Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第14号

「イタリアのピッツァ事情/
日本に出店したミラノのスポンティーニ」

はじめに



 イタリアにはピッツェリア(ピッツァを出すレストラン)が45000軒あります。日本で言えばラーメン屋さんのように、どこにでもピッツェリアがあるといった感じです。値段的に、手頃な事から、気軽な外食として、人々に楽しまれています。
 
 1800年頃にナポリで現代のピッツァ料理といったものが完成し、そのころピッツェリアも出来たと言われています。
 最初のナポリピッツァはマリナーラです。しかし、クラッシックなピッツァは、ピッツァ・マルガリータです。1889年に統一イタリアの国王・ウンベルト1世の妃のマルゲリータ女王は、カポディモンテ城で提供されたトマトとモッツァレッラによるピッツァです。その時から、ナポリ人のピッツァを食べた女王を記念して、モッツァレッラによるピザは、ピッツァ・マルゲリータと呼ばれるようになりました。
 第14回は、イタリアのピッツァ事情を紹介を致します。
 
ピッツァ職人養成講座
http://www.ivc-net.co.jp/pizza/index.html
 
協力者の紹介と1号から10号の刊行内容
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html
 
11号から20号の刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish2.html

 

イタリアのピッツァ事情
各地のピッツァの特徴



 ナポリのピッツァは、薪釜で焼かれ、厚みのある生地で、縁がぼってりして、フワフワもちもち食感が特徴です。基本は、トマトと魚をトッピングしたマリナーラとモッツァレッラとトマトをトッピングしたマルゲリータです。
 
 ローマ風は、その薄さが特徴。生地が薄くクリスピータイプで、1cm 以下のサクサクパリパリ食感は、薪釜焼きの香ばしさを引き立てます。
 
 ミラノ風では、ナポリやローマ風のピッツァに比べ、薄く大きくなります。また、トッピングは様々な種類がある。厚さは縁でも5mm以下であることが多く、イタリアのピッツァの中で最も薄いピッツァです。ナポリ・ピッツァは生地を味わうのが特徴となっていますが、ミラノではトッピングを楽しむ傾向があります。ミラノ風のお洒落でクリスピーなタイプも人気を集めています。
 
 イタリアでも、お寿司が江戸前が一番と言われているように、ナポリピッツァが一番と言われています。でも、ローマより北では、店によってはピッツァのタイプが異なることから、ピッツェリアに入る時には、確認することが必要なようです。
 
ピッツァ職人養成講座
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イタリアのピッツァ事情
切り売りピッツァ



 ローマより北の地方で良く見られるのが切り売りピッツァです。四角い長方形なのでピッツァ・アル・タッリョ(Pizza al taglio)と呼びます。小さな店舗(ミスタードーナッツのような感じ)でショーケース様のものに鉄板に乗った様々なトッピングのピッツァが並んでいます。それを好きな大きさに切ってもらいます。少し空間に余裕がある店は店内にカウンター状、あるいは店の外に小さなテーブルを出していて、勝手に持って行って食べることができます。
 
 ファーストフードみたいなニュアンスです。イタリアでマクドナルドが進出するのにすごく時間がかかったのはこの切り売りピザがあったからとも言われています。 飲み物(水、ビール、コカコーラの類)も売っています。中にはピッツァだけでなく、コロッケ、スプリ(トマト味のご飯を丸め中にモッツァレラチーズを入れてパン粉を着けて揚げたもの)、チキンロースト、煮やさい、最近流行りのアラブ料理のケバブを扱っているところもあります。
 
 そもそも、ピッツェリアは1800年に出来たのですが、その600年前から街角で立ち売りピッツァがありました。切り売りピッツァはこの伝統の系譜をつなぐのが切り売りピッツァだとも言えるのです。


<ローマのお薦めの切り売りピッツァ店>  ローマで評判の切り売りピッツァ店が紀元前の神殿跡にあります。Pizzeria Floridaと言います。ローマのコーディネータの山根さんによると、一切れづつ買って、真ん前の紀元前の神殿跡遺跡+シーザーが殺された場所である遺跡Torre Argentinaの脇のベンチに座って食べると、すごく気分が良いそうです。ローマを訪れたら、是非試してみてください。
 
<Pizzeria FloridaのDATA>
 住所:Via Florida, 25, 00186 Roma
 TEL:06-68803236
 営業時間:9:00-22:00
 
ピッツァ職人養成講座
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イタリアのピッツァ事情
ミラノのパン・ピッツァ



 弊社の現地ガイドが"パン"ピッツァの店と呼んでいるように、生地がパン生地となっており、他のピッツァと比べて台が分厚くなっています。チーズがたっぷりのってふかふかなのに底はしっかり焼けていてカリカリです。この表面ふかふか感と、そこのカリカリ感が絶妙に組合わさっています。
 このピッツァを売っている地域は、観光客の行かない庶民の地域です。この地域で、1日に1000枚のピザを売り上げる人気店です。お店のピザは写真の1種類のみで5ユーロ。ボリュームたっぷりで、一切れ食べただけで満腹してしまいます。まさに庶民の味と言える存在です。
 
<Pizzeria Spontini のDATA>
 住所:Corso Buenos Aires, 60
 TEL:02-29516529
 URL:http://www.pizzeriaspontini.it/

日本に出店したミラノのSpontini



 2015年の秋にミラノのピッツァ店、スポンティーニが2店開店しました。ミラノの庶民の味を、日本でも味わえることになりました。
 値段はマルゲリータが830円(税別)、マリナーラが780円(税別)とイタリアよりは少々高くなっています。
 
カスケード原宿店
 渋谷区神宮前1-10-37 カスケード原宿 2F
 URL:http://www.pizzeriaspontini.jp/
 
渋谷モディ店
 渋谷区神南1−21-3 渋谷モディ 1F・2F
 URL:http://www.pizzeriaspontini.jp/
 
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次回予告


 次回は料理のトレンド、コース料理、日本との相違と言った側面から、イタリアのレストラン事情を紹介するとともに、ハインツ・ベックさんの料理を楽しめる、ミシェラン3つ星のRistorante "La Pergola"の2015秋冬のメニューを紹介します。
 
協力者の紹介と1号から10号の刊行内容
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11号から20号の刊行予定
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