Cucina Italiana
クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第214号
北イタリアのチョコレート
はじめに
イタリアではコロナによる感染者、死亡者の増加が治まり、今月からEU圏内であれば行き来が可能となりました。日本でもコロナ自粛がステップⅡに入り、まだ注意が必要なものの、生活が徐々に戻りつつあります。ただ、そうは言っても、日本とイタリアの間の行き来はままならず、従って、イタリアとの間の仕事は、まだ戻ってはいません。
ただ、先行きは見えないものの、状況は徐々に回復していることは間違いありません。”明けない夜はない”ということで、辛抱の時間です。今週はこれまでに引続き、イタリアの食材の紹介をいたします。
中南米原産のカカオがヨーロッパに持ち込まれたのは、コロンブスのアメリカ大陸発見後で、16世紀後半のことです。イタリアにはサヴォイア家のエマヌエーレ フィリベルトへの貢物として入ってきたので、今でもコロンブスが当時住んでいたトリノの町が、ヨーロッパのチョコレートの中心地と言われる由縁です。トリノの一番重要な広場にはコロンブスの騎馬像がたっています。
フォルツァ・イタリア!!
イタリアの台所ウェブ版
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トリノのチョコレート
カカオは、当初は貴族の間で飲み物として楽しまれていました。今のような固形物、チョコレートが生まれたのも、実はこのトリノの町です。19世紀初めのことになります。当時、最新技術を備え、チョコレートを製造していた会社にやってきたスイス人がその技術を自国に持ち帰り、チョコレートを生産し始めたため、チョコレートはスイス生まれという印象がありますが、、、、、、、
最近イタリアではチョコレートブームが巻き起こっています。大量生産のチョコレートではなく、小規模な作り手のこだわりのチョコレートが脚光を浴びています。有名シェフたちが、そのビターチョコレートを隠し味として作ったソースや、カカオ入りのパスタで、よりクリエイティブな料理を作り上げていますし、今まではラム酒以外にはマリアージュが不可能といわれたチョコレートと、イタリアの各地のワインを合わせるというセミナーまで催されています。春先にはトリノでチョコレート祭りも開催されています。
チョコレートを使った料理
イタリアでは品質の高いビターチョコレートを使った料理(デザートではなく)が脚光を浴びています。昨年はミラノの五つ星のホテル“Principe di Savoia”でカカオを使ったお料理の特集が3週間ほど開催されました。女性シェフの手による“生牡蠣とチョコレート風味の薄いパンケーキ”、“フィレ肉にチョコレート風味のソースを添えて”などが、大好評をでした。
また、チョコレートという120種のレシピを載せた本がイタリアのGribaudo社から販売される等イタリアのチョコレートはいわばブ-ムとなっております。
こだわりのチョコレートショップ
Peyrano(ペイラーノ) トリノ
17世紀創立。へーゼルナッツクリームを混ぜ合わせたジャンドゥイオッティの老舗。50種類ほどのチョコレートがあり、カカオのトーストは今でもオリーヴの木で行ないます。
Corso Moncalieri 47 10133 Torino
Amedei(アメデイ) ピサ県
2人の兄、妹が経営する。2001年のガンベロロッソ誌で世界で一番美味しいチョコレートと評価されています。100gの板チョコはカカオ含有量70、66、63%の3種類のビタータイプがあります。
丸型チョコのグラッパ(イタリア独自の蒸留酒)入りはイタリアならではの味。 エクアドル、ジャマイカ、ヴェネズエラのそれぞれの栽培地域別の板チョコも注目されています。
Via San Gervasio, 29 56025 La Rotta - Pontedera (Pisa)
Caffe Bicerin(ビチェリン) トリノ市
チョコレートの中心地といわれるトリノでこの店を知らない地元の人はいない。1763年創業。イタリア初代首相もお気に入りだったビチェリンという温かい飲み物はミルク、ビターチョコレート、砂糖、エスプレッソコーヒー、ホイップクリームで作ります。
ピエモンテ州の本当に小規模の手づくりチョコレートを、この店で購入することができるのでも有名です。
Piazza della Consolata, 5 10122 Torino, Italia
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