ローマから吹く風第55号
日本画家・堀文子さんゆかりのアグリツーリズモ

 
目 次
1.はじめに 堀文子さんのメッセージ
2.堀文子さんゆかりのアグリツーリズモ
3.世界一のステーキ、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ
4.旅の情報:フィレンツェで空港と市内を結ぶトラムが開通
5.あとがき

1.はじめに 堀文子さんのメッセージ

 2019年2月に100歳で逝去された堀さんのインタビューを聞くと堀さんのメッセージが伝わってきます。「群れない、慣れない、頼らないをモットーに、正直に一心不乱に生きる。折角生きているのだからしたいことをして生きる。やりたいことは諦めない、チャンスは必ずやってくる。本気で自分と向き合う。人間、孤独になると本来の感覚が戻ってくる。」「心で花を見る」
 
  このメッセージを体現したのが、70歳近くになって、トスカーナのアレッツォでアトリエを開いたイタリア時代でした。このアトリエのあった貴族のヴィラがアグリツーリズモとなっており、訪ねてみました。

2.堀文子さんゆかりのアグリツーリズモ

 フィレンツェからイタリアの中央部、山脈の方へ向かって80キロほどのアレッツォ市の郊外にイタリア版民宿・アグリツーリズモ・アルベルゴッティがあります。ここはもともとはトスカーナの貴族・アルベルゴッティ家の田園の家だったところです。かつては貴族は町中と田園部に家を持つが普通でした。この家の三階に日本画家の堀文子さんが何年かお一人でアトリエを構えていました。アレッツォにアトリエを構えられたのが1987年で、当時既に70歳近くになっていたことだけでも驚きですが、その時点では全くイタリア語を解することなかったとのことで、堀さんのモチベーションの高さには敬服してしまいます。このアトリエで生み出された作品は画文集「トスカーナの花野」「トスカーナのスケッチ帳」としてまとめられており、堀さんの後期の作品として人気の高いものとなっています。
  堀さんと同じ日本人である、ということだけを武器に、このアグリツーリズモに突然訪ねて見ました。オーナーのアルベルゴッティさんが親切にもてなしてくれました。そう、彼はこの屋敷を建てた貴族の末裔なんです。堀さんの画集を見せてくれました。堀さんは、滞在中、毎朝庭や田舎道を散歩して、興味を惹かれる植物を拾ってきてはスケッチしてたそうです。
 
 離れにあるアパートが空いている、と言って見せてくれました。離れには、庭やぶどう畑の世話をする使用人が住んでいました。堀さんは働いていた女中さんとよくおしゃべり(?)をしていたそうです。アルベルゴッティ家で働いている人たちとの交流だけでなく、猫や犬と過ごした日々がトスカーナの画文集に描かれています。今も離れのサロンにある堀さんの絵。
 
 質素で清潔な寝室。農具や松ぼっくりなどを利用した飾り物があります。この屋敷には暖房の設備がありません。冬、堀さんは猫と二人きりでストーブと暖炉だけで、静かな静かな時を過ごしてスケッチを貯めていったそうです。ご当主によると、堀さんが使っていたアパートを堀さんの展示室にするつもりとのこと。そうなったら、ぜひもう一度訪れたいと思います。
 
 詳しくは→https://www.ivc-net.co.jp/cult/wind/2019/343.html

3.世界一のステーキ、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ

 フィレンツェ子が世界一のステーキと自慢するフィレンツェを代表する肉料理“ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風Tボーンステーキ)。このステーキで使われているのがキアーナ牛という独特のトスカーナ産在来種の白牛の牛肉です。霜降りにはならず。噛み締めるほど味わいが深くなるという特徴を持ちます。
 
 座席に着席した後、メニューを選ぶ前に特別に厨房に入れてもらい、厨房および切る前の1メートル近いビステッカを貯蔵するための大型の冷蔵室も説明つきで見学させてもらいました。牧場で手塩をかけて生育させたキアーナ牛を食肉工場で丁寧に処理してレストランに持ち込みます。レストランでは最も美味しい状態になるまで冷蔵庫で熟成させます。
 そして、注文が入った時点で、Tボーン付きの肉を勢いよく、分厚く叩き切ります。切ったばかりのキアーナ牛、合計3キロの肉を焼く前に、私達のテーブル席まで生肉を運んできて見せてくれました。
 
 パスタ、野菜サラダ、そして1.5キロのキアナ牛のTボーンステーキをミディアムレアとレアで焼き加減を変えて2つ注文して分けあって食べました。ビステッカは冷めないように、熱々の鉄板の上に乗せて運ばれてきました。赤ワインとの相性も抜群です。キアーナ牛の赤身肉は、ジューシーで、肉も柔らかく、皆で分け合って、合計3キロのビステッカを完食しました。食べ終わった後の鉄板には、正にTボーンステーキの名の通り、Tの字型の骨が残っています。
 
 詳しくは→http://www.ivc-net.co.jp/food/nakajima/foodlogue08.html

4.旅の情報:フィレンツェで空港と市内を結ぶトラムが開通


 
 2019年2月空港(PERETOLA AEROPORTO)と市内中心部のサンタマリアノベッラ駅を結ぶトラム2号線が開通しました。これにより空港から市内まで約20分で移動できます。トラムは午前5時から深夜12時半(週末は午前2時)まで運行されており、料金も現時点では1.50ユーロと大変お得になっています。これまではタクシーとバスしか移動手段がなかったことから、旅行者に取って朗報です。

5.あとがき

 クリスマスはカソリックの国イタリアでは最大のお祭りです。クリスマスが近づくと老いも若きもそわそわしはじめます。イタリアでは26日の聖ステファノの日も含めて3日間の連休となります。そのまま新年までお休みするケースも多いのです。次回はイタリアのクリスマスです。
ご意見・お問合せ・旅行のご相談は→info@ivc-net.co.jp
 イタリアでのビジネスや旅行は→こちらから
 メルマガバックナンバーは→こちらから