Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第144号

クリスマスのお菓子

はじめに


 日本ではお祝いの伝統的なお菓子というと、考え込んでやっと3月の雛あられ、5月のチマキや柏餅が思い浮かびます。やはりあまりお祝い=お菓子という文化はないのかもしれません。ところがイタリアには各地に様々なお祝いのお菓子があります。寒い冬はお菓子の季節。そこでクリスマスのお菓子を紹介します。
 
 冬のお祝いの伝統的なお菓子→こちらから
 
 イタリアの台所ウェブ版
https://www.ivc-net.co.jp/cucina/index.html

 

パネットーネ


 パネットーネはミラノ産のお菓子で、いつからか、ベローナ産のパンドーロと並んでイタリア中でクリスマスに食べるお菓子の定番になっています。 「オーネ」という拡大詞がついて「大きなパン」というのが名前の意味で、その名の通り大きい。初めてお目にかかるとその大きさにたじろいて勧められてもつい遠慮したくなる。食後に食べるものだし。
 ところが大きいのは見かけなのだ。全体重1キロのパネットーネを作るのに使う小麦粉はたったの130g。全工程で三回ほど酵母菌の助けを借りて膨張させるので図体が大きくなるのです。だから、とても軽くて柔らかいのです。
 
 伝統的には、オレンジピールと干しぶどうが中に入っている。昨今では中にクリームとかチョコレートとかかわりパネットーネが盛んに出ている。贈答用に金属の缶に入ってリボンでトッピングされたものなど色々選べます。

 

ナタリーノ


 ナタリーノという名前のベローナのクリスマスのお菓子。 ベローナのクリスマスお菓子はパンドーロが有名だけど、これもご当地菓子です。 パンドーロほど甘くなく、オレンジとレモンが入っていておいしい。

パンドーロ


 イタリア語で「黄金のパン」という意味を持つベローナのクリスマスお菓子パンドーロ。卵が生地に与える黄金色(黄金=”oro”)に由来すると言われています。生地は軟らかく、黄金色です。形状は円錐形で星型にえぐれています。小麦粉、砂糖、卵、バター、カカオバター、酵母からできたお菓子です。

 

プーリアの伝統菓子


 プーリアのクリスマスのお菓子三種。亡き後妻の故郷でクリスマスに食べるお菓子です。一番奥の濃い色のお菓子はプーリアのヴィンサントをかけるのが特徴。 プーリアのヴィンサントは15リットルの赤ワインを1リットルまで煮詰めてどろどろにする。若干の酸味を残して甘くなる。中部イタリアにもヴィンサントはあるけれど、ここまで煮詰めない。口の中に残る香りがとてもよかったです。

 

次回予告


 イタリアでは世を挙げてクリスマス。カトリックの国だから、ちゃんと伝統に準じてお祝いします。「キリスト降誕」→「家族」と言う図式でクリスマスのテーマは「家族」。 ということで次回はイタリアのクリスマスを紹介します。
 
 冬のお祝いの伝統的なお菓子→こちらから
 
 ウェブ版イタリアの台所→
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