ローマから吹く風




庶民の味方・ジェンツァーノのパン

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 「パンのように人が良い」とか「パンのように売れる」とか、イタリア語にはパンを使った表現方法がいくつかあって、それほど日常生活に大事な、というか、無くなてはならない、あって当たり前のものなのです。
 
 ワインやオリーブオイルのように土地ごとにパンの顔が違います。ローマにも色々ありますが、Midoromaさんのお気に入りは、ローマ南東30kmにあるカステッリ・ロマーニの丘にある古都ジェンツァーノで作られているパンです。


 
 これは近所のスーパーのパン売り場の写真です。下段の三角形にパンの名前と値段が書いてあります。左側に「Raliano(ラリアーノ)、2,69ユーロ/Kg」、右側に「Laziano(ラツィアーノ)2.29ユーロ/Kg」とあります。お気に入りのジェンツァーノは表示を撮りそこねた一番左側のゴツゴツした皮を持つパンです。
 
 まるごとだと1キロから2キロあります。前出のパンよりジェンツァーノはちょっと安くて、これで100円ちょっと。
 


 

 これが購入したパン。郊外住まいで「ちょっと裏のパン屋まで一っ走り」というわけに行かないので、いつもまるごと買って、スライスして冷凍しておきます。まるごとでなくとも、半分とか3分の1とか小さく買うことが出来ます。さすがに一切れとかはダメですが。
 
 ジェンツァーノ・パンはPane casareccio di GenzanoとしてI.G.P.(Indicazione Geografica Protetta)保護指定地域表示がついています。全工程の一部が指定地域である、という表示だそうです。特徴はそのカリッとした香ばしい皮と程よい湿気を含んだ柔らかく白い中身にあります。 材料は0及び00の小麦粉、自然酵母、塩、水、小麦ふすま。
 
 I.G.P.の表証をつけるには「0.5キロから2キロ」「濃い色の3ミリ程度の皮」「中身は白か象牙色」「穀物倉の香り」「豊かな風味」「33.7%を超えない湿度」という条件をクリアする必要があるそうです。
<皮>
 
 見かけより優しい皮です。パリッとしてるので、見かけよりも噛みやすく、焼けた穀物の香ばしさが口に広がります。
<中身>
 
 日本で売られる食パンの柔らかさとはちょっと違いますが、イタリアで売られるパンの中では柔らかい方です。自然酵母のおかげで甘い香りがします。アングロサクソン系の食べ方のバターではなく、このままハムやサラミ、チーズに合わせて。焼いてブルスケッタにしてガーリックと塩とオリーブオイルで。
 
 一番美味しいのは、パスタを食べ終えて、残ったソースを拭って食べる、かな。 「ローマのワイン貯蔵庫」の町の一つ、アリッチャに豚の丸焼きポルケッタを食べに行くとお供はこのジェンツァーノ・パンです。
 
 アリッチャのポルケッタは→こちらから