ローマから吹く風




サルデーニャからの贈り物

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 サルデーニャ島のイオニア海側の小さな町ヴィッラグランデ・ストリザーイリの知り合いから贈り物が届きました。標高750m、南イタリアですが冬は結構寒くなります。伝統的に産業は羊と豚。とにかくよく肉とチーズを食べる地域ですが、男性の長寿村として有名です。この贈り物をくれた人の伯父さんは羊の放牧を生業としていて、子羊だと一人で丸ごと食べちゃうそうで、「そんなの当たり前だ」とのことです。



ロンザ(LONZA)
 
 さて、贈り物はこちら。
 
 中部イタリアから南では豚の首から肩にかけての部位を使ったサラミのことです。同じ名前でも北イタリアではロースを指します。
 
 骨を取り去って塩を揉み込んで丸め、最低60日置いておきます。おいしそうでしょ?おいしかったです。
 
 写真はスライスしたところ。このロンザは60日きっかり。生ハムのように生に近いサラミです。山の中の寒い地方だからできるサラミです。



ピストック(PISTOCCU)
 
 サルデーニャ語は男性名詞の語尾がUで終わるのが特徴で、このパンも。 サルデーニャ全土でアラブのピタパンに似た、薄いパン、「パーネカラサウ(これもUで終わってる)」を食べます。サルデーニャっ子は普通のパンではなくこちらのパンを好みます。
 
 パーネカラサウではなく別の名前で呼ぶにはわけがあって、パーネカラサウと若干作り方が違うのです。名前のピストック、ピスはイタリア語のBIS再び、トックはイタリア語のCOTTO焼いた、つまり再び焼いた、という意味の名前がついています。 一度焼きあがったら、熱いうちに円盤を上下に分ける感じに二枚にし、冷ましてからもう一度焼きます。
 これで、かなり日持ちするパンの出来上がりです。セモリナとジャガイモを茹でて潰したものを半々でこねます。健康にもいい感じ。ヴィッラグランデ・ストリザーイリの人たちは、これに水をじゃぶじゃぶかけて10分位放置し、柔らかくなったところで羊のチーズとサラミをふんだんに巻き込んで食べるのを楽しみにしてます。




お菓子
 
 名前を聞くのを忘れました。
 
 干しぶどうとクルミがたっぷり詰まった若干固めのお菓子です。ドーナツ状に焼いた上に白砂糖を溶かしたものをかけて冷まします。
 
 とっても可憐に仕上がってますね。

<お菓子を切ったところ>
 
 デザート用赤ワインとよく合います。ごちそうさまでした。
 
 イタリアで人気のシェフが地方を回って土地の料理を紹介する番組のヴィッラグランデ・ストリザーイリ版のYoutube。UNTI E BIUNTI。
 
 ピストックを作るところ、豚の前足の生ハム、ウジ虫チーズ、ミルクを飲んでる子羊の胃をそのまま置いてチーズにしたもの(以上二つはEUで禁止された)、羊の臓物を腸で巻き込んで炭火焼きにしたもの、サルデーニャのニョッキなどなど、この地方の特産品ばかり。よだれが止まらない。