pdf

5.おわりに

 ローマでコロナも8で休止となっています。山根さん、多分いろいろなことがあったと想像しますが、ほんとうにお疲れさまでした。来月からは、「ローマから吹く風」も通常体制のもと、発行することを考えております。
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