美術品の宝庫ヴィッラ(Villa)/ご近所のボルゲーゼ家の町

 
目 次
1.はじめに
2.美術品の宝庫ヴィッラ(Villa)
3.ご近所のボルゲーゼ家の町
4.旅の情報:毎月第一日曜はボルゲーゼ美術館が入場無料
5.あとがき

1.はじめに

 ヴィラ(Villa)は、古代ローマの上流階級の田舎に建てた家屋を意味しました。裕福なローマ人は避暑のためヴィッラで、夏を過ごしました。多くの芸術作品は、持ち主である裕福な人達のリクエストで作られたことから、ヴィラには、多くの芸術作品で飾られています。その中にはローマの有名ファミリー・ボルゲーゼ家のヴィラのように、今ではボルゲーゼ公園となって一般に公開されています。
 この広大な敷地の大きな池の近くには、膨大な美術品を抱えたお屋敷がありました。1910年に、維持しきれなくなったボルゲーゼ家が、ローマ市に美術品とともに売却したのが、現在、イタリア最大の美術館であるボルゲーゼ美術館なのです。この広大な公園が、ボルゲーゼ家のヴィラだったのですから、呆れてしまいます。

2.美術品の宝庫ヴィッラ(Villa)

<ヴィラ・ボルゲーゼ(Villa Borghese)>
 ボルゲーゼ卿のローマ近郊のヴィラで、ボルゲーゼ家の美術コレクションを収めるバロック様式の家として建てました。現在は、そのままボルゲーゼ美術館(Galleria Borghese)として引継がれており、 ボルゲーゼ卿がパトロンであったバロック期の巨匠ベルニーニの最高傑作の彫刻「アポロンとダフネ」「プロセルピーナの略奪」、カラヴァッジオの「病める バッカス」、ラファエロ「一角獣を抱く婦人」、ティツィアーノ「聖愛と俗愛」などバロックを中心に、ルネサンスの美術品等も並んでいます。
 
<ヴィラ・アドリアーナ(チボリ)>
  ローマ近郊の別荘地・チボリにある1999年に世界遺産に登録されたヴィッラ(Villa)です。別荘と言いながら規模が違います。一個の町です。もはや。兵舎があり、公衆浴場が3つもあり、劇場があり、いくつか宮殿があり、敷地全部を城壁で囲っています。ローマ帝国最盛期の富と知恵をまとめた最高傑作のヴィッラです。
 ローマ帝国最盛期にハドリアヌス帝〔在位、117-38〕が池に身を投げたギリシャの美少年を偲んで建てた、チボリにあるヴィラ(別荘)です。ハドリアヌス帝は建築家と芸術家の顔を持った皇帝と言われています。ローマのパンテオンもハドリアヌス帝の設計です。このヴィッラも皇帝が属州の視察旅行で印象に残った各地の特徴を、アレンジして設計したとのことです。
詳しくは→https://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/villa.html
 
<ヴィラ・デステ(チボリ)>
 チボリは、ローマの東約30kmにある丘陵にある町で、穏やかな気候と豊かな森に囲まれています。古代ローマ時代からローマの上流階級の保養地です。この中で、ヴィラ・デステは、枢機卿イポリット・デステが1550年修道院を改装して造営したルネッサンス時代のヴィラ(別荘)です。邸内はフレスコ画や絵画、美術品で飾られています。
 番の見どころは4.5haにという広大な敷地の庭園の中にある、500にも及ぶ噴水です。庭園内には、オルガンの噴水、多産の女神、百噴水などギリシャ・ローマ時代の噴水です。とくにイタリアの巨匠ベルニーニ作といわれる「大グラスの噴水」が有名です。イタリア一美しい噴水庭園として知られており、後期ルネッサンス期の代表的な庭園で、2001年に世界遺産として登録されています。
 詳しくは→https://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/deste.html

 

3.ご近所のボルゲーゼ家の町

  ローマから吹く風”のネタを提供いただいているMidoromaさんの海沿いの家の近くに塀に囲まれた町があります。イタリアのどこにでもある中世起源の町です。ただここは、かの有名なボルゲーゼ家の末裔の所有する町です。そうした貴族達は家を何軒か持っているのが普通です。それがどうした、と言わないでくださいね。貴族達は生活するのに人の手を借りますから、「家」は家族だけでなく「使用人」も生活する場所になります。塀で囲まれ、門があって、小規模ながら町の様相をしています。レストランとバール兼パブがあり、町の中央には教会があります。
 この町ではレストラン、パブが営業していて教会は日曜のミサだけ。末裔のご家族は別のところに住んでいます。ようは、現在の住民の皆さんは、ボルゲーゼ家の店子というわけです。Midoromaさんはこの小さなボルゲーゼ家の町を愛しており、時々立ち寄って、コーヒーを飲むのだそうです。皆さんもこの中世の町にも似た、ボルゲーゼ家の町を訪ねてみませんか?
 詳しくは→https://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/220.html
 

4.旅の情報:毎月第一日曜はボルゲーゼ美術館が入場無料

 2014年6月より、毎月第一日曜日のボルゲーゼ美術館の入場料が無料になりました。ボルゲーゼ美術館は予約入場制度となっており、入場無料であっても、予約料の2ユーロはこれまで通り必要とのことです。これまで当日訪問しても空きがあれば入場できたのですが、第一日曜日に限っては、すぐに予約で埋まってしまうようになっており、事前予約が不可欠になっています。運悪く、訪問が第一日曜日にあたってしまう方は、十分ご注意ください。

5.あとがき

プロチダ島はナポリ湾をちょっと出たところ、イスキア島の手前にある小さな島です。可愛くパステルカラーで彩りされた建物が出迎えてくれる。大型船こそ就航してないけど、フェリーがいくつも出入りする港で活気があります。Midoromaさんはローマから訪問するのに手頃なこの島に、短期のバカンスを楽しむため訪れました。次回は、プロチダ島訪問/パルテノペア共和国市民殉難碑をご紹介します。
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