Cucina Italiana
クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第73号
野生オレンジのジャムとピール作り
はじめに
庭にある数ある果物の木の中で、今年の冬はやけにこの野性オレンジが頑張っている。剪定もせず、水もろくすっぽあげないのにこれだけ育っている。
これは、絶対に甘くならず、食べられない。唯一、ジャムにするのみ。面倒なので放っておいたけど、「これでも無視するの?!」と言わんばかりにわんさと実をつけて存在を主張するので、お望み通りジャムにしてあげることにしました。そうして実を十数個取った後の写真。全然減ってない!!
協力者と刊行内容
→http://www.ivc-net.co.jp/cucina/index.html
ヤマネミドリさん→http://www.ivc-net.co.jp/trans/yamane/
野生オレンジのジャム作り
まず、横半分に切って、鍋の水の中に一晩漬ける。これで、皮の苦味を少し減らす。縦半分ではなく、横に切ったのは、タネを取りやすくするため。
食用のオレンジには種がなく、甘く、面倒を見ないと実の数が減っていくナヨナヨした奴。この野性は「なんとしても生き延びるぜ!!」という意思がこの種の多さからも見て取れる。
切っては入れるうちに、すでに台所中にオレンジの香り。
翌朝、細かく千切りにする。なるべく細かいほうが食べやすい。でも、たくさんあるので、だんだん疲れてきて、だんだん太くなる。
ちょっと頭の良いことを思いついた。圧力鍋を使うことにする。
ジャム作りは難しくはないものの、弱火で何時間もグツグツ煮て、ちょくちょくかき混ぜに行かないと焼け焦げてしまう、のがちょっとめんどい。特にオレンジは皮が硬くて水気が切れてしまう前にちゃんと煮えるかどうか気が気でなく、結局かかりきりになったりして、自宅営業+主婦としては手がかかる代物なのだ。この過程を圧力鍋にお任せしたら?と思いつきました。
で、切ったオレンジを圧力鍋に入れ、砂糖を700gほど入れ、蓋をしないでちょっと煮る。水気が上がってきた所で蓋を閉めて、お任せしました。
ほっほっほ!思惑大当たり。30分ほどで皮がしんなり。煮えた証拠である半透明になっています。
蓋を開けたまま、少し火にかけて余計な水分を飛ばしてジャム完了。このやり方で、夏には気軽にお手軽に杏やプラムのジャムを量産できるかも。(水分がかなり多いので水気をとばすために、煮こむ必要があるかも。)
ガラスの瓶に入れ、煮沸して、ラベルを張って出来上がり!!
野生オレンジの皮の苦味がOKな友人にプレゼントもできます。はい。
野生オレンジのピール作り
ジャムを作ってもまだ大量の野生オレンジが庭に残っています。そうしたところ料理好きの舅がやってきて、これ、おいしいんだよ、とオレンジピール (canditi d'arancia)作ってくれた。
水気が飛ぶまでかき混ぜ続ける
中をくり抜いた後の皮を洗って、適当な大きさに切ってフライパンに入れます。 お砂糖を入れ、
砂糖が固まってきた
舅がやると、あっという間にいとも簡単にできてしまうのだけど、私がやってみたらだめだった。砂糖が固まらずにぐちゃぐちゃのまま。。。
結局コツがつかめずに、謎のままでした。
次回予告
イタリアのD.O.P.はEU法に準拠したイタリア国内の原産地名称保護制度のことです。Midoromaさんちのノンノ(おじいちゃん)=舅は料理を作るのが大好き。特に魚介類は大好き。漁港で新鮮で美味しいものをうまく見つけてくるのです。次回はイタリアの食文化に大きな影響を与えている食品基準・D.O.P.(Denominazione di Origine Protetta)を説明します。
協力者と刊行内容
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ヤマネミドリさん→http://www.ivc-net.co.jp/trans/yamane/