メールマガジン“ローマから吹く風”第11号:
アマルフィーの”ゴージャスな宝石”陶器の街・ヴィエトリ/聖なる年
- 目 次
- 1.はじめに 中華帝国の侵略
- 2.アマルフィーの”ゴージャスな宝石”陶器の街・ヴィエトリ
- 3.お薦めの陶器屋さんCeramica Pinto
- 4.鎮魂ポンペイ
- 5.旅の情報 聖なる年
- 6.あとがき ナポリの朝食
1.はじめに 中華帝国の侵略
2.アマルフィーの”ゴージャスな宝石”陶器の街・ヴィエトリ
アマルフィー海岸の東端にあるヴィエトリは、時刻と気象によってオレンジ、緑、赤、深い青などに変化する紺碧の海を持ち、町中がカラフルな陶器であふれていることから、アマルフィーの”ゴージャスな宝石”にたとえられた美しい街です。この街は、15世紀から地中海貿易の拠点として陶器を生産してきました。町中がカラフルな陶器であふれ、街歩きすると発見の連続です。いまでもここから国際的なアーチストが生まれ、ヴィエトリの名前を世界に高めています。
ヴィエトリはナポリから車で1時間、アマルフィ海岸の終点となるサレルノからも程近い小さな町です。ヴィエトリの語源は「海の上のガラス」という意味です。ヴィエトリの街を散歩して気がつくのは、陶器の店が多いことばかりではありません。名前の通り、街のあちこちに手描き、手作り陶器による看板や標識、ベンチなどがあり、歩いていて何とも楽しい雰囲気です。
駐車場で車を降りると、駐車場を囲む柵には、壼と青い色した陶器のロバさんが乗っている(この意味不明)。それだけではない。駐車場の一角に置かれた四角い陶器の芸術品?。なんと水飲み場。漁師さんが網を使って魚穫りする背景画。その下の水飲みのボウルは、タコさんが泳いでいる。これを支える台には人魚が2人(匹?)。街の花壇やベンチも、もちろん陶器作り。街角の装飾は、ヴィエトリの街の風景を陶器にしたもの。そう言えば、この教会はどこかに…あった!街のまん中に陶器張りした教会の丸屋根が見えました。
このヴィエトリの伝統的な柄はソリメーナ社のマークにもなっている鳥がデザインされたものです。街の外れにある、ヴィエトリ最大のセラミック工場ソリメーナの外観は、ガラス張りと陶器張りが組合わさった、ウルトラモダン。未来のユネスコ世界遺産候補なのです。
陶器の街・ヴィエトリ訪問→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/248.html
3.お薦めの陶器屋さんCeramica Pinto
一番気に入ったのはここ、Ceramica Pinto
かなりの大型店で、床タイルや壁タイルの大型注文も受けつけるとのこと。フローラルで若干の東洋趣向が入った古典柄で色味の品が良く、模様が繊細。?店主らしき人に聞いたら、伝統技術を継承していくのが店(工房)のモットーとのことでした。
この店が気に入ったので、日本からのリクエストがあったヴィエトリの壼は、Pinto工房で購入。これを何に使うのか判らない。でもバブルの頃は、こんな壼がイタリアン・デザインのリゾートマンションから大量注文があったとのこと。恐るべし、ニッポン。
店の表の飾りは、ポンペイの遺跡で有名な「猛犬に注意」のタイルに出てくる犬です。ベネツィアのガラスも同様、観光客が記念に買うには熟練した職人が作った「本物」はチョと高い。結局、大量生産品があちこちへばら撒かれることになります。それだけ見ていると、それはそれでよく見えてきます。ベネツィアの屋台のものはほぼ中国製とのこと。安さが一番ということで、中国の侵略はミラノの高級ブランドショップから、朝市の衣料品店まで広がっています。ヴィエトリの陶器は、まだ中国製に侵されてないだけマシともいえます。イタリアさん、イタリアを無くさないでーー、と念じつつヴィエトリを後にしました。
Ceramica Pinto
住所:C.so Umberto I, 31 84019 Vietri Sul Mare (SA)
Telefono:+39 (0) 89 210271 Fax:+39 (0) 89 212299
ヴィエトリの陶器屋さん→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/249.html
4.鎮魂ポンペイ
仰向けに倒れて窒息死した奴隷。腰に巻いているベルトの跡から奴隷と推測された。頭のアップ。歯と頭蓋骨が見える。これは空洞ではなく本物。
うつ伏せに倒れた婦人。お腹が膨らんでいる。これは妊婦と想定される。
しゃがんだ人。鼻と口を抑えている様子がありありと分かる。ポンペイの被害者は灰に埋もれてしまう前に、火山灰から出るガスによって窒息したらしい。
ベスビオは休火山。ポンペイ遺跡の頃に比べて火山や地震の研究が進んでいる。でも、山の麓にびっしりと建てられた家を見ると、科学が救えることに限りを作る行政…という思いが強くなる。ポンペイ遺跡で埋まった人を見ると、鎮魂の思いにかられます。
鎮魂ポンペイは→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/261.html
5.旅の情報 聖なる年
聖年の年には、普段は閉じられているバチカン4大バジリカ(サンピエトロ大聖堂、サンパオロ大聖堂、サンジョヴァンニ大聖堂、サンタマリア・マッジョーレ大聖堂)の聖年の扉が開かれ、ここをくぐるのが巡礼者のお決まりとなっています。くぐった巡礼者にはラテン語の証明書が発行されます。
数十年に一度のカトリックの行事「聖年」には、世界中から多数の巡礼者がローマを訪れ、信者ではない観光客にとっても、通常は閉まっている聖年の扉が 開いたり、記念品やコインが発売されたりしており、カソリックの信者や巡礼者に混じって、その神聖な雰囲気を感じることができます。その一方で、教会が大混雑し、宿もとりにくくなって、観光に支障が出ることも多いようなので、注意が必要です。またあまり芳しいことではないのですが、この聖年を狙ってスリや盗難が続発しているようです。
6.あとがき ナポリの朝食
次回は久々にローマに戻り、ルネサンスの華、ミケランジェロのローマを報告します。
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ナポリの朝食は→こちらから
7.メールマガジン「クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)」の発行
<クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)>
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