バチカン

イタリアのレストランについての情報集

 イタリアでも昔は高級レストランといえども、その地方の伝統料理がメインでした。それが京都の精進料理をフランス料理に応用したのが始まりというヌーベル・キュイジーヌ式になり、シェフをメインにしたオリジナルの料理が多くなっています。時代とともに変化しているイタリアの料理のトレンドを説明するとともにコース料理、日本との相違と言ったこと、さらにイタリアの食文化に関わるスローフード運動やエノガストロミ−ツアーと言ったものまで、イタリアのレストランかかわる情報をお知らせします。

イタリアの料理のトレンド


*
<シェフのオリジナル料理重視の傾向>
ここ20年位でイタリアの高級レストランの料理内容が変わっています。昔は高級レストランといえども、その地方の伝統料理がメインでした。それが京都の精進料理をフランス料理に応用したのが始まりというヌーベル・キュイジーヌ式になり、シェフのオリジナル料理+見た目の美しさを追求しています。
 そうはいっても、食材の豊かなイタリアでは、昔から続く素材の味を活かす調理法が生きており、イタリア料理の新しいトレンドになっています。

 
<グルメブームを反映したシェフ人気>
日本と同様、イタリアでもテレビのグルメ番組「master chef」が大人気です。弊社でも料理の翻訳サービスをしているのですが、名前だけでは判らない料理があって、四苦八苦しています。料理やお店ではなく、シェフの名前が出てきます。例えばローマの人気店Ristorante "La Pergola"は、イタリア料理ではなくハインツ・ベック・シェフの料理となります。 有名シェフのいる所は流行っており、何処のレストランも有名シェフを重視しています。その一方で、昔ながらの伝統店が、閑古鳥となっていたりします。

 
<ミシェランの星付きレストランが人気>
シェフをメインにしたオリジナルの料理が多くなっているのはミェランの星付きレストランが歓迎されていることを反映していると言われています。ミシェランの星付きレストランが、イタリアでは、増加しています。以前、5軒であった3つ星レストランも8軒となり、都会なら1つ星レストランはどの街にでもあるようになりました。
 伝統料理が廃れて行くのには、グローバル化だとの意見のある人もいるのですが、イタリアでもシェフのオリジナル料理が歓迎される傾向があり、シェフがこの流れに追随しているのが現状です。

 

*
*

イタリアの料理店の分類

 イタリアでは、日本の料亭、割烹、レストラン、食堂と言ったような料理店の分類があります。大雑把にいって、次に分かれます。

<リストランテ (Ristorante)>
いわゆるレストランです。高級レストランの多くはこの中に含まれます。ドレスコードのあるところもあります。レストランマナーに忠実で、パスタのみの食事や、お皿のシェアーもマナー違反と考えて下さい。食事時間に2時間は必要となりますので、余裕を持って、訪問ください。費用もお一人80ユーロ程度はすると思ってください。
<トラットリア (Trattoria)>
リストランテよりは気軽に利用できる食堂です。ナプキンも布ではなく、紙が利用されることが多いです。ここでは、お皿のシェアーOKや、大皿料理を出してくれる店があったりします。それでも40ユーロ程度はしますので、イタリアの庶民にとって安いものではありません。でも高級レストランで廃れてきている地元の伝統料理も、トラットリアでは健在です。
<エノテカ (Enoteca)、オステリア (Osteria)>
ワインショップであるエノテカが発展して、今では西洋居酒屋のようなところにがあります。ワインは必須アイテムになりますが.食事も採れると言うことです。オステリアはエノテカから発展した庶民的食堂です。実質本位で、格好をあまり気にしません。お腹に合わせて好きに選べるという意味で自由度が高いと言えます。
<ピッツェリア(Pizzeria)>
主としてピッツァを提供する料理店。イタリアでは45000軒もあるポピュラーなものです。ピッツァ1品で完結することから、価格的に手軽な食事です。最近は、昼の営業も普通になっていますが、基本は夜の食事です。

