Cucina Italiana
クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第61号
街の社交場、広場のカフェ・バール
はじめに
イタリアのどの街にもチェントロ(中心地)には広場があります。そこは市民がサロンや散歩する場所として使いこなす場所です。広場には市民の憩いの場であるバールやカフェがあり、人々の暮らしに欠かせない存在になっています。
第61回はイタリア人の生活に欠かせない街の社交場、広場のカフェ・バールを説明すると共に、ヤマネさんお薦めのトラステベレのカフェを紹介します。
協力者と刊行内容
→http://www.ivc-net.co.jp/cucina/index.html
ヤマネミドリさん→http://www.ivc-net.co.jp/trans/yamane/
イタリア第二の朝食
バールやカフェは早朝から通勤途中の人が立寄り、焼きたてのコルネット(クロワッサン)を食べながらカプチーノやエスプレッソを立ち飲みする人でごった返します。
一般にイタリアの朝食はとても軽いのです。コーヒーかカフェラテなどの飲み物にビスケットや乾パンにジャム、パネットーネなどの軽いものを食べます。朝はお腹が空かないとコーヒーだけの人もかなりの割合でいます。このまま学校や仕事へいくと、10時ごろお腹が空いてきますので、バールやカフェで2度目の朝食を摂るのです。このことをイタリアでは第二の朝食と呼びます。
第二の朝食については→
http://www.ivc-net.co.jp/cucina/2016/cucina006.html
バールやカフェの1日
バールでの朝食の定番は「カプッチーノとコルネット」です。常連になったBARへ行くとこちらから注文品を言わなくても「いつもの?」と先にこされたりします。コルネットはクロワッサンににたパン菓子で、クロワッサンよりバターの分量が少なく、パンに近くなります。中にクリームやチョコレートやジャムが入っているものもあります。
昼食時間になるとパニーノにハムやチーズを挟んだものを出したり、最近ではパスタや食事を出す店さえあります。レストランでの昼食が終わって,カフェで胃袋の調子を整えるために立ち飲みでコーヒーを1杯といったこともあるようです。
昼間のデイタイムも仕事を抜け出し近くのカフェに出かけたりします。要は気分転換で、日本の「お茶しよう」と言った感覚に近いものがあります。
夜の8時になるとばったりと人影が無くなります。家に帰って家族と食事するためです。つまり仕事が終わって夕食を採るまでの7時から8時が街角のゴールデンタイムなのです。
街の社交場
カフェやバールでは政治談義、スポーツ、日常生活情報が行き交い、話しをすること自体が楽しみとなっています。行き交う仲間達とわいわい過ごす楽しいひとときです。当然ファッションには気を使う社交場です。安い立ち飲みカフェを楽しみ,店を渡り歩くのもイタリア人の醍醐味の一つ。また散歩道にはジェラート屋があり、そこでジェラートを楽しみ、バールでカフェを飲んで口直し。街中にジェラート屋が数多くある理由もここにあります。
ローマ・トラステベレのバイロンカフェ
このようにカフェやバールはイタリア人には欠かせない社交場の一つとなっているのです。いわばカフェ文化があるといっても良いでしょう。ここでローマッ子御用達のカフェを一つご紹介します。ローマッ子が最も愛するテベレ川の向こう岸・トラステベレにあります。
名前はバイロンカフェ。何も19世紀のイギリス大詩人の名前を付けているのはご愛嬌。クラッシクでありながらモダンなカフェです。
Baylon café
Via di s.Francesco a ripa,151
Tel.3200 418097
URL: http://bayloncafe.thefork.rest/en_GB/
次回予告
ナポリ女がピッツァを作れなかったら出身地を偽証したほうがいいというぐらい、ナポリの女性にとってピッツァ作りは十八番。ナポリ出身のピッツァの女神様が降臨して、ピッツァ作りのコツを伝授してくれます。
協力者と刊行内容
→http://www.ivc-net.co.jp/cucina/index.html
ヤマネミドリさん→http://www.ivc-net.co.jp/trans/yamane/