Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第46号

「秋冬のお祝いとごちそう」

はじめに



大晦日のホームパーティ

 ローマ人は、イベント好きで、仕事より、イベントを優先します。知合いのイタリア人ドライバーは、借金を抱えて、アップアップなのですが、いくらギャラを積んでも、大晦日の夜は仕事をしてもらえません。大晦日の夜は1年に1度の大騒ぎするお決まりの食事会の日なのです。イタリア人に取って、お祝いの日=お食事の日なのです。

 

秋冬のお祝いとごちそう



ポルチーニ祭り

<秋のSAGRA(サグラ)>
 8月から9月にかけてイタリア各地でSAGRA(サグラ)が催される。祭りと訳すけれど、元々は「豊穣祭」みたいなニュアンスで、その土地の特産物の取り入れ時に行われ、村人に無料で特産物料理を振る舞って皆で食べ合うのがそもそもだった。
 ポルチーニ茸は人気のアイテムで、あちこちでSAGRA(サグラ)の一環でポルチーニ祭りが開催されます。


羊の串焼きとポルチーノキノコのロースト

 


クリスマスの家族の食卓

<クリスマス>
 イブは夕食が正餐、クリスマスは昼食が正餐。
 クリスマスは家庭で、が、モットーのイタリアであるが、昨今はレストランへ出かける家族が増えて、道はあらゆる方角が混雑していました。
 
 しかしこれで終わったと思ったら大違い。12月26日は、聖ステファノのお祭りでクリスマスに続いて国の祭日。ごちそうが3日間続きます。3日連続は厳しいです。


聖ステファノの食卓

 


仲間で大晦日の食事作り

<大晦日:聖・シルベストロの日 >
 子羊はローマのお祝いごとに欠かせない。
 トラットリア育ちの彼が、子羊の内蔵をベネツィア風に調理。
 
 5秒前あたりからみんなで大声でカウントダウンをして、家の主人がみんなの『ゼロ!!』の大声に合わせてスプマンテの栓を抜く。
 大騒ぎするのがイタリア流。締めは花火とレンズ豆。みんなで大騒ぎする年に一度のお祭りです。
 でもナポリの花火にはご注意。毎年死人が出ています。


大晦日のスプマンテ

 


元旦の家族の食卓

<元旦(お正月)>
 元旦は朝ゆっくり起きて、ちょっとだけ特別な昼ごはんを家族で食べ、だらだらおしゃべりをしたり、昼寝をして大騒ぎした大晦日の寝不足を解消する…というのが定番。日本のように「さぁ、新しい年を迎えてなにかがんばるぞ」という意識が微塵もない。
 日本のようにおせちみたいなものはないけれど、レンズ豆は正月料理。レンズ豆を硬貨に見立て、お金がたくさん入りますように、という願いを込めて食べる。
 日本のお正月も豆を食べるけど、「マメマメしく働くように」という意味だというと、イタリア人は目を丸くする。
 罰として労働をアダムに与えた神を頂く民と、労働をしていた神々を頂く民の違いといいましょうか。


イタリア正月の定番レンズ豆

 


1月6日ベファーナの祭り

 カソリックの国なので、多くのお祝いの日は、クリスマスのように宗教に関係した日です。信心深い?イヤーそう言うことではなく、おいしいものを食べる日と刷り込みが行われているのです。教会に滅多に行くことの無いヤマネさんのうちでも、しっかりとお祝いの日はお食事会をします。日本のクリスマスの食事と同じと考えて差支えありません。ただ日本はクリスマスと正月、そして地方では村祭りと回数が限られていますが、イタリアは季節ごとに何かがあります。


ベファーナは魔女でもあるので、魔女の毒リンゴが出てくる
本物のりんごをキャラメル煮にしたもの。

 

次回予告


 季節ごとにイタリアの台所をにぎわす食材があります。秋はキノコ、冬はイノシシです。この食材を使った料理こそマンマの味の真骨頂です。次回は秋の贈り物のキノコと冬の味覚イノシシをご紹介します。
 
ローマを味わうMidoromaさんの観光ツアー
http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/oneesama.html
 
Facebook
https://www.facebook.com/cucina.italiana.jp/
 
協力者の紹介と1号から10号の刊行内容
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html
 
11号から20号の刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish2.html
 
Facebook
https://www.facebook.com/cucina.italiana.jp/

 

発行


ITALIAN VIDEO COLLECTION NET
 
株式会社イタリアンビデオコレクション
情報の投稿・ご意見・お問合せは
info@ivc-net.co.jp
イタリアでのビジネスや旅行は
http://www.ivc-net.co.jp/