ローマから吹く風




イノシシのソーセージ

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 Midoromaさんのダンナさんの趣味は狩猟で、トスカーナの狩猟グループにゲストで混ざってイノシシ狩りをします。イノシシはグループで、そして犬を使って狩りをします。イノシシの猟犬はそのように教育を受けた犬で、果敢にイノシシにかかっていき、ハンターのいる場所に追い立てる。イノシシは走ると結構速いので、イノシシの通り道に待ち構えたハンターも犬の吠え声を聞いて猟銃を構えていても間に合わないことが多々あって、撃つことができればまだ良いそうです。そしてイノシシは皮が厚いので一発や二発では致命傷にならない。それで寄ってたかって撃つわけ。
 
 動物愛護の見地から云々はここでは扱わず、食べなくちゃ生きられない人間の性として生きてきた視点から、取ってきた獲物を美味しくいただくことにします。獲物は参加者全員で平等に分けます。参加者が多いので家に持ち帰れる量はあまり多くありません。そこで量を増やす、長持ちさせる、ということで腸詰めにすることにしました。今まではソースにしてパスタにしてたのですが、初めての挑戦です。



 


 
 上の左の写真は皮付きのイノシシ肉です。「生きていた動物を解体する」作業を他に任せて肉を食べる都会に住む現代人にはちょっと顔を背けたくなるかもしれませんが、まぁ、これが現実の姿です。骨が無い部分で、多分、後ろ足のお尻に近いところではないかと思われます。よく切れるナイフで皮を剥がしていきます(上の写真右)。
 
 分厚く三センチくらいの脂肪もついてますが、イノシシの脂肪は食べてまずいので取ってしまいます。皮も脂肪も取り去った後、これをボールに入れ、赤ワインと酢を半々に混ぜたものをひたひたにして一晩つけて血抜きをします。これで野生肉の臭みが取れます。右の写真は二口大に切ったイノシシ肉と同じ量の豚の脂身。これもイノシシと同じような大きさに切っておきます。


 

 この日のために買った挽き肉機。挽き肉機にイノシシと豚の脂身を適当に混ぜて挽いていきます。
 挽き肉に塩(肉1キロに対して22g)、胡椒、赤ワイン(少量。入れなくてもよい。ワインではなく酢を入れる人、ニンニクを入れる人、ウイキョウの種を入れる人もいます。)を入れてよく混ぜあわせておきます。
 
 ものすごく大事な豚の腸を挽き肉機にセットします(写真右)。というのもEUになってから衛生のためという理由で色々手に入れるのが難しくなっていて、腸もその一つです。ダンナが顔見知りの肉屋さんに頼んで手に入れました。腸は肉屋さんがちゃんと洗ってくれ、塩に漬けて干しておきます。腸詰めを作るときはぬるま湯につけて戻しておきます。

 



 
 挽き肉機には腸詰めを作るための部品もあって、コーン状のものをセット。そこに腸をストッキングのように履かせておきます。
 
 挽き肉をまた機械に入れます。
 
 機械のスイッチを入れると、挽き肉が腸の中に入って来ます。それを手で受けて、たくし上げたストッキング状の腸をしごいて手前に寄せて腸詰めを長くしていきます。
 
 腸は思いの外丈夫でどんどん膨れるので、うまく長さを調整していかないと太り過ぎの腸詰めになって、後で紐である程度の長さに縛っていく時に破裂してしまいます。
 
 下の左の写真のように腸詰めらしい姿になります。これを小包用の紐で10センチ程度ごとに縛っていきます。もう、完璧な腸詰め「サルシッチャ(salsiccia)」になりました!

 



 Midoromaさんのダンナ様、ごきげん。そばにいる犬が欲しそうにしてる…
 この後試食しました。自家製のイノシシのソーセージ(サルシッチャ)が大変美味しかったことは言うまでもありません。