Cucina Italiana
クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第196号
ルッカの郷土料理専門店
はじめに
イタリアでもグローバル化が広がり、世界各地のスパイスを駆使した「シェフの創作料理」を売りにする店が増えています。このような中で、ルッカというトスカーナの狭いエリアの食材にこだわり「伝統的ルッカ料理」を売り物にするお店があります。
冒頭の写真はメニューの表紙です。この店の入り口の絵が表紙になっています。 TINTORIAーLAVANDERIAと書いてあります。洗濯屋のことです。開店当時は洗濯屋だったのです。この店舗が開店した時の看板を職種が変わってもそのまま使ってるのが面白いです。
イタリアの台所ウェブ版
→https://www.ivc-net.co.jp/cucina/index.html
ルッカ周辺の食材にこだわったメニュー
メニューの1ページ目。材料をどこから仕入れているかのリストです。野菜、チーズ、ワイン、パスタ、どれもルッカとその近郊の家庭規模の、つまり手作りの農家、酪農家ばかりだそうです。
第一の皿(炭水化物)
<ペンネッテのズッキーニとイノシシ>
ズッキーニはあまり主張が強くないのでどんな材料とも共存できます。今年は気候が良くて、夏野菜のズッキーニも結構遅くまでできて、農家からの採れたてズッキーニでした。 ルッカはトスカーナの一部、狩が盛んでシビエは郷土料理です。
<テスタローリ>
testaroliテスタローリはルッカの郷土料理のパスタの名前です。元は古代ローマと言う話もあるそうです。これに地元産のペコリーノチーズをかけてあります。
テスタローリを茹で、生のオリーブオイルとヒツジのチーズを粗く削ったものをかけるだけ、と言う簡単料理です。簡単料理は材料の味が命。美味しかったです。
第二の皿(タンパク質)
イタリア式の食べ方ではこの第二の皿に添えの野菜を取るのが普通です。この店では、第二の皿にタンパク質と添えの野菜を一緒につけるメニューを用意してます。もちろん、この他に野菜を取りたければメニューにあります。 日本人ゲスト二人と来たので、ここは三種類とってシェアしました。
<牛肉のルッカの丘の赤ワイン煮込み、ジャガイモのピュレ添え>
料理の名前だけで食べたくなりませんか? グツグツと煮た牛肉は柔らかく赤ワインが染みて美味しい。ジャガイモって美味しいのはほんとに美味しいですよね。それのピュレと牛はよく合います。
<地元ウサギのローストの薬味マリネ、ルッカの病豆>
「病豆」は直訳です。赤いから病なのでしょうか。
<鳩のロースト、サラダ床>
シビエが得意な場所柄なので、ゲストに味見をしてもらおうと珍しいであろう鳩を注文しました。珍しすぎてあまり食べる気になれなかった様で、主に私が食べました。ただ、鳩は鶏と違って脂肪分が少ないのでパサパサ気味で、実はあまり好きでは無いのです。写真に撮りませんでしたが、お供はもちろんルッカの赤ワインです。
IL MECENATE A LUCCA
Via del Fosso, 94 - 55100, Lucca (LU)
Tel.: 0583 511861
詳しくは→
https://www.ivc-net.co.jp/cult/wind/2019/353.html
次回予告
ピッツァ研修を受けたT.T.さんから、研修の際に配られた教本を見せてもらいました。化学式で料理のおいしさや職人技を説明したユニークな教本です。この教本の日本語版が発行されました。次回はこの教本の日本語版を紹介します。
ウェブ版イタリアの台所→
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