イタリアの美術館・絵画

美術館

 1000年にも及ぶ教会芸術を打ち破り、西欧芸術の基礎となったイタリアのルネサンス運動。ルネサンス以降の芸術作品が、数百年の時を越えて、今もなお輝いています。 このルネサンスのベースとなったのが、古代ギリシャ・ローマ文明の出土品。これらの出土品も、イタリア各地の博物館に豊富に収められています。

ローマ フィレンツェ ミラノ ナポリ その他

ローマの美術館

トルソ

<バチカン美術館>
 バチカン美術館はミケランジェロ、ラファエロ、ベルニーニ… ルネッサンスの巨匠達が腕をふるった、展示されている美術品だけでなく、建物も芸術作品です。
 どんなに早足で回っても、出る迄に1時間半はかかります。完全に収蔵美術品を見ようとしたら、1週間はかかります。ですから、見学のポイントを絞ってみることをお勧めします。
 開場時間:9.00〜18.00(最終入場16.00)
 
 休み:日曜、祭日、復活祭と次の月曜、1月1日、1月6日、2月11日、3月19日、5月1日
 5月21日、6月11日、6月29日、8月15日、11月1日、12月8日、12月25日、12月26日
 
 バチカン美術館の詳細は→こちらから
 バチカン美術館の見学予約代行は→こちらから

トルソ

<ボルゲーゼ美術館(Galleria Borghese)>
 ボルゲーゼ卿のローマ近郊のヴィラで、ボルゲーゼ家の美術コレクションを収めるバロック様式の家として建てました。現在は、そのままボルゲーゼ美術館(Galleria Borghese)として引継がれています。
 ボルゲーゼ卿がパトロンであったバロック期の巨匠ベルニーニの最高傑作の彫刻「アポロンとダフネ」「プロセルピーナの略奪」、カラヴァッジオの「病める バッカス」、ラファエロ「一角獣を抱く婦人」、ティツィアーノ「聖愛と俗愛」などバロックを中心に、ルネサンスの美術品等も並んでいます。
 ボルゲーゼ美術館の見学予約代行は→こちらから

<マッシモ宮(Palazzo Massimo)・ローマ国立博物館>
 マッシモ宮の中にある、ローマ国立博物館では、古代ローマの逸品が数限りなく並べられています。古代ローマの共和制の後期の作品やローマ帝国後期の作品を堪能することができます。
 主な収蔵品は、19世紀後半にローマおよび周辺から発掘された古代の彫刻、壁画、モザイク、考古遺物などです。さらに20世紀初頭に枢機卿ルドヴィシが寄贈したギリシア時代等のコレクションが加わっています。ローマ必見のパラッツォです。
 
 マッシモ宮・ローマ国立博物館の詳細は→こちらから

<国立近代美術館>
 デッレ・ベッレ・アッリ通りには国立近代美術館の記念碑となるファサードがあります。ここはイタリアモダンアートの殿堂で、デ・キリコ、ジャコメッティのイタリア人の作品から、モネ、ゴッホ、セザンヌ、ユトリロの作品まで見ることができます。

<ヴィッラジュリア博物館>
 ここは1899年にエトルリアの美術品を集めたエトルリア美術館 が置かれています。エトルリアは、紀元前3世紀頃にローマに征服される迄、トスカーナからローマ近郊迄を版図にしていた先住民族です。エトルリア人は、地中海の地方の中で、美意識が高く、お洒落な民族として知られています。特に宝飾が好きなことで有名でした。このようなことから、エトルリア文化は、建築や衣服、装飾面で、ローマ文明に大きな影響を与えています。
 古代ローマ人のエトルリア好みは有名で、当時、エトルリア風と言えば、お洒落なものとされていました。この博物館では、ローマ文明の原点を見ることが出来ます

