Cucina Italiana

クチーナ・イタリアーナ(イタリアの台所)
第8号

「ミラノ黄金料理/
レシピ:シチリアおばあちゃんのおやつ・パンボール」

はじめに



オッソブーコとリゾットミラネーゼ

 イタリアでは、黄金色をお金持ちのミラノに比喩することがあります。黄金色に仕上げた料理につけられ、それがイタリア経済(金→黄金)の中心都市であるミラノと結びつけられ、これがミラノの黄金フードの由来といわれます。
 
 第8回は、ミラノ黄金料理として知られるコトレッタ・アラ・ミラネーゼ(ミラノ風カツレツ)、オッソブーコ(子牛スネ肉の煮込み)、リゾットミラネーゼを解説致します。またMidoromaさんがシチリアおばあちゃんのおやつ・パンボールのレシピを紹介します。
 
協力者の紹介と刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html

 

ミラノ黄金料理
ミラノ風カツレツ、オッソブーコ、リゾットミラネーゼ



Cotoletta alla Milanese

<コトレッタ・アラ・ミラネーゼ(ミラノ風カツレツ)>
 ミラノ風カツレツ「コトレッタ」は、手順的なものから言ってしまえば、限りなくトンカツに近いです。バターとオリーブオイルで揚げます。イタリアでは豚肉ではなく、牛肉を使うことが一般的です。コトレッタは、揚げると黄金色になります。これがミラノ風の由来です。高級店では揚げる際に必ずバターを使っていますが、手頃な店ではオイル揚げとなっています。高級店では30ユーロするところもあり、けっしてお手頃の料理とは言えないところがあります。
 
<オッソブーコ(子牛スネ肉の煮込み)>
 ミラノ発祥の地方で有名な料理と言えば「オッソブッコ(子牛スネ肉の煮込み)」が有名です。まず、オッソブーコの名前の由来ですが、osso=骨、buco=穴で、穴の空いた子牛のすね肉を使った煮込み料理です。
 ミラノ風の特徴はレモンの皮のすりおろしと刻んだパセリとにんにくで作るグレモラーダで風味をプラスする点と、付け合わせにサフランで色取りしたミラノ風リゾットを添える点にあります。ミラノでは基本的にはこのオッソブッコとリゾットを一緒に食べるのが習わしなのです。トップの写真のように全体を黄金色に仕上げています。
 
<リゾットミラネーゼ>
 サフランを使ったリゾットミラネーゼも、黄金色であることがポイントです。この料理はある結婚式においてその結婚を望まないガラス職人がいじわるをしようとリゾットにサフランを入れたのが始まりと言われています。結婚式に参列した人々は黄色くなったリゾットを恐る恐る食べてみるとこれが意外に おいしい、ということになり今ではお祝いの意味も含めてミラノでは有名な料理になりました。

 

ミラノの伝統料理が楽しめる老舗レストラン
サヴィーニ(Savini)



 ミラノの中心にあるヴィットリオ・エマニュエル II世のガレリアの中にある創業146年の老舗レストランです。マリアカラスを始めとした近くにあるスカラ座のオペラ歌手御用達の店。本格的なミラノ伝統料理を楽しむことが出来ます。
 
 ちょっとリッチに食事をしたい人にはお勧めの高級店です。喜劇王チャップリンが愛した極上の“リゾット・アッラ・ミラネーゼ”は29ユーロ、ミラノ風カツレツ40ユーロ、ティラミス15ユーロ。
 
<Ristorante SaviniのDATA>
 住所:Galleria Vittorio Emanuele II
 TEL:02-72003433
 営業時間:月曜日〜金曜日12:00〜15:00/19:00〜23:00 土曜日19:00〜23:30 日曜日 12:00〜15:00
 URL:http://www.savinimilano.it/

 

 

Midoromaのレシピ
「シチリアおばあちゃんのおやつ・パンボール 」



 イタリアでは食卓にパンは当たり前。でも、食べきれなくて残ったものは固くなってしまいます。そのパンを捨てずに食べるおばあちゃんの知恵です。冷めてもおいしいところが何とも良いです。
 シチリア出身のご近所さんが息子のおやつによく作ってくれました。ミントがシチリア風です。
 
<材料> 3人分
 固くなった古いパン 4枚
 揚げ油 500ml
 卵 1個、牛乳 1カップ、小麦粉 1カップ
 ミント、塩少々
<料理時間:30分>
 
<作り方>
1.パンを牛乳につけて柔らかくします。柔らかくなったらパンを絞って余計な牛乳を落とします。
 ミントの葉を細かく切って加えます。
 
2.卵1個と小麦粉半カップと塩を加えてよく混ぜます。
 パンの量や卵の大きさによって小麦粉の量を調整します。
 
3.手のひらに収まるくらいの平べったい団子にして、小麦粉をまぶします。
 
4.コロッケの要領で油で揚げます。
 お皿に載せて、おやつやおつまみに。


<おいしくなるコツ>
 パンとミルクという子供っぽい材料が、ミントでぐっと引き締まります。入れすぎないように注意。新しい柔らかいパンの場合はミルクの量を減らしてください。食パンでなくてもバゲットなど、パンなら何でもOKです。
 
ヤマネミドリさんのご紹介
http://www.ivc-net.co.jp/trans/yamane/index.html

 

次回予告


 次回は引続き、イタリア家庭料理のスーパーマンマ、アントネッラ・ラマッキアさんの海老リングイネのレシピと毎週火曜日の午前中にアルノ川北岸のカッシーネ公園横の歩道に沿って開催される フィレンツェ最大のメルカートをお知らせします。
 
協力者の紹介と刊行予定
http://www.ivc-net.co.jp/food/mailmaga/2016/publish.html

 

発行


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