
真実の口(Bocca della Verita)

サンタマリアコスメディン教会の入り口にある真実の口には、嘘をつくと手が抜けなくなるとの言い伝えがあります。
<サンタマリアコスメディン教会>
この教会は6世紀頃食料市場であった場所に建てられた教会でした。8世紀に教皇ハドリアヌス1世によって増築された時、この聖堂は東方における聖像破壊運動の迫害から逃れたギリシャ人修道士たちに授けられたことが起源になっている教会です。
当初はビザンチン様式で建てられた教会でしたが、18世紀に聖堂のファサードはバロック様式で改装されています。
聖堂の祭壇には、キリスト教聖人のウォレンティヌス(ヴァレンタイン)の頭蓋骨が祀られています。
言い伝えによると、ローマ皇帝が戦士の士気の低下をおそれて兵士たちの結婚を禁止した際、聖ヴァレンタインはこの禁令に背いて恋人たちの結婚式を執り行ったために捕らえられ処刑されたといいます。この聖ヴァレンタインへの崇敬が基になってバレンタインデーの習慣が定着したということです。
<真実の口>
ローマのサンタマリア・イン・コスメディン教会の外壁、聖堂の正面柱廊の奥に飾られており、海神トリトーネの顔が刻まれています。元々は下水溝のふたであったようです。手を口に入れると、偽りの心がある者は、手を抜く時にその手首を切り落とされる、手を噛み切られる、或いは手が抜けなくなるという伝説があります。
映画「ローマ休日」この伝説をモチーフにして、グレゴリー・ペック扮する新聞記者のジョーがアン王女を驚かそうとして、伝説に基づき悪ふざけで「真実の口」に手を入れて、抜けないという演技をした有名なシーンが撮られています。
ちなみに、この演技はグレゴリーペックのアドリブだったとのことで、新人女優であったオードリーヘップバーンは、本当に驚いて叫び声をあげたとのことでした。
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