フィレンツェの美術館

<ウッフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)>
 メディチ家歴代の美術コレクションを収蔵する美術館であるウフィツィ美術館 (Galleria degli Uffizi) は、イタリアのフィレンツェにあるイタリアルネサンス絵画で有名な美術館です。イタリア国内の美術館としては収蔵品の質、量ともに最大のものです。展示物は約2,500点にのぼり、ボッティチェッリ、レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロらイタリアルネサンスの巨匠の絵画を中心に展示されてます。
 
主な収蔵作品:
 ボッティチェッリ:「ヴィーナス誕生」「春」、ミケランジェロ:「聖家族」
 レオナルド・ダ・ヴィンチ:「受胎告知」「三王礼拝」「キリストの洗礼」
 ラファエロ:「ヒワの聖母」、ティツィアーノ:「ウルビーノのヴィーナス」

<アカデミア美術館(Galleria dell' Accademia)>
 
 ディチ家の当主コジモ1世が芸術家を目指す若者のための教育機関として建てた美術アカデミーとして発足した。19世紀より,改装されて美術館として使われています。ルネッサンス期の記念碑的作品として数々の逸話の残るミケランジェロの「ダヴィデ像」の実物があります。
 
 もともとシニョーリア広場にあったものを移設して展示しており、このレプリカがミケランジェロ広場に飾られており,往時を偲ぶことができます。また、美術館にはミケランジェロの4体の奴隷像が展示されています。

 ウフィッツィ、アカデミア美術館等の見学予約代行のご案内:ウッフィツィ、アカデミア美術館の見学は予約制となっています

<パラティーナ美術館(Galleria Palatina)>
 メディチ家のライバルだったピッティ家が、著名な建築家ブルネルスキの原案をもとに建てたピッティ宮殿の2階にあり、16〜17世紀の絵画を中心に展示されています。作品は部屋の装飾用に展示されています。
 
主な収蔵作品:
 ボッティチェッリ:「若い男の肖像」、ミケランジェロ:「聖家族」
 ラファエロ:「小椅子の聖母」「ユリウス2世の肖像」、ティツィアーノ:「マグダラのマリア」

ミラノの美術館

<最後の晩餐」のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会>
 「最後の晩餐」はレオナルド・ダ・ヴィンチが、スフォルツァ公の要望で描いた絵画で、イエス・キリストの最後の晩餐の情景を描いたもの。12弟子の中の一人が私を裏切る、とキリストが予言したと言われています。
 
 サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の修道院の食堂の壁画として描かれたもので、420 x 910 cm の巨大なもので、1498年に完成している。ダ・ヴィンチの絵画の中で、数少ない完成した作品の一つです。
 
 「レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」があるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院」は世界遺産に登録されています。

<ブレラ美術館 (Pinacoteca di Brera)>
 ミラノはブレラ美術館設立当時、オーストリア帝国の支配下にあったことから、有名な女帝マリア・テレジアが美術学校付属の美術館として設立しました。その後、19世紀のナポレオン支配下の時代に集められた美術品をもとに、美術館として開館しました。イタリア絵画の名作が数多く集まっており、特に15〜18世紀のヴェネツィア派、ロンバルディア派が集められています。
 
主な収蔵作品:
 フランチェスカ:「ブレラの祭壇画」、ラファエロ:「聖母の婚礼」
 ベリーニ:「ピエタ」、ティツィアーノ:「荒野の聖ヒエロニムス」

<アンブロジアーナ絵画館(Pinacoteca Ambrosiana)>
 フェデリコ・ボッロメオ枢機卿が1600年代からすでにアンブロジアーナライブラリーを創設した場所であり、同枢機卿の絵画収集品をもとに絵画館がつくられました。ここには15世紀〜16世紀のロンバルディア派絵画やルネサンス期のヴェネチア派の絵画などの美術品が納められています。
 主な収蔵作品としては、レオナルド・ダ・ヴィンチ作と言われる「楽士の肖像」、ボッティチェッリの「天蓋の聖母」、ティツイアーノの「3賢王の礼拝」、カラヴァッジョの「果物かご」やラファエロの「アテネ学堂」をはじめとしてブリューゲル、デューラー などの数多くの作品が展示されています。

