イタリア料理のコース

 
目 次
1.はじめに
2.イタリア料理のコース
3.グルメブームを反映したシェフ人気
4.旅の情報:ローマの人気店Ristorante "La Pergola"
5.あとがき

1.はじめに

 ここ20年位でイタリアの高級レストランの料理内容が変わっています。昔は高級レストランといえども、その地方の伝統料理がメインでした。それが京都の精進料理をフランス料理に応用したのが始まりというヌーベル・キュイジーヌ式になり、シェフのオリジナル料理+見た目の美しさを追求しています。そうはいっても、食材の豊かなイタリアでは、昔から続く素材の味を活かす調理法が生きており、イタリア料理の新しいトレンドになっています。

2.イタリア料理のコース

 イタリアでは、フランス料理の、コース料理(前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザート)と、料理の概念やお皿の分類が細かい点で異なっています。当然ながら、どこのレストランも料理をこの概念に従いサービスしています。
 
<アンティパスト(antipasto)>
 前菜を意味するハムやチーズ、燻製、カルパッチョなどのシンプルでいてお腹がいっぱいにならない、食欲をそそるためのスターター料理で、プリモ・ピアット(第一皿)が出るまでの間つなぎの軽い食事です。
<プリモ・ピアット(primo piatto)第一の皿>
 最初のメインディッシュ。パスタ、リゾット、ポレンタ、スープなどが分類される。どちらかというと炭水化物系の料理。ここでパスタやリゾットを頼むと、日本人にとっては分量が多すぎるという声も良く聞きます。
 
<セコンド・ピアット(secondo piatto)第二の皿>
 2番目のメインディッシュ。食事のハイライトとなる料理です。魚料理と肉料理の二種類に分類されるタンパク質系の料理です。フランスでは肉と魚がコース料理では別になりますが、イタリアでは一緒となります。
 
<ドルチェ(dolce)甘いもの>
 デザートを意味します。果物やケーキ、チーズがデザートとして出されます。このあと締めに食後酒やコーヒー(エスプレッソ)が続きます。
 
 詳しくは→ https://www.ivc-net.co.jp/restaurant/info.html

3.グルメブームを反映したシェフ人気

 日本と同様、イタリアでもテレビのグルメ番組「master chef」が大人気です。弊社でも料理の翻訳サービスをしているのですが、名前だけでは判らない料理があって、四苦八苦しています。料理やお店ではなく、シェフの名前が出てきます。例えばローマの人気店Ristorante "La Pergola"は、イタリア料理ではなくハインツ・ベック・シェフの料理となります。 有名シェフのいる所は流行っており、何処のレストランも有名シェフを重視しています。その一方で、昔ながらの伝統店が、閑古鳥となっていたりします。
 
 シェフをメインにしたオリジナルの料理が多くなっているのはミェランの星付きレストランが歓迎されていることを反映していると言われています。ミシェランの星付きレストランが、イタリアでは、増加しています。以前、5軒であった3つ星レストランも8軒となり、都会なら1つ星レストランはどの街にでもあるようになりました。
 伝統料理が廃れて行くのには、グローバル化だとの意見のある人もいるのですが、イタリアでもシェフのオリジナル料理が歓迎される傾向があり、シェフがこの流れに追随しているのが現状です。
 
 詳しくは→https://www.ivc-net.co.jp/restaurant/info.html#trend

4.旅の情報:ローマの人気店Ristorante "La Pergola"

 世界各国からグルメの集まるイタリア最高級レストラン。ローマのカヴァリエ・ヒルトンホテルのメインダイニングがRistorante "La Pergola"です。シェフはドイツ人のハインツ・ベックさん。ハインツ・ベックさんの料理を楽しめる店として世界中の食通が集ってきています。
 
 三つ星レストランで食事をするのは予約が必須です。ここでは1年以上前から予約するお客さんもざらにいます。もちろん保証はしかねますが、少なくとも3ヶ月前には予約してみてください。
 
 場所:Via Alberto Cadlolo 101, 00136 Rome, Italy
 電話:06.35092152
 営業時間:19:30〜23:00

5.あとがき

  大学の先輩から、お前はイタリアを仕事にしているのだからと、「モラヴィア自伝」を読むことを勧められました。モラヴィアとは著名なユダヤ系の文学者で、ナチスのローマ占領に際して急遽カソリックの結婚式を挙げて、式後、図々しくも教会の保護を求め、断られたためにカンパニア州の山岳地帯に夫婦揃って避難したことで知られています。
 
 このモラヴィアには、弊社の創業者・印出清明がかつてインタビューしたことがあると、最近になって彼のパートナーのスェーデン人女性から聞かされました。これを読んで印出清明が創業した頃の激動のイタリアを思い浮かべてしまいました。次回は、この時代の一つの中心であった フェルトリネッリ出版社のことをお伝えします。
ご意見・お問合せ・旅行のご相談は→info@ivc-net.co.jp
 イタリアでのビジネスや旅行は→こちらから
 メルマガバックナンバーは→こちらから