レストラン予約のお手伝い

*

イタリア料理のコース

 フランス料理の、コース料理(前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザート)と、料理の概念やお皿の分類が細かい点で異なっています。どのようなレストランも料理をこの概念に従い出しています。
<アンティパスト (antipasto)・前菜>
前菜を意味するハムやチーズ、燻製、カルパッチョなどのシンプルでいてお腹がいっぱいにならない、食欲をそそるためのスターター料理で、プリモ・ピアット(第一皿)が出るまでの間つなぎの軽い食事です。
<プリモ・ピアット (primo piatto)・第一皿>
最初のメインディッシュ。パスタ、リゾット、ポレンタ、スープなどが分類される。どちらかというと炭水化物系の料理。ここでパスタやリゾットを頼むと、日本人にとっては分量が多すぎるという声も良く聞きます。
<セコンド・ピアット (secondo piatto)・第二皿>
2番目のメインディッシュ。食事のハイライトとなる料理です。魚料理と肉料理の二種類に分類されるタンパク質系の料理です。フランスでは肉と魚がコース料理では別になりますが、イタリアでは一緒となります。
<ドルチェ (dolce)・甘いもの>
デザートを意味します。果物やケーキ、チーズがデザートとして出されます。

日本との相違点(休業日、開店時間、予約、魚料理、大晦日)

 日本と異なった"常識"がありますので、イタリアでレストランを利用される時は以下をご参照ください。

<開店時間>
イタリアのランチは1時から、ディナーは8時からが普通で、この時間に合わせて、レストランが開店します。そのぶん閉店時間が遅くなり、昼は3時過ぎ、夜は11時頃まで営業しています。
<お祝いの日やバカンスの休業>
国民のお祝いの日や、休暇期間は休むことが多いです。お休みは、レストランの従業員も享受しています。ですので、クリスマスや1月1日、イースター等の祝日や夏のバカンス期間は、お休みになるレストランが多いです。しかも通常ネットには掲載していません。ホテルのレストランですら休むところがありますので、事前リサーチが必要です。
ちなみにローマのLa Pergolaは2016年は8月7日から29日まで夏のバカンスでお休みとなります。
<予約>
ローマのLa Pergolaといった超人気店は別として、大体1ヶ月前位からを目処に予約されることをお勧めします。最近はメールでも確認してもらえるようになっていますが、電話予約が基本だった頃は、数ヶ月前に予約を入れて、忘れられてしまったことがあります。イタリアらしい話ですが、クレームをつけたら、そんな前に予約するのが非常識と逆に叱られてしまいました。
ただし最近1週間を切ると、予約が取れないケースが多くなってきているので、注意が必要です。
<シーフード>
イタリアでは日本と異なりシーフードは高級料理です。肉料理より高いのが普通です。しかも新鮮な魚介類は一部の高級店を除き、漁港近くのシーフードレストランでないと味わえません。よく日本のお客様から「ローマ市内で手頃なシーフードが食べられる店を紹介して欲しい」とのリクエストをいただくのですが、これは非常にハードルが高いリクエストということになります。
ローマで手頃で新鮮なシーフードを食べたいと思う地元の人たちは、わざわざ車を使って、漁港のあるフィウミチーノやアンツィオまで出かけています。
<おいしいレストランは郊外>
イタリアでは一人50ユーロはする外食は、一般の庶民に取ってたまの贅沢です。外食を楽しむために、わざわざ郊外の手頃でおいしいレストランを巡ります。
また、三つ星レストランの場所もローマのペラゴラとフィレンツェのエノテカ・ピンキオーリを除くとみんな郊外にあります。ヨーロッパの各国でも一般的ですが、イタリアでもおいしいレストランは郊外とお考えください。
<大晦日の夕食会チェノーネ>
イチェノーネとはイタリアで大晦日にする夕食会のことです。大体、9時頃から始まり、カウントダウンして新年になりスプマンテ(シャンペン)で乾杯するまで続きます。街中はお祭り騒ぎになり、新年を祝う花火が打ち上げられます。ホテルのレストランも含めて、どのレストランも料金の高い特別メニュー(コース料理)を用意し予約制となります。チェノーネのメニューはたっぷりで日本人には向きません。この日はレストランで普通の食事は出来ないので、あらかじめ夕食をどうするか決めないと、旅行者は夕食がとれなくなります。
Il Posto Accanto di Rosolinoの大晦日料理(チェノーネ)メニュー →こちらから

