イタリアのトマトの種類
自然に恵まれたイタリアでは、4月の終わり頃からTond a grappolo(房状の丸いトマト)が市場に出回り始めます。そして夏の終わりに出回り始めて10月位まで収穫されるサンマルツァーノでトマトの季節が終わります。
半年近くにわたって、それぞれのおいしいトマトをイタリア人は楽しんでいます。その主なものをまとめてみました。もちろん名前は俗称で、厳密にはそれぞれ亜種が沢山あります。もちろん、そのトマト煮合わせた料理もあると言うことです。
Tond a grappolo(房状の丸いトマト)
トマトソース用で、直径10cmほどのサイズのトマト。市場では茎につながって売っているトマト。形が均等で、丸くて赤い。春の終わり頃から出回る。
山根家では、これを使ってイタリア料理のごはん入りトマトを作るのが、春の終わりの定番料理です。総菜屋さんや、トラットリアのごはん入りトマトはもっとお大きいトマトを使います。
トマトソース用ではあるが、生でサラダにも使用します
CILIEGINO(さくらんぼ)
大きめのサクランボくらいのトマト。日本ではプチトマト。
シチリアのパキーノで作られるプチトマトはそのまま「パキーノ」と呼ばれ、香りと味が深い。砂分の多い土と海水による散水で味が違ってくるそう。
サラダと料理の双方に使う。
肉類やパスタのトマトソースだとトマトの味で魚介類のデリケートな味が隠れてしまうので、特に魚介類の味付けにこれを数個割って一緒に煮込みます。
DATTERINI(ダッテリ/ナツメヤシの実)
プチトマトと同じ使い方。プチトマトよりやや安価。
カボチャ・トマト(正式名称は不明)
かぼちゃのように実に切れ目が入って言うのが特徴。
比較的皮が厚い。
味が濃いのでトマトソースにも美味しい。
Cuore di Bue(雄牛の心臓)
雄牛の心臓に形が似ている。
皮が薄く、酸味、甘み共に薄い。
サラダに適しているがトマトソースにも併用できる。
サン・マルツァーノ
サン・マルツァーノは、他のトマトに遅れて、夏の比較的終わりに近い頃から熟し始める。今はハウス栽培が多いので早くから市場に出回るが、夏の終わりのものに比べると味は落ちる。
まだ青みが残るものはサラダにも使う。
熟したものは、湯がくか、潰してガラス容器に入れ、煮沸消毒した後暗所にいれて保存食にする。トマトソース用。
市販のトマト水煮の缶詰より味が良い。ただし、作るのが大変。