「天使と悪魔」の舞台となったローマ/聖年と大聖年

 
目 次
1.はじめに P2(Propaganda Due)
2.映画の中のローマ 天使と悪魔の舞台となったローマ
3.聖年と大聖年
4.旅の情報:大都市の駅のホームはチケットがなければ入れなくなりました
5.あとがき

1.はじめに P2(Propaganda Due)

 ダン・ブラウンの小説「天使と悪魔」はバチカンを巡る陰謀の物語です。この小説を読んでいるとバチカン資金の不正洗浄を巡るP2(Propaganda Due) 事件を思い出してしまいます。P2とはベルルスコーニ元首相も加盟していたフリーメイソンのロッジのことです。不正洗浄に関わった銀行のP2加盟の頭取が、ロンドンのテムズ側の欄干に首つり死体で発見され物議をかもしたものです。さらにP2は赤い旅団の犯行とされるモロ首相殺人事件(1979年)や日本人の関口イワオさんが犠牲になったボローニャ駅爆破事件(1980年)に関係したと言われるなど、まさに「事実は小説より奇なり」を地でいった、いまだ真相不明のイタリアの闇の物語です。1978年に在位33日で逝去されたヨハネ・パウロ1世はいまでもP2が関与した暗殺説が言われつづけています。このような真相不明の部分があるからこそ、バチカンが小説のネタになるのかもしれません。

2.映画の中のローマ 「天使と悪魔」の舞台となったローマ」

 「天使と悪魔」は、法王選出のための会議・コンクラーベのさなかに、秘密結社のイルミナティが起こすバチカン枢機卿連続殺人を阻止しようと主人公(ラングドン教授)が謎を隠された次の4行詩に基づき、それぞれが象徴する土、空気、火、水から謎を解明して行く物語です。
 
・ 悪魔の穴開くサンティの土の墓より(土の象徴)
・ ローマに縦横にあらわれる神秘の元素(空気の象徴)
・ 光の道が敷かれ聖なる試練あり(火の象徴)
・ 気高き探求に天使の導きあらん(水の象徴)
「悪魔の穴開くサンティの土の墓より(土の象徴)」の関連する場所
 パンテオン:第一のヒントとなったサンティ(ラファエロ)の墓があります。
 ポポロ教会:カッペラ・デッラ・テッラ=土の礼拝堂と呼ばれたキージ家の礼拝堂があります。ルネッサンス時代の銀行家キージ家の礼拝堂には、秘密結社イルミナティを象徴したといわれる彫刻「ハバクと天使」像があります。
 
「ローマに縦横にあらわれる神秘の元素(空気の象徴)」の関連する場所
 サンピエトロ広場:サンピエトロ広場の中央にある風のレリーフには「ウェスト・ポネンテ」があります。実際には風のレリーフは15カ所配置されています。
「光の道が敷かれ聖なる試練あり(火の象徴)」の関連する場所
 バルベリーニ広場:バルベリーニ広場の北側にある半人半魚の海神トリトーネの噴水は、ベルニーニの支援者だったバルベリーニ家の紋章を象徴した噴水です。
 サンタマリア・デッラ・ヴィットリア教会:天使と悪魔の小説では、神が降臨して忘我の状態に陥った聖女テレザ題材としたベルニーニの彫刻・聖女テレザの法悦の中で、天使が向ける火の矢が謎を解く鍵となっています。
 
「気高き探求に天使の導きあらん(水の象徴)」の関連する場所
 ナボーナ広場:ナボーナ広場のベルニーニの水を讃える4大河の噴水は、ガンジス、ナイル、ラプラタ、ドナウ川を象徴しています。
 
暗殺者が隠れていたサンタンジェロ城
 天使と悪魔の小説では、サンタンジェロ城の正面の橋にはベルニーニによる12体の天使像があると書かれています。実際には天使は10体で、2体は2大使徒の聖ペテロと聖パウロです。
 2006年に映画が公開された頃はこれら舞台となった場所を巡るツアーが大人気でした。当時は「天使と悪魔」専門のガイドもいて、ツアーが大盛況だったことを思い出します。

3.聖年と大聖年

 聖年とはカソリック教会が定めた「ローマ巡礼者に特別な赦しを与える」年のことです。25年ごとに定められています。正直なところ、未だにこんな年があるのだという感じもしますが、1400年から続くカソリックの伝統行事です。
 「赦し」を得る条件がローマの巡礼=訪問ですから、聖年は敬虔なカソリック教徒が大勢ローマに集ってきます。信者でない人たちにとっては、ホテルは取れないし、街中大混雑なので避けたいところです。当然、必ず訪れるサンピエトロ大聖堂はカソリック教徒で溢れています。特に観光関係の方は、イタリアを訪問されても、ローマに立ち寄らないことをお勧めします。
 この聖年の中で最も重要なのが=ごリヤクがあると言われているのが、ミレニアムごとの大聖年です。最近では2000年が大聖年にあたりましたが、大聖年はカソリックの長い歴史の中で、ようやく6回目でした。次回は2100年なので、このメルマガの読者の方は余程のことがなければ、体験できないと思います。ちなみに次回の聖年は2025年とあと7年になっていますので、こちらでお赦ししていただくようにしてください。

4.旅の情報:大都市の駅のホームはチケットがなければ入れなくなりました

 イタリアではこれまで列車では日本のような改札がなく、したがってチケットは車掌さんが検札の際に確認する仕組みになっていました。つまりホームには誰でも立ち入れて、最後の別れを惜しむことができたのです。
 
 ところがイスラム過激派のテロがヨーロッパ各地で発生したことから、ホームでの爆発物の持込みなどを懸念して、ホームに人が溢れないようにするため、チケットのない人のホームへの立ち入りが禁止されるようになりました。ようは改札されるようになったのです。この措置はローマやミラノ、フィレンツェといった大都市の中央駅で導入されています。
 
  日本人にとっては普通の制度なので、気になりませんが、いままでホームで待ち合わせをされていた方は注意が必要です。

5.あとがき

  ローマの中心街を南北に走るコルソ街より西側の部分、これをヴェッキア(古い)・ローマと呼んでいます。このヴェッキアローマ地区の西側、テベレ川を挟んだ地区はこの地区はルネサンス時代の宮殿などが建ち並ぶローマルネサンスの宝庫です。次回はヴェッキアローマ地区にある宮殿を紹介します。
 
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