Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第153号

ナポリピッツァを説明し尽くす教本

はじめに


  冒頭の写真は、T.T.さんが持ち帰った「La Pizza Napoletana ナポリピッツァ-職人技の化学分析など」という大変大仰な教本です。この教本はナポリの名人ピッツァ職人(マスターピッツァイオーロ)のエンツォ・コッチャさんがナポリ大学の農学部と共同でまとめられた本です。
 
 この本は現地で非常なセンセーションを引き起こしています。なぜならこれまで職人のレベルに止まっていたナポリピッツァのおいしさを、分子や空気、水分の組合わせ等により具体的に示したものだからです。つまりナポリの職人技がどのように美味しさにつながっているか、明らかにしたものなのです。
 
 寡聞ながら日本でもこのような本を見たことがありません。T.T.さんすごい本を持ち帰ったのです。
 
 ナポリピッツァを説明尽くす教本→こちらから
 
イタリアの台所ウェブ版
https://www.ivc-net.co.jp/cucina/index.html

 

教本の内容



グルテン形成の模式図

 T.T.さんが持ち帰った本、すごい本なのですが、中身を見てみますと、その内容はピッツァコンサルティングのプロ養成コースで最初の5日間に、ナポリ大学の農学部の先生から叩き込まれる内容だったのです。ですから我々関係者にとってはある意味で普通のものでした。
 
 でもベテランシェフのT.T.さんに言わせると、このように化学式で料理のおいしさ、職人技を説明した本はないとのことです。最初の5日間で、大学の先生からこの話を聞いたT.T.さんは面食らってしまったとのことでした。しかしこの種の本の有用性、つまりに科学による職人技を証明することに気付いたT.T.さんは、日本の後輩に教えたくて、持ち帰ったとのことです。


デンプンのグルコース結合したアルファ1,4およびアルファ1,6

 

様々な画像



走査型電子顕微鏡で撮影した画像

 この本ではおよそ全体の約1/3がこのような科学的分析をした内容になっています。走査型電子顕微鏡で撮影した画像も多用されています。
 
 ある意味、職人さん達にとって非常に馴染みの無い世界です。しかしこのことを修得すると、飛躍的にナポリピッツァのレベルが向上します。いわば食の文明開化とも言えるでしょう。従来の職人技では考えられなかった世界が広がるという訳です。


小麦グリアジンの酸性pHを有するポリアクリルアミドゲル(A-PAGE)

 

ナポリピッツァ作りの各工程の解説


 残りの2/3が、エンツォ・コッチャさんが、ナポリピッツァの各工程を詳細に解説する部分となっています。もちろん残りの2/3さえできれば、ピッツァイオーロとして十分なのですが、しかし前半の1/3が重要であることに変わりはありません。
 
 T.T.さんのような昔気質の職人さん達は、座学のある最初2週間の授業には戸惑われます。でも実技に入ると元気を取り戻して生き生きとされます。とくにT.T.さんは日本ではピッツァを教えていましたので飲み込みは早かったです。
 
 それでも時には日本流が顔を出してしまい、先生のダヴィデさんから叱られていました。このような面でも、「ダ・マサニエッロ」の小松さんは理解力が抜きん出ていたことが判ります。

 

 「La Pizza Napoletana ナポリピッツァ―職人技の化学分析など」という教本はイタリアでは25ユーロで販売しております。洋書を扱う本屋さんやAMAZONなどから取寄せることも可能です。
 
 聞くところによると、この日本語版の出版も検討されているとのことです。日本語版が出版されたならば、また皆さんにお知らせ致します。
 
 ナポリピッツァを説明尽くす教本→こちらから

 

次回予告


 土曜日に遊びに来た舅とダンナが昼ごはん用の材料の買い出しに行った所、望むような新鮮な魚が得られず、「ならば、食べに行こう!」と勇断。次回は庶民価格のレストランです。
 
 日本人ピッツァイオーロ→こちらから
 
 ウェブ版イタリアの台所→
 http://www.ivc-net.co.jp/cucina/index.html

 

発行


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