メールマガジン"ローマから吹く風"第21号:イタリアのお祝いとお祭

 
目 次
1.はじめに お祝いの日には仕事をしてもらえません
2.クリスマスの3日間
3.聖・シルベストロの日(12月31日)
4.元旦(1月1日)
5.御公現祭(ベファーナの日)(1月6日)
6.復活祭・イースター(Pasqua)
7.共和国記念日(建国記念日)(4月25日)
8.Ferragosto(フェッラゴースト)「聖母被昇天祭」(8月15日)
9.その他のお休み:万聖節(11月1日)、「無原罪のお宿り」の祝日(12月8日)
10.あとがき

1.はじめに お祝いの日には仕事をしてもらえません

savini
 ローマ人は、イベント好きで、仕事より、家族や友達とのイベントを優先します。知合いのイタリア人ドライバーは、借金を抱えて、アップアップなのですが、いくらギャラを積んでも、仕事をしてもらえない日があります。主なところではクリスマスの3日間、大晦日、メーデーです。クリスマスは日本のお正月みたいなものなので,ある程度理解できます。しかしその他の二つは日本人の理解を超えています。大晦日の夜は1年に1度の大騒ぎを友達とするお決まりの日なのです。メーデーはデモではなく春を祝って空豆と羊のチーズ(ペコリーのチーズ)を合わせて食べる日なのです。世界に冠たるカソリックの国のお祭り大好き・イタリア人の1年を紹介します。


2.クリスマスの3日間(12月24日、25日、26日)

savini
 まずお祝いのしょっぱなは、日本のお正月に相当するクリスマスです。イタリアでは24日のイブ、25日のクリスマスとお休みです。さらに26日はエルサレムでの最初の殉教者、聖ステファノの日。ヨーロッパの多くの国でも祝日です。24日のイブは夕食が正餐、クリスマスは昼食が正餐。家族で祝います。そして26日とごちそうの日が3連続で続きます。食いしん坊のイタリア人でも3日連続は厳しいです。

 クリスマスは家庭で、が、モットーのイタリアですが、昨今はレストランへ出かける家族が増えて、道はあらゆる方角が混雑しています。



3.聖・シルベストロの日(12月31日)

savini
 イタリアでは毎日誰か聖人を祝う日になっています。12月31日の大晦日は聖・シルベストロの日です。皇帝コンスタンティヌスがキリスト教を公認した直後に教皇に選ばれた、第33代のシルベストロ教皇を記念する日です。

 遅い夕ご飯を食べて新年を待ちます。カウントダウンしながらスプマンテを抜きます。大騒ぎするのがイタリア流。締めは花火とレンズ豆。みんなで大騒ぎする年に一度のお祭りです。でもナポリの花火にはご注意。毎年けが人が出ると言われる激しいものです。




4.元旦(1月1日)

マンガ学校

 夜遅くまで大騒ぎしたあとの元旦は朝ゆっくり起きて、ちょっとだけ特別な昼ごはんを家族で食べ、だらだらおしゃべりをしたり、昼寝をして大騒ぎした大晦日の寝不足を解消する…というのが定番。日本のように「さぁ、新しい年を迎えてなにかがんばるぞ」という意識が微塵もありません。日本のようにおせちみたいなものはないけれど、レンズ豆は正月料理。レンズ豆を硬貨に見立て、お金がたくさん入りますように、という願いを込めて食します。

5.御公現祭(ベファーナの日)(1月6日)


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 キリストの生誕を祝い東方の3博士がお祝いのプレゼントを持ってやってきた日とされる。この日も堂々とお休みです。この日ベファーナ(Befana)という魔女が来るといわれ、暖炉から家の中に入って来て、子供たちが寝る前に暖炉の横に置いた靴下にプレゼントを入れる。良い子にしていれば素敵なプレゼントを、悪い子には墨を入れると伝えられています。

 ベファーナは魔女でもあるので、魔女の毒リンゴが出てきます。つまり露店で本物のりんごをキャラメル煮にしたものを売っています。本来、サンタクロースはイタリアにはいなかったので、プレゼントはこちらがメインのはずですが、イタリアでもクリスマスプレゼントが盛んです。ということでイタリアの子供達はこの時期2回プレゼントをもらいます。クリスマスから大晦日、正月と続くごちそうシーズンが、ようやく終わります。冬で寒くて運動していないので、体重は必然的に増えます。

6.復活祭・イースター(Pasqua):「春分の日のあとの最初の満月の次の日曜日」


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 復活祭は金曜日に処刑されたキリストが復活したことを祝う、キリスト教徒にとってクリスマスに並んで大事なお祭りです。

フィレンツェではスコッピオ・デル・カッロ(Scoppi del Carro)という火の車を意味するこの行事が中世以来開催されています。キリストの受難と復活を象徴する伝統的なもの。街の中を山車が練り歩き、花火に火がつけられます。フィレンツェのパッツィ家が十字軍遠征で手柄を立てて授与されたキリスト墓所の岩のかけらをその後フィレンツェの教会に献上。そのかけらからできた聖なる火の儀式や行進、聖霊を象徴する鳩の飛行、爆竹が鳴る山車など、一連の華やかな行事が、ドゥオーモ広場でくりひろげられます。

<Pasquetta (小さい復活祭):日曜日の復活祭の翌日で祭日>
 月曜日は「小さな復活祭」で祭日。この日も食べることになっている。何しろお祭りは食べる、食べる。1日じゃ終わらない。

7.共和国記念日(建国記念日)(4月25日)

 1946年に共和制移行の是非を問う国民投票が行われた日で、この結果イタリアでは王政を廃止して共和制になりました。ローマでは午前より軍事パレードがフォーリ・ インペリアーリ通り(VIA DEI FORI IMPERIALI)沿いで行われます。

8.Ferragosto(フェッラゴースト)「聖母被昇天祭」(8月15日)

 この日はどこに行ってもお休みで日本のお盆のようなものです。前の晩は大晦日の様な感じで、みんなでレストランに行って、食後に花火を打上げます。街によっては花火大会があったりします。やはりこの日もお決まりのごちそうの日です。

9.その他のお休み

<万聖節(11月1日)>
 カソリック教会の祝日で、すべての聖人と殉教者を記念する日です。

<「無原罪のお宿り」の祝日(12月8日)>
 カソリック教会の祝日で、聖母マリアが神の特別なはからいでキリストを懐胎した日という記念日。

10.あとがき


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 ルネサンス発祥の地として知られているフィレンツェは、職人の街としても知られています。ルネサンスを支えた織物や宝飾品の生産が、トスカーナの職人の起源と言われています。それが発展していまやフィレンツェは、世界的な高級ブランドの生産地として名を馳せています。次回はビ・スポークの街、フィレンツェの街を紹介します。

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