ローマから吹く風




仲間と一緒に過ごすお正月

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 イタリアのお正月というのは、クリスマスで山場を迎えた後の大騒ぎ、という感じです。友人とわいわい過ごすのが常となっていますが、 今年は、新コロナの影響で「友人とワイワイ」はできないので、昨年の思い出をしみじみと見返すことにしました。
 
 選んだレストランはLa locanda nel bosco。訳して「森の中の宿屋」。「ローマのワイン貯蔵庫」のあだ名を持つ総称カステッリ七つの小さな市の一つで、法王の避暑地としても有名なロッカ・ディ・パーパの山の中にあるロッジ風のレストランです。この時期、クリスマスツリーを始め、クリスマスの飾りつけは東方三博士の訪問日とされる1月6日まで残しておくのが普通です。

 


 酪農家の家を改造したので、ライフルや農耕具をインテリアにしています。鹿の角や馬具もあります。冬にここで食べるときはいつも暖炉の近くを予約します。


<様々な前菜たち>

 
 では、開始!
 
 まず、レストランのお薦めで前菜のミックス。これは突き出し。
 
 じゃがいもをベースに、赤は人参で、緑はほうれん草で色をつけたもの。これは気に入って、後に家でも作って見ました。

 


 上写真左が前菜ミックス。サラミ、生ハム、ハム、コッパ、フレッシュ・カチョッタ(チーズ)。上写真右が大晦日から元旦にかけて欠かせない一品。レンズ豆を小銭に見立ててお金に困らないように、との願いを込めて食べます。
 
 下写真左が豆と豚皮(ファジョーリ・エ・コテキーノ)。豚を余すところ食べる庶民の料理です。豚の皮がブニョブニョになるまでトマトソースで煮込んだもの。味が全体にしみて、この汁をパンにつけて余すところなく食べ尽くします。下写真右が最後の前菜。ここカステッリでは欠かせないポルケッタ。ポルコ(豚)の小型でポルケッタ。子豚の丸焼きです。カリカリになった皮が乙です。

 




 
 オーナー家族の一人が次の注文を取りに来ました。
 
 アホ話も交えながらワイワイと次の料理を決めます。
 
 メニューではなく、直接口頭で何があるのかを聞きます。料理の選択は最重要案件で、納得がいくまで話し合います。
 
 イタリアでレストランで食事をするときの醍醐味の一つです。



<プリモピアット:第一の皿>
 ラビオリのポルチーノ茸とトリュフのソース和え。これはMidoromaさんの注文。山の中ならではの料理です。ラビオリの中身はリコッタとほうれん草。
 
 肉好きの甥は、プリモ(第一の皿/パスタなど炭水化物類)を取らずに直行でセコンド(第二の皿/タンパク質)のステーキ。付け合わせは、ポテトのオーブン焼き。皮つきのまま細長く切って塩と胡椒で味付けをしてオーブンへ。皮は美味しいですよね。

 




<セコンドピアット:第二の皿>
 仔牛肉のオッソブーコのトリュフ味。オッソブーコはスネ肉。骨髄もおいしい。
 
 食べることに情熱を傾けるイタリアでは、肉獣の年齢で呼び名も変わります。日本語では「子牛」と一絡げになりますが、これは子牛は子牛でもVITELLOではなくVITELLONE。生後1年以上で乳歯がすでに抜けた年齢の子牛のこと。VITELLOよりも肉の味が強くなります(成牛よりはデリケート)。
 
 「え、前菜を食べてプリモも食べたのに、セコンドも食べるの?!」というダンナの意見を却下して、たまのことなので、義妹の「どうせ健康に悪いことをするなら思い切ってやろう!」という意見を採用して美味しいものを楽しむことにしました。


<デザート>

 
 はい、デザートまでいただきました。
 
 名前は忘れましたが、スポンジケーキの中にブルーベリージャム。その上に卵クリーム、その上に生クリーム。
 
 生クリームに目がない甥っ子は家族が残した生クリームを一手に引き受けました。




 


 食後に欠かせないもの。エスプレッソ・コーヒー。そして食後酒のジェンツィァーナ。同名植物の根っこから作るリキュール。消化を助けると言われています。根から作るのでちょっとごぼうとか朝鮮人参に似た泥臭さが特徴。食後酒のことをイタリアでは「AMMAZZA CAFFE' コーヒーを殺す」という言い方をします。シメのシメ。この後はありません。
 
LA LOCANDA DEL BOSCO
所在地: Via Rocca Priora, 39, 00040 Rocca di Papa RM
電話: 06 9474 9337