ローマ料理、食材とワイン

 イタリア料理には貴族の食べる高級なものと庶民の食べる料理の系譜があります。高級なものはイタリアの王女がフランス・ブルボン家に嫁ぐ際にフランスに伝えられ、フランス料理の源流の一つとなりました。

 その一方で、肉等を満足に食べることの出来なかった食いしん坊の庶民は、お腹の一杯になるパスタ料理を考案した事は有名な話です。ローマの伝統的家庭料理の臓物料理も、庶民の料理、マンマの味、貴族が見向きもしない残り物の臓物やしっぽ、はては頭を美味しくいただくものです。庶民的な農民料理が中心で、内臓を使った料理が多いのも特徴です。

 また第二次大戦のときのナチスの弾圧にもかからわずユダヤ人街が健在で、おいしいユダヤ料理を昔から提供しています。これもローマの名物の一つとなっており、評論家の随筆でもしばしば紹介されています。
 
<食材>
 羊肉、羊の乳で作られたチーズ、アーティチョーク、セージや、ルッコラなどのハーブ類、栗、ブロッコリ、チコリ、アスパラガス、各種トマト、ナス、ピーマン、ズッキーニ、かぼちゃの花、きのこ、プンタレッラ、オリーブオイル、各種臓物
 
<DOP食材(国が品質保証した食材)>
・・・・・・DOP食材については→こちらから
ペコリーノ・ロマーノチーズ、リコッタ・ロマーナチーズ、ローマ県・ヴィテルボ県産ヘーゼルナッツ、ヴァッレラーノ産栗、アンティーナ産白インゲン豆、ポンテコルヴォ産ピーマン、猟師風サラミ、カニーノ産オリーブオイル、コッリーネポンティーネ産オリーブオイル、サビーナ産オリーブオイル、トゥージャ産オリーブオイル
 
<ワイン>
 ローマ東南の近郊に「カステッリ・ロマーニ」と総称される小さな町が七つあって、「ローマのワイン貯蔵庫」と別名を持つほど、ワイン生産が盛んです。肥沃な火山灰土壌を利用したブドウ造りが盛んで、古くからローマ人に親しまれていました。ローマ帝国滅亡後、ブドウ畑は荒れてしまいましたが、中世になって復活して現在にまで至っています。カステッリ・ロマーニのワインのうち、フラスカーティという街の名前がワインの銘柄となっているフラスカーティワインはイタリア有数の白ワインとして良く知られています。主な銘柄はFrascati、Marino、Genzano、Fontana di Papaなどで、口当たりの軽い白が特徴です。
 
 フラスカティのワイン農家訪問記→こちらから

イタリア料理と各地の名物 イタリア各地のレストラン イタリアのワイン
ローマのレストラン ローマの食卓 ローマでお魚を食べる

<ローマ料理>
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子羊のカツレツ
 
 子羊の肋肉を木づちで叩いて伸ばし、小麦粉→卵→パン粉をまぶして作ります。復活祭やクリスマスのお祝いの時には必ず出てくるローマの定番料理です。特に骨の周りが美味しく、イタリア人も手でガツガツ食べます。
water kiosk カルチョーフィ・アラ・ロマーナ(右写真手前)  アーティチョークに詰め物をして、鍋でことこと煮て作ります。オリーブ油と水を半々くらいにして、パン粉とパセリのみじん切りを中にいれます。アーティチョーク独特のほろ苦さが口の中に広がる逸品。
 
カルチョーフィ・アラ・ギュデーア(右写真奥)  アーティチョークを丸ごとオリーブオイルで揚げた物。カラッと揚がったアーティチョークがパリパリと香ばしく、苦味の中に、野菜独特の甘みがあり絶品。セロリがたっぷりはいります。
 
 カルチョーフィを出すトラットリア・ペコリーノ→こちらから  春のカルチョーフィ祭は→こちらから
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Rigatoni all'amatriciana(リガトーニ・アラ・アマトリチアーナ)
 
 筋の入った短いパスタに、パンチェッタ(塩漬け豚肉)の入ったトマトソース、ローマ名産のペコリーノチーズをたっぷりからめた物。トマトソースの甘みと、塩気の強いペコリーノ、パンチェッタのコクのハーモニーが絶品。
 