高級レストランと基本ルール

 高級レストランと普通のレストランやトラットリアとの間には、様々な差があります。ドレスコードがありますし、ソムリエやパティシエもいます。そうは言っても、おおらかなイタリアなので、厳格にルールが適用されているという訳ではありません。基本ルールを念頭に、お楽しみください。

<高級レストランは味だけでなく雰囲気やサービスを楽しむもの>
高級レストランは料理の味だけでなく、お店の装飾・環境が醸し出す雰囲気や給仕の洗練したサービスや奇知の効いた会話などをトータルで楽しんでもらうところです。それなりに料金も高いのですが、それに見合ったものがあると言うことです。語学の問題があるかも知れませんが、従業員もサポートしてくれますので、是非その雰囲気に触れてみてください。

<ドレスコード>
高級レストランにはドレスコードがあります。ただおおらかなイタリアなので、ジャケット着用と言った程度のことも多く、フォーマルを要求されることは滅多にありません。また夜はフォーマルでも昼はカジュアルということもありますので、レストランに確認してください。カジュアルの場合でも、半ズボン、ホットパンツ、Tシャツ、サンダル履きはルール違反となりますのでご注意ください。

<料理注文の際の注意事項>
コース全体をいただくのが基本となります。それでも最近はセコンド・ピアットの省略は認められるようになってきている模様です。パスタのみの食事や2人で1皿を分けるのもレストランのマナー違反と考えて下さい。食べきれない場合は、少々もったいないのですが、食べ残すことも選択肢とお考えください。

<量少なめの注文は追加料金>
高級レストランではシェフをメインにしたオリジナルの料理が多くなっております。これは味だけでなく、飾り付けなどの見た目も考慮したものとなっています。言わばシェフの作品のようなものとなります。これを少量にするということは、料理のコンセプトに沿った「作品」をもう1つ作る必要が出て来るため手間がかかります。そのためミシェランの星付きレストランの中には、「量少なめ(small portion)は追加料金となります」と記載しているレストランもあります。
 日本人の感覚的にはなかなかしっくりいかないのですが、量少なめはレストランにとってはあまり希望しないサービスなのです。ですのであえて量少なめにしてもらうよりは、「おいしかったけれど食べきれなかった」と言って残される方が賢明です。どうしても量少なめを依頼される場合は「料金追加でも構わないので量少なめにして欲しい」とリクエストされるのが良いかと思います。

<給仕はエンターテイナー>
イタリアの食事の楽しさは実は料理の味だけではなく、プロの給仕とのやりとりに始まります。言葉が心配だから、座ったらすぐに次々と出てくるようにして欲しいと言いましたら「大丈夫だから心配するな」というのがプロの給仕の答えです。イタリアのレストランでシェフをしていたことのある日本人シェフが東京の高級イタリアレストランでシェフをしていた時に「日本にはプロの給仕がいなくて困る」と言ってましたが、イタリアにはいます。その体験をぜひともしてほしいです。料理よりもそのほうが思い出に残るかと思います。
 プロの給仕はでしゃばり過ぎず、かつ、ちょっと、エンタテイナメント的にそのやりとりの中でお客さんを楽しませてもくれます。「イタリアのレストランで給仕と話すのが楽しいんですよね。でも、なかなかお客さんにわかってもれなくて」と給仕に話すと「わかってくれるからご心配なく。任せておいて」だそうです。さすがプロです。

レストラン予約のお手伝い