ラウラが紹介する
サン・ロレンツォの手工芸アーティストとアート
「Myriam B」 〜ミリアム・B
ミリアムのアクセサリーを見ると、「?」と「!」が同時に頭から飛び出してきます。
「これを身につけるの?」
「これ、身につけていいんだ!」
既成概念無し!のミリアムのアクセサリーはどこから出てくんでしょう?
「あたし、グラフィック・デザイナーだったのよ。ミラノでね。
でも、平面をいじりながら、これは違うな〜と思ってね。やめちゃったの。
この手に触れるもの、実感のあるもので仕事をしたい、と強く思ったの。 」
「服飾の世界に飛び込んで、そうね、楽しかったけど、ファッションデザインは先取り、先取りでしょ。
つまり、夏に、冬のものを用意する。それどころか今年の夏に来年の夏のものを用意する。
年に何度もコレクションのショーがあって、いつもいつも急いでる。
これも違うな〜と思ってね。 」
"DECONTESTAZIONE" 〜否認の除去〜
「あたしのポリシーは"DECONTESTAZIONE"。
どんなものも、ある役割のために作られているのは知ってるけど、それを無視するの。
モノの形状、質感、色だけが重要なの。そのモノの純粋な要素だけがあたしに必要なの。」
「だから、ありとあらゆるものが、あたしのアクセサリーの材料になりうるわけ。」
「アクセサリーにはいろいろあるのは知ってるけど、女王はなんと言ってもネックレスよね。
ネックレスが中心で、それにマッチするバッグやドレス(のようなもの)を作る事もあるけど、メインはネックレス。
」
「アイデア?
う〜ん、見るもの全部ね。ふと見た割れたガラスとか、金網が見せるビジュアルとか…
それをスケッチしておくノートがあって、これは企業秘密。誰にも見せないの。うふ 」
細い体、 黒いおかっぱ頭に黒い服を来たミリアムは、イタリアのアルチザンと言うより、フランスの歌手かアーチストを思わせます。
あらゆるモノをその名前から解放して、画家の絵の具のように、作品を構成する材料の一つにします。
例えば、「材料」の布地ばかりかけたハンガーに、古い帯(日本の。着物に締めるあの帯です)がありました。
バッグを作るつもりだ、と言ってましたが、その帯を裏返しに使うのだそうです。 松と鶴模様を織り出す様々な色の糸が、裏では様々な糸がクモの巣のように垂れて絡んでいます。それが面白い…と言います。また、この布(帯)が使われて古くなった感じもいい…と。
ミリアムはアクセサリーと言う形を使ってアートする。
そう、ミリアムは工芸家ではなくて芸術家。
ミリアムのネックレスはオブジェのよう。アート性の高いミリアムのアクセサリーはスタイリストも注目してて、Gattinoni, Martin Sitbon,
Maurizio Galanteのショーに使われ、Martine Sitbon, Oliver di Valentino, Les Copainsのためにもデザインしました。
材料に触発される事も多いミリアムの手作りアクセサリーは大量生産できません。
だから、買った人の「個」の演出を助けます。
ミリアムのネックレスを身に着ける=既成概念から自由になる
ミリアムの工房と店を見ると、「『こう』じゃなくちゃいけないって誰が決めたの?」 と言う気になってきます。
お店は月曜から土曜まで、朝11時から午後1時
そして午後4時から午後8時オープンです。
8月後半は夏休み閉店です。
------------------------------------------------------------------------------------------------