イタリアの食の文化


エミリア・ロマーニャ州(ボローニャ、パルマ)の料理と食材、ワイン


タリアテッレ・ボロネーぜ

 エミリア・ロマーニャ州は北イタリアの大河ポー川流域の肥沃な平野を抱え、古くからイタリアの中でも豊かな地域とされています。ボローニャをはじめ、モデナ、パルマ、フェラーラといったルネサンス都市が所在し、文化・観光の中心地である。食品産業が盛んです。食品産業が盛んで、イタリアチーズの王様とも呼ばれるパルミジャーノ・レッジャーノやモデナのバルサミコ酢、パルマの生ハムやボローニャソーセージなどの産地でもあります。
 
 イタリア最古の大学のある町であるボローニャは、美食の町としても知られておいます。日本でもミートソースとして知られるパスタ・ボロネーゼや、牛や鶏肉を揚げてハムとパルミジャーノチーズを載せたコトレッタ・アッラ・ボロネーゼもボローニャの伝統料理として知られています。

ボローニャ料理

タリアテッレ・アル・ラグー(Tagliatelle al Ragu alla Bolognese):
 日本でも「ミートソース」「ボロネーゼ」と親しまれているボロネーゼですが、正統派ボロネーゼは卵つなぎの平たいパスタ・タリアテッレが定番です。ラグーとはひき肉を使ったソースのこと。ボロネーゼに使用される材料は牛肉、パンチェッタ、玉葱、人参、セロリ、トマトペースト、肉のブイヨン、赤ワイン、そして任意で牛乳またはクリーム、となっています。
 
ラザーニャ・アッラ・ボロネーゼ(Lasagna alla Bolognese):
 ラザーニャはベシャメルソース、ミートソース、ラザーニャ(平たい板状のパスタ)、チーズを何層かに重ねてオーブンで焼き上げたものです。ボローニャ風のラザーニャの特徴は、チーズがパルミジャーノ・レッジャーノのみを使用したもので、ボローニャの名物となっています。
鶏肉のカチャトラ(Pollo alla cacciatora):
 カチャトラ(Cacciatore)は、イタリア語で「猟師風の」という意味のイタリア料理です。狩りをした後、狩人がその場で食べるお料理といったような意味合いを持辻本料理です。鶏肉のトマト煮込みのことで、材料として トマト、タマネギ、ハーブ、ピーマン、鶏肉、ワイン等が使われています。
<ボローニャのドルチェ(デザート)>
 
クロスタータ(Crostata):

 クロスタータはイタリアのタルトで、クッキーを使ったタルト生地にジャムを詰めて焼いたとってもポピュラーなお菓子です。いわゆるマンマのお菓子として,イタリアのどこの家庭でも良く作られています。ボローニャのレストランでプロの作るクロスタータを試されては如何でしょうか。

エミリア・ロマーニャ州のワイン

 北側に位置するエミリア地方はランブルスコで代表される微発泡性の赤ワインで知られています。エミリア地方の中心地モデナを中心に作られているランブルスコは、タンニンを多く含まない若飲みタイプとなっており,多くはタンク内発酵で作られていますが、中にはプロセッコ同様の瓶内発酵のランブルスコもあります。
 
 一方、ボローニャからラヴェンナにかけてのアペニン山脈沿いの丘陵地帯に広がるロマーニャ地方では、古代ローマ時代からの伝統を引き継ぐ地元種のぶどうによりワイン生産が行われています。その代表的なものはDOCGの白ワイン、アルバーナ・ディ・ロマーニャがあります。またサンジョヴェーゼ種を使った赤ワイン、サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャなどのDOCに格付けされたワインが数種類あります。
 
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食材

 肥沃な大地を持つエミリア・ロマーニャ州は、農産物の宝庫で、そこから生み出される食材は、イタリアの食品基準であるDOPやIGPを獲得した食材が目白押しです。 これらの食材はイタリアだけでなく世界的にも良く知られています。
 
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 主なDOPやIGPを獲得した食材には次のようなものがあります。
・パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)(パルマ産チーズ)(DOP)
・プロシュット・ディ・パルマ(パルマ産生ハム)(DOP)
・モデナの伝統的バルサミコ酢(ACETO BALSAMICO TRADIZIONALE)(DOP)
・ボローニャのモルタデッラ(ボローニャソーセージ)(Mortadella Bologna)
・ピアチェンツァのパンチェッタ(Pancetta Piacentina)(DOP)
プロシュット・ディ・パルマ(Prosciutto di Parma)  パルマ近郊で作られる生ハムで、世界で最も有名なハムの一つです。最低でも13ヶ月以上熟成され、最もイタリアで品質の高い生ハムと言われています。DOPに指定された特産品です。  材として珍重されています。
 
パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)  イタリアを代表するチーズのひとつです。 名前の由来は地名からきており、パルマ、 レッジョ・エミリア、モデナなどのエミリア・ロマーニャ地方で作られたものが、パルミジャーノ・レッジャーノと名乗ることが許されています。そのためヨーロッパではクラフトのパルメザンチーズはPamesello という商品名で売られています。
 
パンチェッタ(Pancetta)  塩漬けした豚バラ肉で、イタリア料理でなくてはならない食材です。これをいぶしたものがベーコンとなることから、生ベーコンとの呼ばれます。パンチェッタ・ピアチェンティーナ(Pancetta Piacentina)はDOP指定食材となっております。
 
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トルテリーニ(Tortiglioni)  トルテッリーニは、リングのような形が特徴のパスタで、ボローニャの伝統料理の一つです。イタリア各地で食べられていますが、ボローニャのトルテリーニには豚肉とパルミジャーノ・レッジャーノが入っているのが定番です。
 
バルサミコ酢  葡萄の濃縮果汁から作られる果実酢です。長期にわたる樽熟成が特徴です。独特の香りがあり、料理の隠し味等で威力を発揮するだけでなく、甘味があるため、デザートの味付けやトッピングに使われます。モデナ産のDOP指定のバルサミコ酢は高級食材として珍重されています。
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