ミラノはローマにつぐ第2の都市で、世界3大ファッションウィークの一つであるミラノ・コレクションなどで知られるように古くから服飾・繊維産業などファッション関連の産業が盛んな土ですが、近年は航空産業や自動車産業、精密機器工業なども発達しておりイタリアにおける商業、工業、金融の中心地です。
14世紀から建設が始まり、完成まで約400年かかったミラノのシンボルである
ドゥオーモDuomoは、500万人のカトリック信者がいる世界最大の司教区であるミラノ大司教区の聖堂で、イタリアゴシック芸術の最も偉大な作品と言われています。
ドゥオーモのあるドゥオーモ広場に隣接して19世紀に建設された巨大なガラス張りのショッピング・アーケード、
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリアがあります。
ガッレリアにはイタリアを代表する各種店舗や書店、高級ファッション店の他、レストラン、カフェ、バーが入居しており、イタリアの文化を醸し出しています。ドゥオーモ広場からガッレリアをぬけると、世界3大歌劇場の一つである
スカラ座があり、イタリアだけでなく世界各国からオペラの聖地として観客が集まっています。またドゥオーモ広場周辺の
モンテ・ナポレオーネ通り、スピーガ通りは、プラダ、グッチ、フェンディ、アルマーニ、フェラガモ等の高級ファッションブランドの店が軒を連ねて並んでいます。
さらに市内から40分ほど離れた世界最大級の
国際見本市会場フィエラでは、ファッションを初めとした各種展示会が開催され、世界におけるトレンドの発信地としての地位を確立しています。おしゃれなイタリアの中でも、最も洗練された都市ということができます。なお、フィエラでの展示会開催期間中は、ミラノでは、ホテルが満杯になりフィエラ料金と言うホテルの高い料金が設定されることから、旅行者にとっては注意が必要です。
歴史的にミラノは中世後期とルネサンス時代にヴィスコンティ家とスフォルツァ家という2大貴族によって統治されていました。今も残るスフォルツァ家の城である
スフォルツェスコ城はミラノでも有名な観光スポットで、現在は美術館として公開されておりミケランジェロの最後の作品「ロンダニーニのピエタ」などの美術品を見ることができます。
またミラノはレオナルド・ダ・ビンチが二十数年滞在しており、現在でも彼が
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の修道院の食堂に描いた「最後の晩餐」はルネサンス文化の最大傑作として世界的に評判で、本や映画の題材にもなっています。
「最後の晩餐」の見学は1回15分の完全予約方式を取っていますが、混雑のため大変予約が取りにくく、予約希望の3ヶ月前ぐらいに予約する必要があります。
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の近くにある
レオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館は1953年にレオナルド・ダ・ヴィンチ生誕500年事業を記念して創立されたイタリアで最大の科学技術博物館です。ここのレオナルド・ギャラリーは、ダ・ヴィンチの多種多様なスケッチや発明品、模型などが展示されています。
ミラノ中心エリアには評判の高い絵画館や美術館が集まっています。
アンブロジアーナ絵画館Pinacoteca Ambrosianaにはカラヴァッジョの「果物かご」やラファエッロの「アテネ学堂」をはじめ、ティツイアーノ、ブリューゲル、デューラー などの数多くの作品が展示されています。ミラノの中でもエレガントな地区であるブレラ地区には
ブレラ美術館(Pinacoteca di Brera)があり、15〜18世紀のヴェネツィア派やロンバルディア派のイタリア絵画が充実しています。