メールマガジン"ローマから吹く風"第24号:エノガストロミーツアー1/地元の美味しいものを味わう旅

 
目 次
1.はじめに エノガストロミーツアーとは
2.サンジミニャーノのワイナリーで満喫する地元の味
3.フィレンツェ、カッシーネの市場
4.ジェラートを発明したブォンタレンティと伝統のジェラート・ブォンタレンティ
5.あとがき

1.はじめに エノガストロミーツアーとは

 日本ではまだあまり知られていませんが、ヨーロッパではエノガストロミーツアー ― 風土の美しさを眺めるだけでなく、それぞれの地域の食文化に根ざした食材を食して五感をより豊かなものにする旅行 ― が人気を集めています。

 「エノガストロミー」は、ワインを意味するENO(エノ) と GASTRONOMY(ガストロノ ミー)美食学、料理法、食習慣を合わせた造語です。エノガストロミーツアーは、その土地土地の風土の美しさを眺めるだけでなく、それぞれの地域の食文化に根ざした食材を食して五感をより豊かなものにする旅を意味します。

 ヨーロッパではこのエノガストロミーツアーが人気を集めており、「ワイン」「グルメ」「自然環境」 「景観」「文化的、伝統的行事」が重視されます。イタリアで人気の訪問地はトスカーナ、ピエモンテ、ベネト、ウンブリア、プーリア州です。第24号ではフィレンツェの観光ガイドの中島洋子さんがトスカーナ地方のエノガストロミーツアーを紹介します。

中島さんのエノガストロミーツアー→http://www.ivc-net.co.jp/food/toscana/foodlogue.html

2.サンジミニャーノのワイナリーで満喫する地元の味

 フードコーディネータの中島洋子さんが中世の塔の町で世界遺産となっているサンジミニャーノにある家族経営のワイナリーPodere la Marronaia(ポデーレ・ラ・マッロナイア)をお客様と一緒に訪れました。そもそもワインは地元の料理に合わせて作られているお酒です。地元料理を味わうことによりそのワインの持つ特長が最も生かされるのです。このワイナリーではそういった地元料理を提供してくれます。

 ここではメインの料理としてサンジミニャーノ特産のサフランの料理と同地の属するトスカーナ地方の黒トリュフの料理をいただきました。サフランの料理はサフランのブルスケッタ、サフラン風味の夏野菜の炒め物で和えたタリアテッレを選びました。黒トリュフの料理では黒トリュフのブルスケッタ盛り合わせ、黒トリュフと松の実のタリアテッレ、黒トリュフのスライスを乗せた目玉焼きとポテトの付け合わせをいただきました。これに加えて、地元特産のサラミの盛り合わせ、それにペコリーノチーズの3種盛り合わせ蜂蜜かけをいただきました。もちろんみんなでお皿をシェアします。

 最後に生クリームベースのフィオーリ・ディ・ラッテと呼ばれるジェラートにアーモンド入りの固焼きビスケットが二つ添えられて出てきました。食事の締めくくりに、甘口の琥珀色のヴィンサントです。ヴィンサントはイタリアのデザート・ワイン。 「聖なるワイン」と呼ばれ、 トスカーナ地方の代表的な食後酒です。トスカーナ名物の固焼きビスケットであるカントゥッチをヴィンサントに浸しながらいただきました。

 このワイナリーで試飲するワインは全てオーガニックです。通常のワイナリーでは、このワインにはこの料理が合うという説明だけを聞いてパンに回しかけたオリーブオイルをつまみに試飲しますが、ここではワイナリーが提案するそれぞれのワインに適した料理が実際に運ばれてきてワインと料理の融合を味わってみることで、作り手が伝えたかったワインの良さや美味しさがよりはっきりします。

