フィレンツェ観光ガイド
<フィレンツェとルネサンス美術>
フィレンツェはローマ人が紀元前に花の女神を意味するフロレンティアと命名したのが街の起源です。10世紀に成立した神聖ローマ帝国とともに織物産業により発展し、11世紀にはトスカーナ地方有数の都市となりました。13世紀には、織物業者を主体とするローマ教皇派の市民層が街の実権を握り、商業活動が活発化しました。
その頂点にあったのがメディチ家で、1469年に政権の座についたロレンツォ・ディ・メディチは、学芸の熱心な保護者となり、ボッティチェッリ、マザッチォ、ドナテッロら当時の第一級の芸術家が集められ、文芸復興運動ルネサンス文化が開花しました。この環境の中で、ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチが育ちました。
当時生まれたルネサンスの傑作は ウフィツィ美術館、アカデミア美術館、 メディチ家礼拝堂、フィレンツェにある教会や聖堂の各所で見ることができます。当時の面影そのままの教会や館が建ち並んだフィレンツェ旧市街はユネスコの 世界歴史遺産に登録されています。
<フィレンツェの街歩き>
フィレンツェは旧市街の中央部を東西に流れる アルノ川により、南北に分かれています。主なみどころは、アルノ川の北側に集まっており、中央駅であるサンタマリアノヴェッラ駅から徒歩で回ることができます。かつてのフィレンツェ共和国の中心だった サンタマリア・デル・フィオーレ教会の大聖堂ドゥオモは街歩きの目印となります。中央駅からドゥオモに向かって歩くと、 メディチ家礼拝堂やメディチ家の菩提寺 サンロレンツォ教会があります。ドゥオモ広場からカヴール通りを北上すると、数々の逸話の残るミケランジェロの「ダヴィデ像」があるアカデミア美術館に到達できます。
ドゥオモ広場から西方向にあるドルナボオーニ通り周辺には高級ブランドや老舗の並ぶブテッィク街です。
ドゥオモ広場から南にアルノ川方面に進むと、古くからの政治の中心地シニョーリア広場の ヴェッキオ宮があり、この広場の脇にある細長い広場がウフィッツィ広場でここにルネサンス絵画が集められた ヴェッキオ橋があり、この先にはメディチ家と対抗していたピッティ家が建設した ピッティ宮があります。
このピッティ宮の丘側には、イタリア式庭園 ボーボリ庭園があります。
フィレンツェの市街を眺めるには、小高い丘の並ぶアルノ川南岸の旧市街が一望のもと見える ミケランジェロ広場がお勧めです。
ここはもともとダヴィデ像が置かれていた場所で、現在はレプリカがおいてあります。
<高級ブランドや革製品の本場フィレンツェ>
ルネサンス期から織物産業の栄えたフィレンツェは、職人の街として発達しており、ハイクォリティな革製品や繊細な金細工やジュエリーショップの老舗が並ぶことで有名です。また優秀な職人の集まったフィレンツェを中心としたトスカーナ地方は、ファッション産業の生産地としても知られ、イタリアの有名ブランドだけでなく、フランスのエルメスやシャネル、サンローラン等の高級ブランド製品も生産されています。
<グルメの街・フィレンツェ>
フランス料理の原型とされているトスカーナ料理、その中心にあるのがフィレンツェです。世界中からグルメの集うイタリアNo.1の称号を持つ三ツ星リストランテ、 エノテカ・ピンキオーリを初めとした、グルメをうならせる レストランが店を構えています。
イタリアでは、伝統の食事、素朴でしっかりとした食材、有機農業、健康によいものが注目されており、スローフード運動が各地で展開されています。
フィレンツェでも スローフードレストランが人気となっています。
また気軽な西洋風”居酒屋”である エノテカや大衆食堂のオステリアも、フィレンツェ庶民に愛されています。
食材の豊かなフィレンツェで、トスカーナ地方の胃袋と呼ばれるのが、サンタマリアノベッラ駅近くの フィレンツェ中央市場です。イタリアでもグルメで知られるトスカーナ地方の食材を扱うだけあって、豊富な季節の食材で溢れています。食通の街、フィレンツェが実感できる場所です。
また毎週火曜日の午前中にアルノ川北岸のカッシーネ公園横の歩道に沿ってフィレンツェ最大のメルカート(市場) カッシーネ市場が開催され、庶民でにぎわっています。
さらにフィレンツェ郊外にある大型コープ、 ウニコープ・フィレンツェはイタリア食材の宝庫で、市内にあるスーパーとは比べものにならないほど様々なイタリア食材が揃います。お土産を探すのにも最適ですので、一度尋ねては如何でしょうか。
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