イタリアの祝日・お祭り、フェスティバル

 ローマ人は、イベント好きで、仕事より、イベントを優先します。知合いのイタリア人ドライバーは、借金を抱えて、アップアップなのですが、いくらギャラを積んでも、大晦日の夜は仕事をしてもらえません。大晦日の夜は1年に1度の大騒ぎするお決まりの日なのです。世界に冠たるカソリックの国のお祭り大好き・イタリア人の1年を紹介します。

 以下でご紹介した春の聖体拝受と秋のサグラを除くとすべてお休みの日です。これ以外にその街ごとに守護聖人の日があります。この日はその街だけがお休みの日になります。ローマは聖ペトロで6月29日、ミラノは聖アンブロシウスで12月7日、フィレンツェは洗礼者ヨハネで6月24日となっています。フィレンツェではこの日に古式サッカーが開催されます。


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<12月25日:クリスマス>
24日のイブは夕食が正餐、クリスマスは昼食が正餐。 クリスマスは家庭で、が、モットーのイタリアであるが、昨今はレストランへ出かける家族が増えて、道はあらゆる方角が混雑しています。
<12月26日:聖ステファノの日>
エルサレムでの最初の殉教者、聖ステファノの日。ヨーロッパの多くの国でも祝日です。クリスマスがこれで終わったと思ったら大違い。聖ステファノのお祭りでクリスマスに続いて国の祭日。ごちそうが3日間続きます。3日連続は厳しいです。
<12月31日:聖・シルベストロの日>
皇帝コンスタンティヌスがキリスト教を公認した直後に教皇に選ばれた、第33代のシルベストロ教皇を記念する日。カウントダウンしながらスプマンテを抜きます。大騒ぎするのがイタリア流。締めは花火とレンズ豆。みんなで大騒ぎする年に一度のお祭りです。でもナポリの花火にはご注意。毎年けが人が出ると言われる激しいものです。
<1月1日:元旦>
元旦は朝ゆっくり起きて、ちょっとだけ特別な昼ごはんを家族で食べ、だらだらおしゃべりをしたり、昼寝をして大騒ぎした大晦日の寝不足を解消する…というのが定番。日本のように「さぁ、新しい年を迎えてなにかがんばるぞ」という意識が微塵もありません。日本のようにおせちみたいなものはないけれど、レンズ豆は正月料理。レンズ豆を硬貨に見立て、お金がたくさん入りますように、という願いを込めて食します。
<1月6日:御公現祭(ベファーナの日)>
キリストの生誕を祝い東方の3博士がお祝いのプレゼントを持ってやってきた日とされる。この日ベファーナ(Befana)という魔女が来るといわれ、暖炉から家の中に入って来て、子供たちが寝る前に暖炉の横に置いた靴下にプレゼントを入れる。良い子にしていれば素敵なプレゼントを、悪い子には墨を入れると伝えられている。ベファーナは魔女でもあるので、魔女の毒リンゴが出てきます。つまり露店で本物のりんごをキャラメル煮にしたものを売っています。本来、サンタクロースはイタリアにはいなかったので、プレゼントはこちらがメインのはずですが、イタリアでもクリスマスプレゼントが盛んです。ということでイタリアの子供達はこの時期2回プレゼントをもらいます。クリスマスから大晦日、正月と続くごちそうシーズンが、ようやく終わります。

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<復活祭・イースター(Pasqua):「春分の日のあとの最初の満月の次の日曜日」>
復活祭は金曜日に処刑されたキリストが復活したことを祝う、キリスト教徒にとってクリスマスに並んで大事なお祭りです。
フィレンツェではスコッピオ・デル・カッロ(Scoppi del Carro)という火の車を意味するこの行事が中世以来開催されています。キリストの受難と復活を象徴する伝統的なもの。街の中を山車が練り歩き、花火に火がつけられます。フィレンツェのパッツィ家が十字軍遠征で手柄を立てて授与されたキリスト墓所の岩のかけらをその後フィレンツェの教会に献上。そのかけらからできた聖なる火の儀式や行進、聖霊を象徴する鳩の飛行、爆竹が鳴る山車など、一連の華やかな行事が、ドゥオーモ広場でくりひろげられます。
<Pasquetta (小さい復活祭):日曜日の復活祭の翌日で祭日>
月曜日は「小さな復活祭」で祭日。この日も食べることになっている。何しろお祭りは食べる、食べる。1日じゃ終わらない。
<コムニオーネ〜聖体拝受>
春はコムニオーネの季節。
カトリックのキリスト者になるための大事なお祭りで、初めて「キリストの肉(聖体)」である薄いおせんべいのようなものをミサの後に司祭さんに口に入れてもらいます。ミサに続いてレストランでの食事が続き一日仕事。
<4月25日:イタリア解放記念日で祝日>
解放記念とは、1945年の第二次世界大戦のイタリア終戦日です。イタリアの終戦は複雑で、敗戦というより、解放記念、という呼び名がふさわしいですね。イタリア開放記念日というのは第二次世界大戦でドイツ軍に占領されていた地域が開放された記念日で国民の祝日です。解放運動の激しかったミラノの祭が盛大なことで有名ですが他の都市でもいろいろなイベントが行われています。
<5月1日:メーデー>
メーデーは共産党が強かった時の名残か、国の祭日。
春たけなわの時でもあり、野外でわいわい飲み食いするのが習慣です。この時期が旬の空豆を食べるのも習慣。ローマでは生の空豆と羊のチーズを合わせて食べるのを乙としています。
<6月2日:共和国記念日(建国記念日)>
1946年に共和制移行の是非を問う国民投票が行われた日で、この結果イタリアでは王政を廃止して共和制になりました。ローマでは午前より軍事パレードがフォーリ・ インペリアーリ通り(VIA DEI FORI IMPERIALI)沿いで行われます。
<8月15日:Ferragosto(フェッラゴースト)「聖母被昇天祭」>
この日はどこに行ってもお休みで日本のお盆のようなものです。前の晩は大晦日の様な感じで、みんなでレストランに行って、食後に花火を打上げます。街によっては花火大会があったりします。やはりこの日もお決まりのごちそうの日です。
<秋のSAGRA(サグラ)>
28月から9月にかけてイタリア各地でSAGRA(サグラ)が催される。祭りと訳すけれど、元々は「豊穣祭」みたいなニュアンスで、その土地の特産物の取り入れ時に行われ、村人に無料で特産物料理を振る舞って皆で食べ合うのがそもそもでした。
ポルチーニ茸は人気のアイテムで、あちこちでSAGRA(サグラ)の一環でポルチーニ祭りが開催されます。
<11月1日:万聖節>
カソリック教会の祝日で、すべての聖人と殉教者を記念する日です。
<12月8日:「無原罪のお宿り」の祝日>
カソリック教会の祝日で、聖母マリアが神の特別なはからいでキリストを懐胎した日という記念日。