<スフォルツェスコ城(Castello Sforzesco)>
 スフォルツェスコ城は、ヴィスコンティ家により建造され、1450年にミラノ領主スフォルツァ家の住居・要塞として再建されました。その後、フランス、スペイン、オー ストリアの支配、と数々の変遷を経て、1800年代に修復されました。現在は美術館としても公開されています。
 四隅の櫓が一辺200mの城壁で囲まれた城の内部には、マンテーニャなどの絵画や彫刻のコ レクション、初期キリスト教時代の発掘物などが展示された市立美術館があります。中でもミケランジェロが死ぬ直前まで彫り続けていた未完の大作「ロンダニーニのピエタ」は有名です。

ナポリの美術館

<国立カポディモンテ美術館 (Museo Nazionale di Capodimonte)>
 ナポリ・ブルボン家のカルロ7世が、母ファルネーゼから受け継いだ美術品コレクションを展示するために建設した宮殿が、カポディモンテ美術館です。
 宮殿1階には陶磁器美術館があります。2階は王宮住居があり、3階にはこの宮殿の一番の見どころである絵画館があります。中には無数のファルネーゼ・コレクション絵画が年代順に並んでいます。
 
主な収蔵作品:
 ボティチェッリ:「聖母子と天使」、カラバッジョ:「キリストの鞭打ち」
 ベリーニ:「キリストの変容」、ティツィアーノ:「ダナエ」

<国立考古学博物館 (Museo Archeologico Nazionale)>
 展示品はナポリ・ブルボン家のカルロ7世の母ファルネーゼにちなんで、ファルネーゼ・コレクションと呼ばれるもので、世界で屈指のギリシャ・ローマ時代の作品です。「大理石彫刻」「壁画」「モザイク」のほかポンペイやエルコラーノ遺跡からの発掘品やエジプトの美術品もあります。
 主な収蔵作品としては、アレクサンダー大王を描いたモザイク画「イッソスの戦い」、大理石彫刻 「ファルネーゼのヘラクレス」、ヴェスーヴィオ火山が噴火した当時の絵画「ヴェスーヴィオ絵画」「カプアのヴィーナス」、多産と養育の女神「アルテミス」など数多くの作品が展示されています。

その他の地域の美術館

<ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ(シチリア)>
 ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレは、シチリア島の中心エンナ県に属するピアッツァ・アルメリーナという街にある、1997年に世界遺産に登録された大邸宅です。中には、ローマ時代に創作された多くのモザイク画が残されています。
 
 建物内の面積は3500平方メートルと壮大で、屋敷内には40以上の部屋と回廊に素晴らしいモザイク装飾が施されています。世俗的なテーマを扱った絵が多く、ビキニの様な格好で運動している女性の姿なども描かれています。当時の生活や風習を知るといった意味では非常に興味深いと言えるでしょう。
 
 ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレの詳細は→こちらから

<ピエロ・デッラ・フランチェスカのフレスコ画「聖十字架伝説」(アレッツォ)>
 中部イタリア・アレッツォの中心部にあるサン・フランチェスコ教会は、13世紀から14世紀にかけてフランチェスコ修道士たちによって建てられたゴシック様式の教会です。サン・フランチェスコ教会には、世界宗教美術史上最も有名な絵画の一つである、ピエロ・デッラ・フランチェスカ(1492年没)制作のフレスコ画「聖十字架伝説」が保存されています。
 
 アダムの死を起源とした聖木がキリスト処刑の際の十字架に使われたとの伝説があり、「聖十字架伝説」は、この伝説をもとに10の絵画でその伝説を表現した中世のフレスコ画です。中世のフレスコ画としては、これほど保存の良い状態のものは無いと言われています。
 
 「聖十字架伝説」の見学予約代行は→こちらから