ジェラート・フェスティバル

 2015年度のジェラート・フェスティバルで優勝したフィレンツェのジェラート屋Badiani(バディアーニ)のブォンタレンティのジェラート 

 ジェラートの発明家ベルナルド・ブォンタレンティに捧げたジェラート・フェスティバルは2010年にブォンタレンティの生誕地フィレンツェで始まりました。年々広がりを見せ、2016年度は4月下旬から9月上旬までフィレンツェ以外にもパルマ、ローマ、ナポ リ、トリノ、ミラノといったイタリア国内の都市、海外ではロンドン、ベルリン、バレンシアと国境を越えて開催されます。
 
 2016年度のジェラート・フェスティバル開催都市と期間は次の通りです。
 
フィレンツェ(4月21日〜4月25日)
パルマ(4月28日〜5月1日)
ローマ(5月5日〜5月15日)
ナポリ(5月19日〜5月22日)
トリノ(5月26日〜5月29日)
ミラノ(6月2日〜6月12日)
ロンドン(6月24日〜7月3日)
ベルリン(7月7日〜7月10日)
バレンシア(7月14日〜7月24日)
(ファイナル) フィレンツェ (9月1日〜4日)

 ジェラート・フェスティバルのオフィシャル・ホームページはこちらです。イタリア語以外に英語表記もありますので、興味のある方や詳細を知りたい方はオフィシャル・ホームページを覗いてみてください。
http://www.gelatofestival.it/en
 フィレンツェでの開催場所はミケランジェロ広場です。高台からは旧市街の赤屋根の街並み、フィレンツェのシンボルでもある花の大聖堂や数々の教会、アルノ川にかかるいくつもの橋、はるか遠くには青くかすむ山々が一望できる眺めの良いスポットです。フィレンツェを訪れる機会があれば、一度はこの眺めを堪能していただきたいと思う観光名所でもあります。

 ミケランジェロ広場へはサンタ・マリア・ノベッラ駅から出ているATAFのバスで行くことができます。行きは12番のバスに乗ると、ポルタ・ロマーナを通り、上り坂の並木道を蛇行しながら走っていきます。帰りは13番のバスに乗ればサンタ・マリア・ノヴェッラ駅まで近いのですが、体力がある方は散策をかねてミケランジェロ広場から坂道を下って旧市街に向かって歩くのもお勧めです。
 ジェラート・フェスティバルの開催場所に着いたら、まずはジェラート・カード(Gelato Card)を購入します。オフィシャル・ホームページから前もってジェラート・カードを予約して購入することもできますが、会場には自動販売機が置かれていて、スタッフが買い方や使い方を教えてくれるので当日買っても大丈夫です。

 ジェラート・カードはジェラートの試食のみにあらず。会場内に設置された移動教室で、ジェラートにまつわる様々な講義を聴講することができるのです。ジェラート・フェスティバルのホームページには、移動教室で開催される各都市の様々なイベントのプログラムが掲載されています。ミシュランのシェフによるジェラートを使った料理の実演やジェラートをブリオッシュに挟んだピザ屋の新メニューのクッキング・ショー、スポンサー企業のジェラートの講義など、1時間ごとにテーマと講師が変わり、ジェラートについてより深く学ぶことができます。イベントの活用度によっては一枚の紙きれが何倍にも有益な情報源となるのがジェラート・フェスティバルの醍醐味とも言えましょう。(移動教室でチョコレートの講義をするスポンサー企業のPernigotti1860(ペルニゴッティ1860)と聴講する参加者)

 会場には大きな窓ガラスをはめ込んだトレーラーが置かれていて、厨房の中でジェラート・フェスティバルで出すジェラートが作られていました。厨房の中を見せていただきました。トレーラーの壁に沿って5台のジェラート・マシーンが並んでいます。大型冷凍庫や低温殺菌の為の器具パストリッザトーレも置かれていました。見学時は、ちょうど青いプラスチック製の容器に入ったチョコレートのジェラート用の溶液をジェラート・マシーンに流し入れているところでした。
 イタリア国内をこの移動式のジェラート工房のトレーラーで巡り、ロンドン他、海外の開催地にもジェラート・マシーン類を搬入して本場イタリアのジェラートを再現するというのですから、スポンサーが後ろ盾にあるにせよ、大がかりなイベントです。

 それでは実際にジェラート・カードを使ってジェラートを試食していきます。ジェラート・カードをカウンター越しに渡すと、小型サイズのコーンまたはカップに盛り付けて手渡してくれます。ジェラート・カードには番号が印刷されているので、例えば1番窓口でAraminta(アラミンタ)と名付けられたオレンジのマーマレードを練り込んだような味のクリーム系のジェラートを頼むと、番号の1に印が付けられて戻ってきます。ジェラートのショーケースの下にも上のパネルにも番号が表示されていて、パネルにはコンテストに出品したジェラートの名称と主にどのような材料を使って作られているか、ジェラート屋の名前と住所も表示されています。

  

 左からパネル1番のAraminta(アラミンタ)と名付けられたクリーム系のジェラート。パネル4番のLorenzo(ロレンツォ)と名付けられたチョコレートのジェラート。スポンサー企業Cookies The Original(クッキー・ザ・オリジナル)の自社製品のクッキーを練り込んだジェラート。

  

 左からスポンサー企業Nutella(ヌテッラ)のブースには大きなヌテッラの瓶が置いてありイタリアでみんなが知っている朝食のお供ヌテッラを練り込んだジェラートもありました。スポンサー企業mashcream(マッシュクリーム)の桑の実を用いた紫色のジェラート。板状にしたジェラートがくるくると巻いてあって印象的でした。パネル8番のRinascimento(リナシメント)と名付けられたジェラートは、コーヒーベースのジェラートにチョコレートと粒々の白ゴマが混ぜてあって面白い食感でした。

 スポンサーのチョコレート製造業者Pernigotti1860(ペルニゴッティ1860)のスタンドでは、ペルー産、エクアドル産、キューバ産など様々な産地のチョコレートを練り込んだジェラートから1種類を選んで試食ができます。
 
 フィレンツェで購入したジェラート・カードはフィレンツェでの開催期間中は有効なので、何日かに分けて食べに行っても構いませんが、結局、1時間半ほどかけて14種類すべてのジェラートの試食が終わりました。
 カロリー消費の為にバスには乗らずに歩いて帰る事にしました。ミケランジェロ広場からの帰り道は、入場無料の薔薇園(Giardino delle Rose)の中を通って、今の季節に満開となる白や黄色やピンクといった色とりどりの薔薇の花を愛でながら石畳の道を下りました。