聖なる愛の教会/ローマのソウルフード・ポルケッタ

 
目 次
1.はじめに
2.聖なる愛の教会
3.ローマのソウルフード・ポルケッタ
4.旅の情報:コロナワクチン接種証明書の提示は不要になりました
5.あとがき

1.はじめに

 ローマ南端の郊外にある聖地で、聖母の奇跡で有名な所。Divina d'Amoreは聖なる愛とでも訳したらいいかな。聖母のイコンがあって巣鴨のとげ抜き地蔵みたいな感じで「病気を治してください」式のお願いをしにローマだけではなくイタリア中からカソリック信者がやってきます。言ってみれば現世ご利益の庶民のお寺。奇跡のおかげで治った人が収めた奉納品が展示してあります。Midoromaさんは舅の後妻の一周忌で、「聖なる愛」の教会のミサにやってきました。

2.聖なる愛の教会

 「聖なる愛」の教会では、仏教のような一周忌法要ではなく、一般ミサだけど、申し込んでおくと始めと終わりに故人の名前を呼んでもらえて、その故人にミサを捧げますと言ってもらえます。熱心なカトリック教徒はお寺と檀家のように、住居のそばのおなじみの教会を持っています。舅の後妻もお馴染みの教会をもっていたけど、ここには季節の良い日に散歩も兼ねてよく通ってきていました。
 
 「聖なる愛」の教会は庶民の間で、奇跡をもたらす教会として有名です。18世紀の終わりに最初の奇跡が起こった塔の隣に建てられた教会が建っています。この教会には奇跡のおかげで助かった人たちの奉納品が収められています。この奉納品の中でも特に目立つのは、1928年に北極へ探検したウンベルト・ノビレ一行の飛行機が氷の中に墜落した際に使った無線のヘッドフォンです。今では額に収められています。
 この遭難事故では、救援を待つノビレ一行が赤いテントを張って空からの救援を待ったことから、1969年には「La tenda rossa(赤いテント)」ということで映画にもなり、20世紀はじめの大遭難事件として人々に記憶されています。また、人類で初めて南極点に到達したノルウェーの探検家ロアルド・アムンゼンが二重遭難を起こして、行方不明となって、世界的なセンセーションとなりました。
 
 無線も故障してSOS発信もできなかったのに、18日後、この聖母に祈願したところ、無線が通じて救助を呼ぶことができたということで奉納されています。
 
 教会の周りは気持ちのよい野原。巡礼のついでにピクニック。祈って奇跡をもたらされなかった場合は何も奉納しないので、ここの奉納品を見ると100%奇跡が起こるような感じを受けます。「奇跡」は偶然の産物なのか、気休めなのか、何かあるのか… それを解明するのではなく、なにか大きなものに心の拠り所を置くことができるのは、悪くないと思います。
 詳しくは→https://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/287.html

3.ローマのソウルフード・子豚の丸焼き・ポルケッタ

 fraschetta=フラスケッタとは・・・ローマ近郊のカステッリ・ロマーノ地方にあるイタリア版居酒屋のことです。トラットリアよりもさらに庶民的な店です。フラスケッタに行くとは、イタリア版居酒屋に行くことを意味しています。元々フラスケッタは、ワインの量り売りを買いに来る人に味見をさせていました。小高い丘で、ローマ市内の真夏の暑さから逃れる意味もあり、家から食べ物を持って来て、ワイン屋でワインを買って食事をするようになり、ワイン屋でおつまみのサラミや特産物の豚の丸焼きを置くようになり、木製のベンチやテーブルを置くようになりフラスケッタと呼ばれていました。そして… 今ではトラットリアよりさらに手軽に食事が出来る場所になっています。
 
 カステッリ・ロマーノ地方の中でアリッチャという街があります。アッリッチャへ行くと、ここそこにPorchetta(ポルケッタ)という看板を見ます。「アリッチャに行く」とは、この地方特有のフラスケッタに行って、ローマのソウルフード、子豚の丸焼きポルケッタを食べに行くことを意味します。アリッチャのフラスケッタでは、お皿がプラスチックだったり、容器がプラスチックのサラダボールだったりしますが、味は抜群です。お腹いっぱい食べて、ワインを飲んで20ユーロ程度のポルケッタは、ローマの庶民のソウルフードなのです。
 一度、アッリッチャ名物のポルケッタ (Porchetta)をアッリッチャに食べに行かれたらいかがでしょうか。
 詳しくは→https://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/fraschetta.html

4.コロナワクチン接種証明書の提示は不要になりました

 2022年6月1日よりこれまで行われていたイタリア入国の際にCOVID-19グリーン証明書(ワクチン接種証明、治癒証明若しくは陰性証明のいずれか一つ)又は同等の証明書を提示することは不要となりました。日本から入国する場合も、ワクチン接種証明やPCR検査、抗原検査の陰性結果を提示することは不要です。
 
 なお、イタリア出国にあたって、イタリア出国前72時間以内に実施したPCR検査による陰性証明書の提出は引き続き必要です。厚生労働省によると、陰性証明書の不備によるトラブルは現在も散見されていますので、十分にご注意くださいとのことです。
 詳しくは→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html

5.あとがき

 パラッツォ (Palazzo) は、古代ローマ皇帝の宮殿があったパラティーノの丘を語源とする言葉で、教皇、上位の聖職者、貴族等の貴顕が住む住居のことです。現在それらの多くは公共の庁舎等に転用されおり、日本では、宮殿と訳されています。このパラッツォのうち映画「ローマの休日」のラストの王女の記者会見のシーンで使われたのが、コロンナ宮(Palazzo Colonna)です。次回は、貴顕が住むパラッツォと映画で使われたコロンナ宮です。
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