イタリアのお祭(前編)

 
目 次
1.はじめに
2.イタリアのお祭(前編)
3.ローマの世界遺産のコロッセオ
4.旅の情報:サンピエトロ寺院の入場が混雑
5.あとがき

1.はじめに

 ローマ人は、お祭好きで、仕事よりお祭を優先します。知合いのイタリア人ドライバーは、借金を抱えて、アップアップなのですが、いくらギャラを積んでも、大晦日の夜は仕事をしてもらえません。大晦日の夜は1年に1度の大騒ぎするお祭の日なのです。世界に冠たるカソリックの国のお祭り大好き・イタリア人の1年を紹介します。

2.イタリアのお祭(前編)

 イタリアはカトリックの国です。このようなことからお祭は国を挙げてキリスト教の祝日をお祝いします。更にイタリアの街ごとに、守護聖人の日があります。ローマは聖ペトロで6月29日、ミラノは聖アンブロシウスで12月7日、フィレンツェは洗礼者ヨハネで6月24日となっています。この日は街中が一斉にお休みとなるので旅行者は注意が必要です。
 
<6月2日:共和国記念日(建国記念日)>
 1946年に共和制移行の是非を問う国民投票が行われた日で、この結果イタリアでは王政を廃止して共和制になりました。ローマでは午前より軍事パレードがフォーリ・インペリアーリ通り(VIA DEI FORI IMPERIALI)沿いで行われます。
<6月24日: 洗礼者ヨハネ の日>
 フィレンツェの守護聖人・ 洗礼者ヨハネ の日です。イエスの洗礼を行ったことで知られます。この日はフィレンツェのお休みです。この日は良く知られた 古式サッカーが開催されます。
 
< 6月29日:聖ペテロの日>
 ローマの守護聖人・聖ペテロのお祝いの日です。聖ペテロは新約聖書に登場する使徒の一人で、初代ローマ教皇といわれています。バチカンにあるサン・ピエトロ大聖堂は、ペテロのお墓にあった場所に建てられています。 この日はローマがお休みになります。
 
<復活祭・イースター(Pasqua):「春分の日のあとの最初の満月の次の日曜日」>
 復活祭は金曜日に処刑されたキリストが復活したことを祝う、キリスト教徒にとってクリスマスに並んで大事なお祭りです。
 
<8月15日:Ferragosto(フェッラゴースト)「聖母被昇天祭」>
 この日はどこに行ってもお休みで日本のお盆のようなものです。前の晩は大晦日の様な感じで、みんなでレストランに行って、食後に花火を打上げます。街によっては花火大会があったりします。やはりこの日もお決まりのごちそうの日です。
 
<コムニオーネ〜聖体拝受>
 春はコムニオーネの季節。カトリックのキリスト者になるための大事なお祭りで、初めて「キリストの肉(聖体)」である薄いおせんべいのようなものをミサの後に司祭さんに口に入れてもらいます。ミサに続いてレストランでの食事が続き一日仕事となります。
 
<秋のSAGRA(サグラ)>
 8月から9月にかけてイタリア各地でSAGRA(サグラ)が催されます。祭りと訳すけれど、元々は「豊穣祭」みたいなニュアンスで、その土地の特産物の取り入れ時に行われ、村人に無料で特産物料理を振る舞って皆で食べ合うのがそもそもでした。ポルチーニ茸は人気のアイテムで、あちこちでSAGRA(サグラ)の一環でポルチーニ祭りが開催されます。
 
<11月1日:万聖節>
 カソリック教会の祝日で、すべての聖人と殉教者を記念する日です。
 
<12月 7 日:聖アンブロジウスの日>
 4世紀のミラノの大司教で西方の4大教会博士の一人に数えられるミラノの守護聖人です。 この日はミラノがお休みです。翌日が 「無原罪のお宿り」の祝日で、ミラノは連休になります。
 
<12月8日:「無原罪のお宿り」の祝日>
 カソリック教会の祝日で、聖母マリアが神の特別なはからいでキリストを懐胎した日という記念日です。
 
<12月25日:クリスマス>
 24日のイブは夕食が正餐、クリスマスは昼食が正餐。クリスマスは家庭で、が、モットーのイタリアであるが、昨今はレストランへ出かける家族が増えて、道は混雑しています。
 
<12月26日:聖ステファノの日>
 エルサレムでの最初の殉教者、聖ステファノの日。ヨーロッパの多くの国でも祝日です。クリスマスがこれで終わったと思ったら大違い。聖ステファノのお祭りでクリスマスに続いて国の祭日。ごちそうが3日間続きます。3日連続は厳しいです。このあとそのまま休んで年明けパーティに備えるいったことも普通にあります。

3.ローマの世界遺産のコロッセオ

 ローマ歴史地区を構成する世界遺産として 1980 年に登録されたのが コロッセオ です。ネロ帝の黄金宮殿の庭園の跡地に建てられた古代ローマの円形闘技場です。ネロ帝にちなんでコロッセオと呼ばれて
 80年にティトゥス帝が建築した建造物です。コロッセオは長径が188m、短径が156mの楕円形です。高さは48.5mの4層構造で収容人数は約5万人であったともいわれています。ここでは白い砂が敷かれ、その上で剣闘士同士や、剣闘士とライオンなどの猛獣との戦いが見世物として行われました。ここで、剣闘士が命をかけて戦った場所です。またこのコロッセオでキリスト教徒が殉教したと伝えられています。時には水を張って模擬海戦も行われました。爛熟したローマ文明の象徴とも言える場所です。
 
 コロッセオの紹介は→https://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/colo.html

4.旅の情報:サンピエトロ寺院の入場が混雑

 バチカンのサンピエトロ寺院の入場に際して金属探知機の検査を受けなければならなくなったことから、入場者で混み合っています。特に朝は、並んで入場するのが普通になっています。そのため毎日長蛇の列が出来ています。従来、寺院内を案内していた観光バスツアーが、寺院内の案内を断念して、バチカン広場からの案内のみに変更しています。
 
 バチカンのサンピエトロ寺院をご覧になる方は、行列が無くなる午後の訪問をお勧めします。また最初に時間予約が出来るバチカン美術館を朝ゆっくり見学されてから(最低でも見学に2時間必要です。)、サンピエトロ寺院を訪問されるのが良いと思います。

5.あとがき

 温暖な気候のイタリアでは北はアルプスの麓から、南はアフリカ大陸のチュニジアに近いパンテッレリーア島まで、すべての地域でブドウが栽培され、ワイン作りがおこなわれています。かつては安ワインの代名詞とも呼ばれたイタリアワインは、生産者の努力により品質が世界トップクラスとなっており、2016年にはワインの生産量ではイタリアが世界一となっています。次回はイタリアワインを紹介します。
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