ローマから吹く風第48号
トスカーナを愛した堀文子さん

 
目 次
1.はじめに イタリアのおばさん
2.堀文子さんの「トスカーナの花野」
3.春を告げるカルチョーホ(アンティチョーク)祭り
4.旅の情報:ローマの旧市街にある地下鉄の3駅が使えません
5.あとがき

1.はじめに イタリアのおばさん

 30年以上前、当時は格安のソ連のアエロ・フロートでイタリアに通っておりました。モスクワからの便はイタリア人観光客で一杯になっていました。旅のつれづれなのか隣にいたイタリア人のおばさんが盛んにイタリア語で話しかけてきます。イタリア語はまったくわからなかったので、英語、フランス語を総動員して話しに応じますが、さっぱり通じません。でもニコニコしながらおばさんは納得顔で、話しを続けます。結局、何にもわからなかったのですが、おばさんはイタリアを楽しみなさいとお節介してくださっていたようです。イタリア人って本当に陽気で明るいのだとつくづく思いました。
 
 堀文子さんの「トスカーナの花野」を読んでいて、陽気で明るい地元のお手伝いのおばさんの話しが出ています。堀さんもイタリアの庶民おばさんと交流していて、同じことを感じていられたことを知りました。堀文子さんのご冥福をお祈り致します。

2.堀文子さんの「トスカーナの花野」

 今年(2019年)の2月5日に日本画家の堀文子さんが100歳で亡くなられました。この堀さんが70歳近くになってアトリエを開いたのが、中部イタリアのアレッツォでした。その作品は画文集「トスカーナの花野」「トスカーナのスケッチ帳」としてまとめられており、堀さんの後期の作品として人気の高いものとなっています。
 
 堀さんが一人でのイタリア生活を思い立たれたのは1987年ということですから69歳のことでした。これだけでも十分驚きですが、その時点では全くイタリア語を解することなかったとのことです。そのため多くの日本人留学生が通うペルージャの外国人学校に行かれていたようです。70歳近くになっても、平穏無事な「古い水を捨てなければ新しい水は汲めないではないか」という堀さんのチャレンジ精神には、本当に頭が下がります。
 堀さんがお住まいになったのはイタリア貴族の末裔アルベルゴッティ氏のヴィッラでした。現在はアグリツーリズモという形式のホテルになっており、宿泊が可能です。アグリツーリズモ・アルベルゴッティのホームページは以下のようになっています。
 https://www.villaalbergotti.com/en-gb
 
 堀さんが長く滞在されていたころのお部屋は3階のお部屋で、ホームページの「PHOTO」の、白い壁・緑の窓の建物です。「PHOTO」にいろいろな部屋の写真がありますが、あちこちに堀さんのスケッチや版画などがかけてあります。ホームページのトップページに出てくる並木道はスケッチにも多く描かれています。堀さんは、当時はその周りでスケッチをして過ごすことがほとんどだったそうですが、買物や所用で、バスで街に出たりなさっていたとのことです。
 
 「トスカーナの花野」「トスカーナのスケッチ帳」では白、赤、黄、紫、桃色、青、黄緑といった色とりどりのトスカーナの花たちが描かれています。とくに目立つのが4月から6月に咲き乱れている春の花々です。これは天国に通じているのではないかと堀さんが感じたことが記されています。ここにはいまなお美しいトスカーナの花野が息づいています。(合掌)

3.春を告げるカルチョーホ祭り

 4月はカルチョホ(アーティチョーク/朝鮮アザミ)の旬。正確に言うと、カルチョーホの中でもロマーノと呼ばれる球形の種類の旬。ロマーノの産地、ローマ近郊のラディスポリでカルチョーホ祭りがあるといよいよ春もたけなわというわけです。
 
 昔はカルチョーホだらけの祭りだったのだけど、今やどこもそうした特産品の祭りはいろんな屋台が並ぶマーケットみたいになっている。「マーケット」部分の末尾はカルチョーホを売る農家直売の屋台が続き、そして広場につながっている。そこではテーブルが並び、人々が何やら興奮気味に、ざわめいてます。昔は、無料だった上にフライだけではなくいろんなカルチョーホ料理を楽しめた。それでもこんなにたくさんのカルチョーホを一同に見る事、そしてたくさんの人が一度にカルチョーホに関わっているのを見るのは祭りならではのこと。
 屋台と言っても大きなテントを張った大掛かりな屋台。おばさんからカルチョーホを受け取ったテーブルの後ろに大釜が見えます。巨大な釜でカルチョーホを揚げています。カルチョーホをきる人、小麦粉をまぶす人、様々な人がいて、みんな楽しげです。
 
 最後はレストランで仕上げ。ラディスポリの街のレストランは、この祭りの期間(金土日の三日間)は一律20ユーロでカルチョーホ尽くしのコースを提供しています。
 カルチョーホ祭は→https://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/270.html

4.旅の情報:ローマの旧市街にある地下鉄の3駅が使えません

 地下鉄A線のREPUBBLICA(レプッブリカ)、 BARBERINI(バルベリーニ)、 SPAGNA(スパニャ)の3つの駅が、エスカレータの故障のため使えなくなっています。テルミニ駅の次から三つ続けて閉まってます。どの駅も観光客にとって利用頻度の高い駅です。とくにスパニャ駅などはテルミニ駅からスペイン階段に行こうとする観光客が一番使う駅です。
 
 ことの始まりは年初のイタリア対ロシアの親善試合で、ロシアのサポーターがスパニャ駅のエスカレータの上で飛び跳ねたことが原因とされていますが、そのあとのレプッブリカ駅、バルベリーニ駅のエスカレータ故障の説明にはなっていません。日本だと翌日には修理が終わるのですが、3ヶ月たっても駅は開場されていません。
 
 堀さんが長く滞在されていたころのお部屋は3階のお部屋で、ホームページの「PHOTO」の、白い壁・緑の窓の建物です。「PHOTO」にいろいろな部屋の写真がありますが、あちこちに堀さんのスケッチや版画などがかけてあります。ホームページのトップページに出てくる並木道はスケッチにも多く描かれています。堀さんは、当時はその周りでスケッチをして過ごすことがほとんどだったそうですが、買物や所用で、バスで街に出たりなさっていたとのことです。
 
 テルミニ駅から地下鉄でスペイン階段へ行きたい人はスパニャの次のフラミニアで降りて徒歩でポポロ広場を通ってバブイーノ通りを下っていくことになります。ふつう歩ける距離ではなく、この3駅を利用する地下鉄利用者は大いに困っているところです。ローマ観光に行かれる方は、是非このことを頭に入れておいてください。

5.あとがき

 ナポリでは、いまなお4世紀に切られた聖ジェンナーロの血が、9月19日の守護聖人の日に液化するという奇跡が信じられています。ローマにも奇跡を起こす教会があり,イタリア全土から善男善女が巡礼に集ってきます。次回はこの聖なる愛の教会です。
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