ローマから吹く風第49号
聖なる愛の教会/5月1日は空豆の日

 
目 次
1.はじめに 聖ジェンナーロのお祭
2.聖なる愛の教会
3.メーデーのバーベキュー
4.旅の情報:カンポ・デ・フィオーリ
5.あとがき

1.はじめに 聖ジェンナーロのお祭

 ナポリには、守護聖人・聖ジェンナーロのお祝いをするお祭りがあります。聖ジェンナーロはディオクレティアヌス帝により、西暦305年に斬首刑に処せられました。信徒がこの際に流れた血を保管したと言います。9月19日のお祭りの日には、固化した血が液化します。この奇跡を見ようと、多数の善男善女が集り、大変なにぎわいになります。 ことの真偽は別として、このような民俗信仰がいまなおイタリアでは生きているのです。

2.聖なる愛の教会

 ローマ南端の郊外にある聖地で、聖母の奇跡で有名な所。Divina d'Amoreは聖なる愛とでも訳したらよい教会があります。聖母のイコンがあって巣鴨のとげ抜き地蔵みたいな感じで「病気を治してください」式のお願いをしにローマだけではなくイタリア中からカソリック信者がやってきます。巡礼の地にもなっています。言ってみれば現世ご利益の庶民のお寺。奇跡のおかげで治った人が収めた奉納品が展示してあります。18世紀の終わりに最初の奇跡が起こった塔の隣に建てられた教会が建っています。
 
 舅の後妻の一周忌で、ミサにやってきました。仏教のような一周忌法要ではなく、一般ミサだけど、申し込んでおくと始めと終わりに故人の名前を呼んでもらえて、その故人にミサを捧げますと言ってもらえます。熱心なカトリック教徒はお寺と檀家のように、住居のそばのおなじみの教会を持っています。舅の後妻もお馴染みの教会をがこの「聖なる愛の教会」でした。ここは季節の良い日に散歩も兼ねてよくやってきていました。
 ここには奇跡を受けて治った人が納めた松葉杖が並んでいます。奇跡のおかげで治った人が収めた奉納品です。この奉納品の中で特に目立つのが、1928年に北極へ探検したウンベルト・ノビレ一行の飛行機が氷の中に墜落した際に使った無線のヘッドフォン。無線も故障してSOS発信もできなかったのに、18日後、この聖母に祈願したところ、無線が通じて救助を呼ぶことができたということで奉納されています。この事故は、救援を待つノビレ一行が赤いテントを張って空からの救援を待ったことから、1969年には「La tenda rossa(赤いテント)」ということで映画にもなり、20世紀はじめの大遭難事件として人々に記憶されています。
 
 イタリア中から巡礼に来るので、今日参加したミサをおこなった古い教会では手狭になってしまって、大きなモダンな教会もできています。周りは気持ちのよい野原。巡礼のついでにピクニック。巡礼はともかくピクニック。祈って奇跡をもたらされなかった場合は何も奉納しないわけだから、ここの奉納品を見ると100%奇跡が起こるような感じを受けます。 「奇跡」は偶然の産物なのか、気休めなのか、何かあるのか… それを解明するのではなく、なにか大きなものに心の拠り所を置くことができるのは、悪くないと思います。
 
 聖なる愛の教会は→https://www.ivc-net.co.jp/ cult/kaze/287.html

3.メーデーのバーベキュー

 5月1日のメーデーは共産党が強かった時代の名残か、イタリアでは国の祭日です。この日は普通のイタリア人にとって、春たけなわの時であり、野外でわいわい飲み食いするのがローマの習慣です。友だちがMIdoromaさんの家に集まって、今回はちょっと少なめで総勢9名のお昼ごはん。それぞれが何かしら持ち寄って、"花曇り"の中で野外炭火焼バーベキューをしました。
 
 メインは炭火焼の肉。豚の挽肉腸詰め(Salsiccia)と豚の挽肉腸詰め+唐辛子(Salsiccia piccante)。これはよく買い物に行く肉屋さんで購入。大型肉屋さんで、自社で養豚場を持っている。産地直送、店で精肉。安くて美味しい。肉をバーベキューで焼く大事な仕事は舅の役目。数年前は、我々の友だちと一緒にご飯を食べようというと、躊躇してたけど、最近は喜んで参加してくれる。これは、我々が舅に近づいているのだ…と思います。
 本日の本当のメイン、空豆さん。メーデーにはそら豆と羊のチーズを食べるのがローマのお約束。若いそら豆で生で食べるのが美味しいです。空気が冷えてきたので、結局屋内へ。ここで食後酒を飲みつつ、暖炉を囲んでアホ話をしてリラックスしました。さ、春の食事会も一段落するので、これからダイエットをします。
 
 メーデーのバーベキューは→https://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/296.html

4.旅の情報:カンポ・デ・フィオーリ

 イタリア中どこへ行っても、その土地で作られるチーズとワインがあり、森の味キノコがあります。そして、各種の季節の野菜があります。ローマで言えば、春のブロッコリ、チコリ、ローマンアーティーチョーク、アスパラガス、新ジャガ。夏の各種トマト、ナス、ズッキーニ、かぼちゃの花。秋のかぼちゃ、きのこ。冬のプンタレッラなどなど。これらが並んでいるのがどこの街にもあるイタリア庶民の台所メルカート(市場)なのです。生の食材は持って帰ることができませんが、見ることは出来ますし、レストランやアグリツーリズモで味わって帰っていただくことができます。
 
 ローマの街の中心部にあるカンポ・デ・フィオーリ(Campo de'fiori)市場には新鮮な野菜や果物、魚、花などを売るたくさんの屋台があります。この広場にはデリカテッセン、ワインバー、バールなども数多くあります。ルネッサンス時代の建物に囲まれた広場に建つ朝市は、青 空の下に並ぶカラフルなテント、色とりどりの旬の野菜や果物が、いかにもヨーロッパ、な雰囲気です。ナヴォーナ広場、パンテオンなども至近距離。観光ついでに寄れるので、観光スポットにもなっています
カンポ・デ・フィオーリ広場(Piazza Campo de' Fiori)(ナヴォーナ広場から、コルソ・ヴィットリオ・エマヌエレ大通りを渡ってすぐ)
 日時:月曜から土曜 午前7時から13時半まで

5.あとがき

 今年(2019年)の4月をもって、30年にわたる平成の時代が終わりました。もうすでに遥かに昔となった為か、最近になって昭和天皇に関する様々な資料が公開されています。この資料の中には、戦犯に指名されるのを避ける為に、昭和天皇が助けを求めようとしたバチカンとの間の書簡があったことが記録されています。次回は昭和天皇とバチカンのお話です。
ご意見・お問合せ・旅行のご相談は→info@ivc-net.co.jp
 イタリアでのビジネスや旅行は→こちらから
 メルマガバックナンバーは→こちらから