詳しい訪問内容は→http://www.ivc-net.co.jp/food/nakajima/foodlogue01.html

3.フィレンツェ、カッシーネの市場

 フードコーディネータ中島洋子さんが、フィレンツェ市内の食材探訪ツアーとしてお客様をカッシーネの市場にご案内しました。

 フィレンツェの街中を横切るアルノ川に沿って広がるカッシーネの森。カッシーネの森の入り口付近から中央付近まで川沿いの歩道に沿って、フィレンツェ最大のカッシーネの市場が毎週火曜日の午前中に開催されています。食料品や野菜・果物等を初めとして、日用品や衣類、ファッション小物まで売られています。また屋台が並んでおり、お腹がすいたら屋台でパニーニや、たくさんある具から好みの具を選んでパンに挟んでもらえるハンバーガーなどが3〜5ユーロ程度で食べられます。

 出店で売っているものは、スーパーと似通っていますが、安く、種類も豊富で、旬の新鮮な野菜やこだわりの食材を手に入れたい人にお薦めです。市場でのお薦めは、八百屋やペコリーノチーズの出店、イタリア野菜の種や苗、揚げ物の出店、豚の丸焼きの出店など各種、食に関するお店を見て回ること。トスカーナの食材の豊かさを実感できます。気持ちの良い川沿いの市場を歩きながら、食材についての説明を聞いて学び、出店で味見をするのも「エノガストロノミーツアー」の醍醐味です。

詳しい訪問内容は→http://www.ivc-net.co.jp/food/nakajima/foodlogue07.html  

4.ジェラートを発明したブォンタレンティと伝統のジェラート・ブォンタレンティ

 時は1595年のこと、フィレンツェのべルヴェデーレ要塞完成の祝賀会で、ベルナルド・ブォンタレンティが卵黄、蜂蜜、牛乳、ベルガモットやレモンやオレンジの皮で風味づけしたワインを使ったジェラートのレシピを考案して宴会の席で出したそうです。また1600年にマリア・デ・メディチ(Maria de’Medici)とフランス王アンリ4世(Henri IV)の婚礼の際に国内外の主賓客にブォンタレンティ考案のクリーム系のジェラートを出したとされています。このような記述からベルナルド・ブォンタレンティがジェラートの発明家と考えられています。

 1979年になるとブォンタレンティのジェラートコンテストが開かれ、生クリームを主原料としたフィレンツェのジェラート屋Badianiが優勝しました。配合は各店で異なるものの、砂糖、牛乳、卵、クリームのシンプルな食材で作られた『ブォンタレンティ(Gelato Buontalenti)』または『クレーマ・フィオレンティーナ(Crema Fiorentina)』という名前の美味しいジェラートを今日でもイタリアのジェラート屋で食べることができます。このコンテストは現在でもジェラート・フェスティバルという形で毎年開催されています。

 ブォンタレンティ紹介の締めくくりとして、美味しいブォンタレンティのジェラートを手作りしているフィレンツェ市内のジェラート屋を1軒ご紹介します。お店の名前は、アンティカ・ジェラテリア・フィオレンティーナ(ANTICA GELATERIA FIORENTINA)です。フィレンツェ中央駅から近く、中央市場からも徒歩1分と地の利の良い場所に店を構えています。2010年からフィレンツェで始まった記念すべき第1回ジェラート・フェスティバルとその翌年に出店したそうです。中島さんは第1回目のジェラート・フェスティバルで、食べて以来濃厚でありながらも食べた後に重さが残らないアンティカ・ジェラテリア・フィオレンティーナ(ANTICA GELATERIA FIORENTINA)のジェラートのファンだということです。

<ANTICA GELATERIA FIORENTINAのDATA>
 住所:Via Faenza 2a, Firenze
 TEL:39 3208485018
 Mail:info@gelateriafiorentina.com

詳しい訪問内容は→http://www.ivc-net.co.jp/food/nakajima/foodlogue03.html  

5.あとがき


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 エノガストロミーツアー ― 風土の美しさを眺めるだけでなく、それぞれの地域の食文化に根ざした食材を食して五感をより豊かなものにする旅行 ― はこれからの旅の楽しみ方の一つです。是非このツアーを通して、イタリアの陽気な人々やカルチャーに触れてみてください。そこには通常の観光地のツアーでは見えなかった日本も学ばねばならない人間らしい豊かな文化があることが分かります。

 次回はエノガストロミーツアーのその2として、中島さんが「世界一のビフテキ」「フィレンツェ市内の食材ツアー」「サンジミニャーノ散策」を紹介します。

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