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Cacio e pepe(カチオと胡椒)  ローマは古くから羊の放牧をしてますので羊関係の食品はローマの伝統料理となっています。そもそもローマを建国したロムルスもパラティーノの丘を居住地にして羊の放牧で生活していた部族の長であったろうと言われています。その中の「pecorino romano」(ローマ風羊乳チーズ)を別名Cacioと言い、このチーズの美味しさで食べるパスタがcacio e pepeです。風味が高く、胡椒でピリッと締めます。ゆでたパスタに削ったCacioを混ぜて胡椒を上からかけるだけの簡単料理でもあります。

 Cacio e pepe(カチオと胡椒)を出すセントレジスホテルのメインダイニング→こちらから
サルティンボッカ  仔牛肉に生ハム、セージの葉で風味つけしソテーしたもの。「口に飛び込んでくる」という軽妙なネーミング。
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子豚の丸焼きポルケッタ  「ローマのワイン貯蔵庫」と呼ばれる7つの町の一つ、ローマ郊外のアッリッチャへ行くことは、ローマッ子にとって名物のポルケッタ、小豚の丸焼きを食べることに他なりません。お腹いっぱい食べてワインを飲んで20ユーロ程度のポルケッタは庶民に愛されているソウルフードなのです。

 ポルケッタを出すオステリア・ダル・ヴィニャローラ→こちらから

レストラン編 市場・食材・その他編

レ ス ト ラ ン 編

レストラン"La Pergola"(ローマ)

 三ツ星レストランのシェフとして有名なドイツ人シェフのハインツ・ベックさんの料理を楽しめる人気店です。世界各国からグルメの集まるイタリア最高級レストラン .........→つづきはこちら

ルーフガーデン・エデンのテラス(ローマ)

ローマのトップホテル・エデンが誇るルーフガーデンレストラン・エデンのテラスは、グルメの方なら一度は試してみるべきレストランです。最高級のホテルのレストランで、.........→つづきはこちら

ローマで味わうマンマの味・ペコリーノ(ローマ)

Mattatoiにある「ペコリーノ(羊の肉)」の扉を開けると、日本の定食屋のおばさんのようなイタリア人の人なつこい笑顔に迎えられて、ヨソモノの不安が吹き飛んで...............→つづきはこちら

芸術の小径のベジタブルレストランArte(ローマ)

スペイン階段からほど近いマルグッタ通りはもともと画家のアトリエと画廊が多かった。今でも多少は残っている。ローマの中心地にありながら静かで、陽光がたっぷり...............→つづきはこちら

海のそばのレストランIl Ghiottone

セコンド魚のミックスグリル。魚のミックスフライもあったけど、写真撮るのを忘れました。新鮮魚がカラッと揚がってて、お腹いっぱいなのに食べちゃった。...............→つづきはこちら

スローフード協会認定アランチャブルー(ローマ)

ベジタリアンレストランオーナーこだわりのメニュー。これも野菜?と驚くほどの豊かなメニュー。イタリアスローフード協会認定のレストランで季節の野菜を使った...............→つづきはこちら

市 場 ・ 食 材 ・ そ の 他 編

ローマの食卓「ローマのメルカート」

イタリア中どこへ行ってもその土地で作られるチーズとワインがありキノコがあり、季節の野菜があります。食材に会うことの出来るローマのメルカートを紹介します。 ..........→つづきはこちら

ローマの食卓「高級食材店」

食材にこだわるイタリアでは、よりすぐりの食材を集めた高級食材店という分野が成立しています。お土産を買うにも適当なローマの高級食材店を紹介します。 ..........→つづきはこちら

ローマの切り売りピッツァ

イタリアのローマより北の地域では、庶民の手軽な昼食や軽食として切り売りピッツァがあります。ワンコインランチのないイタリアでは重宝しています。  ..........→つづきはこちら

ジェラート屋GELARMONY

一般観光ルートから外れた住宅街にあるGELARMONYという名前の店です。ほかの店と違うのはシチリアン・テイストを売りにしているところ。  ..........→つづきはこちら