ローマから吹く風第52号
カエサルのフォロとイベント<フォロへの旅>

 
目 次
1.はじめに イタリアの夏のバカンス
2.カエサルのフォロとイベント「フォロへの旅」
3.フェッラゴーストの休日
4.旅の情報:ローマのストリートフード「干しダラのテンプラ」
5.あとがき

1.はじめに イタリアの夏のバカンス

 長年イタリアとつき合っていますと、夏の期間はバカンスでお店がお休みとなり仕事にならないことを思い知らされます。イタリア人のDNAにはまるでバカンスが埋め込まれているようで、誰もがバカンスを過ごすことに生き甲斐を見いだしているように思えます。仕事もバカンス前に終えないと、9月からやり直しになります。
 バカンスのピークとなるのが8月15日のフェッラゴーストお祭りです。イタリアでは「フェッラゴーストには事件を起こすな、病気になるな」と言われています。大勢のイタリア人が郊外に向かい大渋滞が発生します。アマルフィーのようなリゾート地の渋滞は、毎年何人が熱中症で病院に運ばれたかがニュースになっています。
 このことを知らない観光客は途方に暮れるのが、フェッラゴーストのお決まりです。前の晩は大晦日のような感じで、イタリアでは花火を打ち上げます。以前夏の夜に、ローマで花火に遭遇したのですが、今から思えばフェッラゴーストのお祭りだったのですね。

2.カエサルのフォロとイベント「フォロへの旅」

 フォロとはローマの公共広場のことです。カエサルのフォロは165m×75mあり、両側に騎士階級のオフィスがあり、国立図書館、学校が設置されていました。中央にはカエサルの騎馬像が置かれていたとのことです。フォロの奥には、神殿が設置されていました。祀られていたのは、カエサルの出身氏族であったユリウス氏族の祖とされる愛と美の女神ウェヌス (ヴィーナス)だったということです。
 カエサルのフォロはカエサルの都市計画の一貫として紀元前54年に建設が開始され、紀元前46年にはウェヌス神殿が完成しました。紀元前44年のカエサル暗殺で建設は一旦中断されますが、初代皇帝アウグストゥスに引き継がれ、完成します。その後の皇帝たちのフォロの先駆をなすもので、アウグストゥスもカエサルの威光を背景に、アウグストゥスのフォロを建設しました。ここにはその後も皇帝達がフォロを作ったことから、この地は皇帝達のフォロと呼ばれています。
<カエサルのフォロを使った催し物「フォロへの旅」>
  考古学者でジャーナリスト、文筆家、及びテレビ司会者もつとめるピエロ・アンジェラ氏の監修で作った映像を使ってカエサルのフォロを再現し、その解説を行う夜のイベントが4月17日から11月3日までトライアヌス帝の広場のそばで、行われています。現存する建物をスクリーンとして、遺跡として僅かな痕跡を残している建物、あるいは全く見えなくなってしまった建物を映写し、その場にいるような臨場感を体験できます。「ブルータス、お前もか」の有名な言葉を残して暗殺されたカエサルのフォロがあった場所(実際には少しずれている)で、弱体していた元老院から独裁制に持って行こうとしたカエサルの思考を、考古学の検証から追っていく催し物です。日本語のイヤフォンも用意されており、科学的な解説を通し、知的欲求にも応えるものです。入場料は15ユーロとなっています。
 
 詳しくは→http://www.viaggioneifori.it/

3.フェッラゴーストの休日

 イタリアには日本のお盆の中日にあたる8月15日に大事なお祭りがあります。カトリックの世界では8月15日は、Assunzioneと呼ぶ「聖母マリアの昇天祭」です。しかし「聖母マリアの昇天祭」は4世紀以降にキリスト教が公認されて以降に決められた祝日です。イタリア人の意識では紀元前のローマ時代から続くお祭り、フェッラゴーストとなります。
 フェッラゴーストの名前の起源はラテン語のFeriae Augustiで「アウグストゥスの休日」という意味です。アウグストゥスが決めた休日なのです。このアウグストゥスは、イタリア最大の英雄・カエサルの甥で、古代ローマの初代皇帝のことです。アウグストゥスの頃から、15日を中心に仕事も戦争も農作業も休止して、お祭りをしていました。農作業や戦争に使う動物を花で飾ったり、競争したりしていたそうです。その名残がトスカーナのシエナで8月16日に行われる「パリオ」という裸馬の競争です。
 イタリアでは「フェッラゴーストには事件を起こすな、病気になるな」とのことわざがあります。馴染みの弁護士さんもかかりつけのお医者さんも休暇をとっているからです。病院も医長さんも休みを取っています。かかりつけのお医者さんや小児科はインターンなどの代わりが待機します。この日はどこに行ってもお休みです。さすがにホテルは開いていますが、有名レストランは閉まっています。
 フェッラゴーストの一般的な過ごし方としては、アウトドアでピクニックとかリゾート地のレストランで外食です。熱心なカトリックの信者の人たちも教会に行ってミサをあげてもらった後、それほど熱心でない一般人に混じってフェッラゴーストのお祭りをします。そのため毎年ローマから郊外に向かう道は渋滞となります。アマルフィーのような片側1車線の道は大渋滞が発生して、毎年の渋滞の記録がニュースになります。イタリアの暑い夏の風物詩とでも言えるでしょう。

4.旅の情報:ローマのストリートフード「干しダラのテンプラ」

 長年ローマに住んでいて、やっと、やっと、来ました。小さな居酒屋程度の店で入り口付近にFiletti di Baccalaフィレット・ディ・バッカラの看板があります。普通のレストランではありません。パスタとか肉料理とか無く、ここは塩漬け干しタラのフィレにころもをつけて揚げる「フィレット・ディ・バッカラ」を食べるところです。
  一人一本づつ。短い方で15センチ位。値段は一本5ユーロ。15センチか20センチかは運次第。ローマっ子のダンナは「昔はもっと大きかった。これだけでお腹いっぱいになった」と不満そうでした。昔は、本当に売り物はこれだけだったそうです。いわゆるストリートフード。昔、お母さんとお買い物に行って、コロッケを買ってもらって熱々を食べながら歩きましたが、そんな感じ。今はテーブルに座ってブルスケッタの前菜とかサラダとかも注文できます。
 トリップアドバイザーを見たら評価が「油がネトネトでまずい」「すごく美味しい」といったように、すごく評価が分かれてました。私のバッカラはカリッと揚がってて美味しかったです。夕方、小腹が空いた時にバッカラだけ買って歩きながら食べるのがお勧めです。
 
<Filetti di Baccala>
 Largo dei Librari 88 Roma
 Tel:39 06 686 4018
 月から土 17:30 から23:00
 
 干しダラのテンプラは→https://www.ivc-net.co.jp/cult/wind/2018/316.html

5.あとがき

 システィーナ礼拝堂には、15世紀末に、シクストゥス4世が建て直させた建物で、ルネサンス建築の代表作。内部にミケランジェロの2点のフレスコ画、「システィーナ礼拝堂天井画」、祭壇壁画「最後の審判」があります。このシスティーナ礼拝堂は、単なる宗教施設ではなく、ローマ教皇の執務室の役割も果たしています。次回はコンクラーヴェの開催されるシスティーナ礼拝堂です。
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