イタリアの陶芸/ ペテロをつないでいた鎖

 
目 次
1.はじめに
2.イタリアの陶芸
3.アンジェラの陶芸ショップ
4.ペテロをつないでいた鎖
5.あとがき

1.はじめに

 先日、日本の民芸の元祖・柳宗悦(大正時代に活躍)の蒐集品をベースにした日本民芸館を訪ねてみました。展示品には、日本各地の工芸品のほか朝鮮・中国の陶器が並んでいました。それだけでなくヨーロッパの陶器が並んでいました。陶器は東洋のものというのは思い込みで、16世紀には広くヨーロッパで作られていました。伝統を継承しながら引続き新しい陶器作りが行われているという意味では、むしろヨーロッパの方が進んでいるのかもしれません。その中でイタリアではジノリといった世界的なブランドまで生まれています。
 
 日本民芸館にはイギリス人の陶芸家バーナード・リーチの作品も並んでいました。バーナード・リーチはヨーロッパと東洋の陶芸を結んだ陶芸家だったのですね。本号で紹介したローマの陶芸家アンジェラさんも、日本の陶芸のことはご存じなかったのですが、バーナード・リーチのことはご存じだったことを思い出しました。

2.イタリアの陶芸

 イタリアの陶芸
 
 中世の手描き陶器のマヨルカ焼きに起源を持つイタリアの陶器は、イタリアの伝統工芸として受け継がれており、今でもイタリア各地で陶器の生産が行われています。伝統工芸として有名なヴェネチアン・グラスは、工賃が安くすむことから、どんどん中国製となってしまっています。その中で、シチリアのカルタジローネとナポリの近くのヴィエトリで作られている陶器は、中国製の進出が少なく、今もなお伝統技術が継承されています。
<ヴィエトリの陶器>
 ナポリのあるカンパーニャ州のお土産屋さんで良く見かけるカラフルな陶器を一手に販売しているのがアマルフィー海岸にあるヴィエトリの陶器です。基本は手描きの1点ものの陶器です。そのモチーフは1930年代に生まれたポップでかわいいもので、当時のアマルフィーの輸送手段であったロバや、魚やタコがモデルとなっています。現在もこの流れを汲みつつ、現代の感性にあったものが産み出されています。
 
 この街は、15世紀から地中海貿易の拠点として陶器を生産してきました。町中がカラフルな陶器であふれ、街歩きすると発見の連続です。いまでもここから国際的なアーチストが生まれ、ヴィエトリの名前を世界に高めています。
 
 詳しくは→http://www.ivc-net.co.jp/cult/kaze/248.html
<カルタジローネの陶器>
 大階段の花祭りで知られるカルタジローネは、イタリアの陶器生産の街としても有名です。ギリシア時代から陶器生産が行われていたカルタジローネでは、9世紀頃からアラブよりマヨルカ焼きの技術が導入されました。このマヨルカ焼きの技術がカルタジローネを経由してイタリア各地に広まり、イタリア陶器の起源となっています。
 
 カルタジローネ産の陶器の伝統的な色遣いは、青、緑、黄色の3色です。町には工房を兼ねた陶器屋がたくさんあります。職人が絵付けしているその場で、陶器を買えることもカルタジローネの特色です。現在も代々受け継がれた伝統的な技法で陶器が生産されています。

3.アンジェラの陶芸ショップ

 陶芸ショップ「Le Terre di AT」に入ると、太陽の輝きに触れます。アンジェラの笑顔です。「土からできる陶芸って生活にとてもなじむものよね。ここで売っているものは、どれもこれも使ってもらうためにあるのよ。アクセサリーはもちろん、電気スタンドも、茶碗も花瓶も飾るだけじゃなくて使ってほしいわ。使いながらそれが家の中の装飾になるわ。」これが新進陶芸家アンジェラ・トルチーヴィアのコンセプトです。
 
 小さな工房の入り口は全部ガラスで光を一杯に取り入れます。?明るい店にアンジェラの笑顔と色とりどりの陶芸作品が並んで、お花屋さんのよう。「イタリア的」というのは明るい色彩の集まりのこと…と思うのは誤解だと、アンジェラの店で習います。渋くて美しい色彩の「使える」陶芸に魅了されます。
 
Le Terre di AT
住所:Via degli Ausoni, 13 00185 Roma Italia、
電話番号:06-491748

 
 詳しくは→http://www.ivc-net.co.jp/shop/angela/index.html

4.旅の情報:ペテロをつないでいた鎖

 洋の東西を問わず、聖なる遺物にあやかり功徳を貰おうとする庶民の姿は変わりません。カソリックの中心地、ローマには様々な聖遺物があります。特にキリストの一番はじめの弟子で、イエスの名により奇跡的治癒を行い、ローマで殉教した聖ペテロ(ピエトロ)。聖ペテロはカソリック教会では、初代の教皇とされており、その遺物は聖遺物として重要なものとなっています。
 
 当時の皇帝ネロは、皇帝の意向に逆らい布教を続ける聖ペトロを捕らえ、ローマのマメルティーノ牢獄に閉じ込めます。ところが聖ペテロは監視の二人の騎士をキリスト教に導き、二人は密かに聖ペトロを逃します。逃れる途中でイエスの声を聞いた聖ペテロはローマに戻り、逆さ磔にされて殉教します。
 サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会は、聖ペテロ(ピエトロ)がエルサレムの獄中でつながれていた鎖とローマのマメルティーノ牢獄につながれていた鎖で捕らわれていた時の鎖を祀るために5世紀に建てられた教会です。聖遺物の鎖は主祭壇の下に収められています。鎖は毎年8月1日に信者に開帳されており、この当日には多くの信者が参拝に訪れています。
 
 クリスチャンのローマは→http://www.ivc-net.co.jp/guide/rome/cristian.html

5.あとがき

 パレスチナで生まれたキリスト教は、ローマに伝わり世界宗教化していきます。この役割の一端を担ったのが、キリストの復活にも立ち会ったマグダラのマリアと言う女性です。マグダラのマリアは聖書の中ではほとんど記述がない女性です。その理由としては彼女が改悛した罪深い女性、娼婦であったからとも言われています。ローマのサンピエトロ寺院の中にあるピエタ像はミケランジェロの最高傑作です。この彫刻「ピエタ」は死せるキリストを抱きかかえる聖母マリアの嘆きを表現したものと言われています。しかしミケランジェロの「ピエタ」のマリア像はマグダラのマリアではないかとの印象を持った人が多いのです。ミケランジェロのピエタとローマの切り売りピッツァのお話を紹介します。
 
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