ローマから吹く風第53号
コンクラーヴェの開催されるシスティーナ礼拝堂

 
目 次
1.はじめに 夏のイチジク
2.コンクラーヴェの開催されるシスティーナ礼拝堂
3.干しイチジクのオーブン焼き
4.旅の情報:システィーナ礼拝堂からサン・ピエトロ大聖堂への抜け道
5.あとがき

1.はじめに 夏のイチジク

 古代ローマの頃から、ローマの人々に愛されているフルーツにイチジクがあります。イチジクのとれる7月から9月の間、ローマの人々はこのイチジクを楽しんでいます。その代表的なものとしては、生ハムとイチジクの組み合わせが有名です。生ハムの濃くのある塩加減とイチジクの甘さが、夏の暑さでバテた体に元気を補給してくれます。さらに最近人気なのが生ハムとイチジクをアレンジしたピッツァです。ローマではおやつになったりする普通のピッツァの生地をやや厚めに伸ばして、生ハムとイチジクをトッピングして塩とオリーブオイルを振って焼いたピッツァです。
 
 さらにたくさん穫れて余ったイチジクは干しイチジクにします。猛暑でイチジクはすぐに干し上がります。これをオーブン焼きにして、甘口の赤ワインを飲みながら、冬に暖炉を囲んで暑い夏のことを想い出すのが、ローマ流の楽しみ方なのだそうです。

2.コンクラーヴェの開催されるシスティーナ礼拝堂

 バチカン美術館の長い順路を回って、ラファエロの間を抜けると、ようやくバチカン美術館のハイライト、システィーナ礼拝堂にたどり着くことができます。システィーナ礼拝堂は、15世紀末に、古い礼拝堂をシクストゥス4世が建て直させた建物で、ルネサンス建築の代表作です。内部は数多くのフレスコ画で飾られていますが、とくに名高いのは、ミケランジェロの2点のフレスコ画、「システィーナ礼拝堂天井画」、祭壇壁画「最後の審判」です。「システィーナ礼拝堂天井画」は、天地創造、アダムとイブの人類創造と楽園からの追放などからなる旧約聖書の「創世期」9つのエピソードからなる天井画です。また「最後の審判」は、システィーナ礼拝堂の主祭壇後方の壁面に描かれた大壁画です。キリストの再臨と現世の終末を、天使に囲まれたキリストが生前の行いによって人々の魂を裁いている情景が描かれています。美術的に言えば「システィーナ礼拝堂天井画」職人であったミケランジェロが芸術家になったと言われる作品です。ミケランジェロは依頼主の教会の意向を無視して、隠し絵で科学的な表現を行っています。「最後の審判」はダイナミックな構図で、後のマニエリスムの始まりとなった作品です。
 美術的な価値を高く評価されているシスティーナ礼拝堂は、カソリック教会が果たす重要な宗教施設との側面を持っております。ローマ教皇選挙を意味するコンクラーヴェが開催されるのも、システィーナ礼拝堂となっています。コンクラーヴェ開催中にはシスティーナ礼拝堂の屋根に煙突が設置され、そこから排気される煙の色でコンクラーヴェの状況が告知される。投票によって新たなローマ教皇が選出された場合には、投票に使用された用紙が燃やされて白い煙があがることで知られています。
 
 バチカン美術館 (Musei Vaticani) は、ローマ市内にあるバチカン市国にあり、歴代ローマ教皇の収集品を収蔵展示する世界最大の美術館です。入口と出口が別になっており、通り抜けるだけでも1時間半はかかるという超巨大美術館です。バチカン美術館はミケランジェロ、ラファエロ、ベルニーニ…などルネッサンスの巨匠達が腕をふるった美術品だけでなく、建物も芸術作品です。ローマの訪問の際には是非訪れてみてください。
 
 バチカン美術館は→http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/vati.html

3.イタリアの家庭料理-干しイチジクのオーブン焼き

 初夏に取れたイチジクを干して、秋にオーブン焼きします。寒くなってきた季節の楽しみです。甘くておいしいイタリアの家庭の初冬の楽しみになります。手間はかかりますが作るのは至ってシンプルです。
<用意するもの>
 干しイチジク、アーモンド、月桂樹の葉、レモン、フィノッキオの実(月桂樹の葉とレモンの皮は細かく切っておく)。まな板に干しイチジクを乗せ、レモンの皮、月桂樹の葉、フィノッキオの実それぞれ少量を乗せ、アーモンドを一個乗せます。もう一個の干しイチジクを乗せて、ギュッと!押して離れないようにします。忍耐が続くまで作業を繰り返します。150度ほどに熱したオーブンで20分ほど。とても美味しいイチジクのオーブン焼きのできあがりです。イチジクの甘みはさらに上がり、アーモンドとその他の香りがハーモニーを奏でます。
 
 暖炉の前で、甘口の赤ワインなどと一緒に食べるイメージが湧いてきます。寒さも楽しくなってしまう。この作業が終わったら、雨が降って気温が下がってすっかり秋なっているのでしょう。
 
 干しイチジクのオーブン焼き→https://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/280.html

4.旅の情報:システィーナ礼拝堂からサン・ピエトロ大聖堂への抜け道

 最近、サン・ピエトロ大聖堂に入場するのに金属探知機の検査を受けなければならなくなり、大行列が発生しています。そのため1日で両方を見学するのには待ち時間を含めると1日がかりとなっています。
 
 2019年の7月より、1.5ユーロを支払うとシスティーナ礼拝堂からサン・ピエトロ大聖堂へ抜ける扉を通してもらえるようになりました。以前はガイドさんが団体のお客さんを引き連れて案内する際などに利用されていたとのことです。これにより一般の観光客も、この扉を利用して、大幅に見学時間を短縮できるようになりました。
 
 この手続きには事前登録が必要とのことで、詳しくはローマの観光ガイドさんと相談してみてください。

5.あとがき

 30年続いた平成の時代は終わりを告げ、令和の時代を迎えています。それ以前の60年以上続いた昭和の時代は、今や遠い記憶となっています。あまりよく知られていませんが、昭和天皇は戦争犯罪人に指定されることを避けるために、バチカンに接近していました。最近になってこれを示す様々な資料が公開されるようになっています。次回は昭和天皇とバチカンについてのお話です。
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