Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第111号

フィレンツェで手打ちパスタレッスン
その1 手打ちパスタの生地作りと形成

はじめに



(写真左:タリオリ-ニとトルテッリ-ニ、写真中:フェットゥッチ-ネ、写真右:オレキエッテ)

 手打ちパスタの美味しさはパスタの生地作りで決まります。コツさえつかめば美味しい打ちたての自家製パスタをご家庭でも召し上がっていただくことができます。2回に分けた手打ちパスタレッスンの1回目はパスタ作りの要となる生地作りと形成について紹介します。
 
 詳しくは→こちらから
 
イタリアの台所ウェブ版
http://www.ivc-net.co.jp/cucina/index.html

 

卵と小麦粉で作るパスタ生地の練り方


 レッスンで使う生パスタ用の生地のために、小麦粉200g+卵2個(フェットゥッチーネ)、小麦粉200g+卵2個(タリオリーニ)、これに時間を節約するためにレッスンの1時間前に練ってボ-ル状に丸めてラップで包んでおいたパスタ生地(小麦粉100g、卵1個)(トルテッリ-ニ)を準備します。あらかじめ打ったパスタ生地100gは、どのくらいの生地の硬さになるのが理想的かを触ってみてもらうためにあらかじめ作りおいたものです。いずれも2〜3人前の分量に相当します。
 
 キッチンタイマーを10分間に設定して、弾力のある滑らかな生地になるまでまな板の上で手で捏ねていきます。捏ねたパスタ生地は乾燥しないようにラップで包んでしばらく寝かせます。レッスンでは、パスタマシ-ンを通すのに適した固さの生地作りのコツや、生地が固かったり柔らかかった場合の微調整などについても伝授します。

 

パスタマシ-ンを使って生地を延ばしてカット


 フェットゥッチーネ、タリオリーニ用に練上げたパスタ生地を、パスタマシーン(マルカ-ト社のアトラス)で板状に薄く伸ばします。そしてパスタマシ-ン付属のカッターを装着して、3.5mm幅のフェットゥッチーネ、2mm幅のタリオリーニに切り分けます。
 
 手打ちパスタのレッスンでは、パスタマシーンの使い方や手入れの仕方、いつでもご家庭で手打ちパスタが楽しめるような便利な冷凍保存方法についてもご説明いたします。また、フィレンツェ市内でパスタマシ-ンの購入をお考えの方には、キッチン用品の老舗のお店をご紹介します。 マルカ-ト社のアトラスは→こちらから

 

フェットゥッチーネ


 小麦粉と卵で作るイタリア中北部の伝統的な平打ちのパスタ。主に北イタリアではタリアテッレ(tagliatelle)、ロ-マや南イタリアではフェットゥッチ-ネ(fettuccine)と呼ばれ、地域によって呼び名は異なるもののイタリアではほぼ同等のものとみなされています。
 
 幅は約4mm〜8ミリ前後まであって定義づけにおいては千差万別ですが、大手パスタメ-カーはフェットゥッチ-ネをタリアテッレより若干幅広のパスタとして商品展開しているところが多いようです。ひき肉を使うボロネ-ゼからクリ-ム系ソ-スまで、様々なパスタソ-スと相性の良い代表的な平打ちのパスタです。

 

タリオリーニ



タリオリ-ニ(手前)とフェットゥッチーネ(奥)

 ロング・パスタの一種で、小麦粉と卵で作る平打ちのパスタ。タリオリ-ニ(tagliolini)は、細めのタリアテッレ(tagliatelle)という意味で、幅は2〜3mm。上の写真は、レッスンで作るタリオリ-ニ(手前)とフェットゥッチーネ(奥)の太さを比較した写真です。同じ卵を練り込んだ平打ち麺でも、幅が数ミリ違うだけで名称が変わります。ピエモンテ州ではタリオリーニはタヤリン(Tajarin)として知られています。

 

トルテッリ-ニ


 トルテッリーニは、ボローニャやモデナを代表する具を詰めたパスタで、牛肉や鶏肉の出汁が効いたブイヨンのスープに浮かべて食べるのが伝統的な食べ方です。また生クリ-ムソースで和えたトルテッリーニは、ボローニャのレストランやバールでよく見かける定番メニューです。
 
 具には様々な組み合わせがあります。レッスンでは肉詰めのトルテッリーニをブイヨンまたは生クリ-ム和えのどちらか一つを選んでいただいて試食します。

手捏ねのオレキエッテ作り


 パスタマシーンを使わずに作る南イタリアのプーリア州の伝統的な手打ちパスタ。耳(イタリア語ではオレッキオ)の形をしている為に、イタリア語でオレキエッテと名付けられたパスタです。セモリナ粉と水と塩だけで生地を打ちます。乾燥したオレキエッテも生のオレキエッテもイタリア全土のスーパ-で流通していて、イタリア各地で食べられています。
 
 棒状にした生地を小さく切り1個づつ親指またはナイフで手前に引くようにして作っていきます。生地を表裏ひっくり返すと淵が厚く内側がざらざらとしたオレキエッテ独特の形状のパスタが出来上がります。レッスンでは、オレキエッテ作りのコツを丁寧にお教えします。

次回予告


 パスタは、その地方の食材に合わせて独特な形状が発達してきました。レッスンで作る手打ちパスタは、それぞれのパスタに適したパスタソースを作って仕上げます。次回はレッスンで作った生パスタをそれぞれに適したパスタソースで和えて、パスタを試食します。
 
 フィレンツェで1日パスタレッスンは→こちらから
 
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