Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第42号

イタリアでの魚料理の食べ方

はじめに


シーフード
魚のミックスグリル

 やはり日本人の口には、肉料理より魚料理が口に合います。イタリアでは肉料理より値段が高い高級料理とされるシーフード。食文化の違いなのか、日本人を納得させる魚料理は意外と少ないです。しかも新鮮な魚介類は一部の高級店を除き、漁港近くのシーフードレストランでないと味わえません。よく日本のお客様から「ローマ市内で手頃なシーフードが食べられる店を紹介して欲しい」とのリクエストをいただくのですが、これは非常にハードルが高いリクエストということになります。
 
 内陸のローマで、そうなんです、新鮮な魚の流通経路が整っていないイタリアでは、こと魚については海から離れたローマは内陸です。手頃で新鮮なシーフードを食べたいと思う地元の人たちは、わざわざ車を使って、漁港のあるフィウミチーノやアンツィオまで出かけています。食巡りは、彼らにとって家族のレジャーなのです。
 
 でも海に面しているからといって、必ずしも魚料理がおいしいとは限りません。ナポリでおいしい魚料理の話も聞きませんし、景勝地のアマルフィーやサレルノ、ポジターノあたりで評判の良い店の話を聞きません。普通観光で行かれる日本人は、車をチャーターしてまで魚を食べにいくのは無理筋です。どのようにしたら美味しい魚料理にありつけるでしょうか。
 端的に言って、漁港のそばにあるレストランか、ヴェネチア、シチリア、プーリアを訪問する時に魚料理を食べてください。そうでなければ値段の張る高級レストランに行くしかありません。
 第57回はイタリアでお薦めのシーフードレストランをいくつかご紹介します。
 

 
協力者の紹介と刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html

 

ヴェネチアのアル・コーヴォのメニュー


魚料理

 ヴェネチアの高級シーフードのレストラン、al Covoアル・コーヴォのメニューはオリジナルな料理になっています。例えば、アサリ料理はあるので、作れないことはないけれど、スパゲッティ・ボンゴレはありません。料理を注文する際は、どのような料理であるか聞くか、レストランに任せるしかありません。
 そこで、メニューの中から、日本人向きにシーフードに重点を置いた、ヴェネチア風の料理を選んでみました。
 
Antipasto(前菜):(値段15ユーロから24ユーロ)
○il nostro "saor" di pesce e verdura 魚をフライにして玉ねぎを甘く煮たソースで頂くベネツィア独特の前菜。普通はイワシで作りますが、ここは「魚と 野菜」とあるので シェフのオリジナルで鰯以外の魚かもしれません
 
○Primi(第一の皿):パスタ類(値段25ユーロから33ユーロ)
Rigatoni al pesto e bottarga di tonno rosso  筋入りマカロニのペーストとマグロのカラスミ合え
 
Secondi(第二の皿):(値段25ユーロから33ユーロ)
○Coda di Rospo dell'Adriatico "porchettata" su fonduta di sedano-rapa, fagioli "Gialletti"  アドリア海のアンコウのロースト、セロリとジャレッティ豆/北イタリアの一部でのみ生産している豆/のフォンデュ
 
al Covoアル・コーヴォ
住所:Castello 3968, 30122 Venezia
電話:041 5223812
 
アル・コーヴォのメニューは→http://www.ivc-net.co.jp/restaurant/menu/alcovo.html

 

ローマ・フィウミチーノのIl GHIOTTONE


魚料理

 ローマで「魚料理を食べにレストランへ行く」というと9割の頭に浮かぶのがローマ国際空港のある海際の「フィウミチーノ」を思い浮かべます。近海へ漁に行く船が朝方帰ってきて獲りたての魚をレストランに納入する。その魚を使って料理を提供するトラットリアが海岸沿いに並んでいます。
 残念ながらどこも、だんだんと値段が上がり、少しづつ床面積を大きくして中はいつもうるさい…という店が多くなっています。その中でこの店「Il GHIOTTONE」はまだいける。高級感がほしい人には向きませんが、味本位の人にはお薦め。新鮮な魚料理を存分に楽しめます。
 
Antipasto(前菜):
○イカとズッキーニのグリル(写真右):イカとズッキーニに塩とオイルで味付けをし、小麦粉をまぶしてオーブン焼き。香ばしくて美味しかった。
 
Primi(第一の皿):パスタ類
○磯の幸のスパゲッティ(spaghetti allo scoglio):イカ、アサリ。ムール貝、エビのトマトソース煮であえたスパゲッティ。具を取り出してパスタの上に置いて、見栄えよくしてくれました。開いた部分にパセリのみじん切りをまとめてその上に唐辛子。辛いのが好きだったら混ぜてね、という配慮です。
 
Secondi(第二の皿):
○セコンド魚のミックスグリル:イカ、小ダコ、テナガエビ、エビ、ヒラメ、アスパラガスと小ダコのグリル(本メルマガ冒頭の写真)
 
Il Ghiottone
住所:Lungomare della Salute, 3, 00054 Fiumicino (RM)
電話:06.65025595
 
Il Ghiottoneの報告は→http://www.ivc-net.co.jp/restaurant/rome/ghiottone.html

 

フィレンツェのリストランテ・ベルコーレのメニュー


魚料理

 日本の有名な食通の評論家(誰でもご存知の文豪のお孫さんです)にフィレンツェでレストランをご紹介しました。お一人でも行ける気楽なレストランで日本人シェフやスタッフもおり、日本人向けのレストランです。
 日本語が通じるレストランで美味しいところは無いとも言われていますが、ここは例外です。海から離れたフィレンツェで海鮮料理が美味しく食べられ、ワインも料理に適したものが出されます。ちなみに 評論家の方は、オマール海老のカタラン風ソテーを 食べられたとのことです。以下にベルコーレのメニューを紹介します。
 
Antipasto(前菜):
○カラスミをのせた干しダラのムース トーストと共に
 
Primi(第一の皿):パスタ類
○雲丹ソースのタリオリーニ ミニトマトとライムの香りで
 
Secondi(第二の皿):
○黒ゴマをまぶしたマグロのステーキ アボガドとワサビのソース ズッキーニのサラダと
 
Ristorante Belcore
住所:Via dell'Albero 30, 50123 Firenze
電話:055 211198
 
ベルコーレのメニューは→restaurant/menu/belcore.html

 

次回予告


プロチダ島はナポリ湾に浮かぶ4平方キロくらいの小さな島。イタリア映画「イル・ポスティーノ」の撮影が行われたことで初めて知られたというぐらい余り知られていない島です。ここで出会った奇跡の海鮮料理をMidoromaさんが報告します。
 
協力者の紹介と刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html

 

発行


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