COOPの動物起源の食材に関する安全性向上の取組み


動物保護に関する私どもの取組みは紙の上だけではありません
 
 イタリアで古くからある生活協同組合・COOPは、もともとは1854年にトリノで生まれた生活協同組合運動を起源としており、労働者の互助組織としてイタリア全土に広がりました。この伝統的な生活協同組合運動を背景にスーパーマーケット化したのがCOOPです。このCOOPの発展は、貧しい時代に安くて美味しいものを仲間たちで分け合うところから始まっています。
 
 現代では豊かになった時代の変遷を反映して、手軽で美味しく、新鮮な地産地消食材に重点をおくほかに、化学合成せず、GMOフリー(遺伝子組換えなし)といった安全性・品質の高い商品や小麦アレルギーを考慮した商品を集め一般の消費者に広い支持を受けています。
 
 イタリアで発展を続けている有力企業の特徴は、国や政治力に頼らないことを特徴としています。これは規制の有無にかかわらず、自社のポリシーとして、正しいと思った企業行動を選択する傾向が強いということです。ヨーロッパではEUが食肉等の動物起源の食材について注意を払うようになっています。イタリアでも食材にこだわりを持つCOOPが積極的に動物起源の食材の安全性向上に取り組んでいます。


鶏卵の安全性向上

 鶏卵はCOOPが積極的に動物起源の食材の安全性向上に取り組む典型的な例で、EU諸国の中の民間小売事業者と比較できる優れた取組みが行われています。COOPでは2018年の段階で販売する卵をすべて平飼い飼育で飼料に抗生物質を与えていない鶏からの卵に限定して販売しています。この取組みは2002年に始まっています。
 
・ 2002年:すべての工程を管理するCOOP印の卵が誕生した。
・ 2003年:COOP印の卵はすべてイタリア産で平飼いとした。
・ 2010年:COOP印の卵はすべて、ケージなしで飼育した鶏からの卵とした。
・ 2018年:前項に加えてCOOP印の卵はすべて抗生物質なしの卵とした。
 COOPで販売されている鶏卵のコード番号を下図に示します。これにより鶏卵の生産国、飼育方法、賞味期限(生産日)、生産場所が分かるようになっています。


鶏肉の安全性向上


 
 COOPで貼付されている鶏肉のラベルには食肉の安全性に直接関連した項目として「規定より広めの飼育」「つつきやひっかきを可能にする藁」「自然光」「抗生物質なしの餌」「遺伝子組換えでない飼料で飼育」が記載されています。
 
 また放し飼いの肉用鶏については、上記に加えて「ガストロノミー(美食文化)の最高品」との表示があります。


牛肉での取組み

 牛肉売場には「最後の4ヶ月抗生物質を使わない飼育」「紙の上だけではない努力」とのポスターが貼られています。COOPで貼付されている牛肉のラベルには「最後の4ヶ月抗生物質を使っていない」「GMOフリー(遺伝子組換えでない飼料を使用)」の2項目が表示されています。


 すでにヨーロッパでは、食肉関係食材を畜産における食用動物保護の取組みによって生産された食材に限定するEU指令が出されており、加盟国はこれに従って国内法の改定、食用動物保護規制を行っています。イタリアのスーパーの中で最もこの取組みが進んでいるのがコープで、コープ各店ではこの取組みをアピールするポスターが全店で展開されています。
 
 イタリアではヨーロッパ各国同様、安い遺伝子組換え飼料を使った輸入食材の流入により、商品価格引き下げ圧力が強いのです。コープの商品は周辺一般スーパーの価格と比較して、弊社調べで20%以上高いのですが、食品の安全性、品質の高さをアピールに成功して、売り上げを伸ばしています。このコープの活動はヨーロッパ各国の小売業の中でも際立っており、訪問者が絶えません。
 
 わが国の農林水産省では2020年の東京オリンピックの選手村の食肉関係食材を、畜産における食用動物保護の取組みによって生産された食材として、世界的にアピールすることを考えています。ちなみに日本の一部の生活協同組合も、畜産における食用動物保護の取組みをおこなっています。